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自由研究は、本当に自由か。

こんにちは。「知財ハンター」兼小学生の母でもある丑田です。

自由研究と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
幼き日の夏休み、悩みながら題材を探し、周囲の人に励まされ、時に怒られ、もしくは一人で黙々と。
迫りくる新学期に間に合わせるために試行錯誤した記憶は、きっと多くの人の思い出として心に刻まれていることでしょう。

時は流れ、私たち大人は自由に研究する機会など少なくなった一方、「自由研究」の4文字は、子供たちの夏休みの宿題リストに今も堂々と残っています。

数ある宿題の中でも、自由研究は別格。ラスボスです。
「ドリルや絵は終わったけど、自由研究が進まない!」という状況は、いつの時代も小学生あるあるだと思います。特に低学年においては、そもそもどのように進めたら良いかがわからない子供がほとんどでしょうから、“親のヘルプ”が重要になります。
でも、今の親たちは忙しい。
子供が夏休みだろうが、大人の夏休みなどないに等しいもの。仕事や日常のあれこれに加えて、子供の宿題にじっくり付き合うなど、至難の技なのです。(これは小学生の親である筆者もよーくわかる話、、、)

結果、“時短でできる”自由研究が求められ、ネットには学年別の自由研究マニュアルとして多くの情報が、大きなスーパーなどにはさまざまな「自由研究キット」なるものが集まります。
うん、便利!
子供の自由研究なんて、つまりは親の自由研究と一緒。
効率よく仕上げて、周りの子の作品と遜色なく並び、恥をかかせることがなければ合格でしょ。

うーーーーん。
何かが引っかかる。
近年はこのような状況が続いて、“自由研究不要説”も出てきています。
でも、果たしてそれで良いのでしょうか?

自由研究の目的とは?

ここで、一度自由研究の原点に立ち返ってみようと思います。
自由研究という言葉が生まれたのは1947年(昭和22年)。戦後初めての学習指導要領に、“教科”として登場し、小学校高学年〜中学校の授業に採用されていました。要領には「児童が学年の区別を去って、同好のものが集まって〜」と記載があり、自由に好きなことに取り組むことを重視されて取り入れられたものでした。

その4年後に教科としては廃止されてしまいましたが、自由研究は、戦前の画一的な教育から脱却して、個性を尊重し、教科の枠を超えた今の「総合学習」にもつながるような、戦後を象徴する試みだったものと思われます。
現在は、学習指導要領に実施の規定はなく、夏休みの宿題として課すかどうかは各学校に任されているそう。しかし60年続く自由研究コンクールもあるように、子供たちの自由な創意工夫の力を育てる宿題として、長い間支持され多くの学校で採用されてきた取り組みなのです。(参考:https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/education/20365/

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つまり自由研究とは、通常の授業では学べない題材と手法で、子供たちが自分の好きなことを突き詰めて研究するという経験のこと。正解はなく、むしろ今まで世の中になかった発見が導き出される可能性もある、とても貴重な学習だと言えると思います。

だから、自由研究を煩わしいものと捉えてしまうのはもったいない。
計算ドリルや漢字練習を後回しにしてでも、子供が成長するまたとないチャンスとして、親子でじっくり向き合うべきなのが自由研究なのではないでしょうか?

絵本作家の故かこさとし先生が、長年にわたる子供たちとの交流の中で一番大切にしていたのは、“子供の好きなものをじっくり観察して見極め、とことんそれをやらせること”だったそうで、それによって多くの子供たちが才能を開花させたとのこと。
自由研究に取り組むことで、それと似た状況が生まれ、未来の研究者・発明家を創出するきっかけになるとも思うのです。
めんどくさい!なんて言っていたら才能の芽を摘んでしまうかもしれないですよね。

こんな自由研究が素晴らしい

さて、筆者は日頃「知財ハンター」として、世の中の面白い知的財産(=知財)を探しては、それを短い記事にまとめ「知財図鑑」というウェブメディアに掲載するというお仕事もしています。

知財とは、最先端のテクノロジーや、難しい理論を使った特許技術のようなものだけを指すものではありません。たとえば日本が発祥である「絵文字」や、子供たちの定番のおもちゃ「LEGO」も知財の一つ。
発案者の好きなことの延長や、誰も思いつかなかったちょっとした発見が、世の中を変えるような知財となることが、この世界にはたくさんあります。

そう考えると、子供たちの自由研究だって立派な知財です。
大人が思いもよらない視点で研究されたことが、世の中の役に立っている事例も、現にたくさん存在します。
ここで、筆者が知財ハンター的な視点で選んだ、素晴らしい自由研究=知財をいくつか紹介しようと思います。

■分数ものさし(小学5年生)
分数を楽しく計算できるものさし。このものさしで線を引くことで分数の四則計算が視覚的に理解できる。2018年に商品化。(画像引用元:https://president.jp/articles/-/24673 知財図鑑記事はこちら

分数ものさし

■カブトムシの大きさの研究(小学4年生)
カブトムシの個体差はなぜ生じるのかという素朴な疑問から、4年かけて膨大な数のカブトムシを観察して法則性を導いた研究。第60回自然観察コンクール入賞作品。(画像引用元:https://www.shizecon.net/award/detail.html?id=561

カブトムシ

■6点点字(16才)
誰もが知る点字は、実は1825年に当時フランスの盲学校に通っていたルイ・ブライユという少年が発明したもの。その使いやすさから、今なお世界中で活用されている。(知財図鑑記事はこちら

点字


■蚊の研究(高校2年生)
妹だけが蚊に刺されやすいことを疑問に思った少年が、14才で研究を開始。高校2年生のとき、蚊に刺されることと人の足の裏の菌の種類との関連性を初めて発見し、各界から大きな注目を浴びた。(参考:https://www.earth.jp/tokyo2020/tagami-daiki-2/1.html

これらに共通するのは、
・自分の興味のあることに対する飽くなき探究心
・新しく自由な視点があること
・研究としての筋道が通っていること

などの要素。
そしてこの要素は、多くの人の支持を得る魅力的な知財にも通じることが多いように思います。

みんなが研究者になるために

筆者を含め「知財図鑑」のメンバーは皆、“世の中に眠るすごい知財を発掘・オープンにして、新しいイノベーションを起こす”べく、その活動を続けています。
しかし「すごい発見をしてしまった」「こんな道具があったら絶対役立つのになぁ」といった、先の子供の自由研究のような個人のアイディアは、なかなか外には出て来ず、学校の宿題として提出されて終わってしまったり、本人の頭の中で完結しまったりしがちなのが常です。
その”宝の原石”をようなものを見つけて広く伝え、活用方法を見出すことも私たちのミッションの一つだと思っています。

そこで、私たちは今年、新しい自由研究のアワードを作ります。その名は
<超・自由研究アワード2020>
小学生が取り組んだ、個性ある研究の中から特に素晴らしいものを「知財図鑑」にて掲載し、
次なるイノベーションの種として公開していく企画です。(※詳しくは文末を参照)

奇しくも今年は新型コロナウィルスの影響で各校の夏休みが短縮され、中には4日間(!)しか休みがないという学校もあるとのこと。それに伴い夏休みの自由研究も取りやめになる学校もあるかもしれません。
でも、学校に提出するものばかりが自由研究ではありませんし、模造紙○枚以内などという形式も本来は自由であるべき。なので今回のアワードでは作品の形式は問いません。動画や立体物、デジタル作品もOKです。
学校の宿題という枠から自由になり、STAY HOMEな夏休みの自由時間を、子供が本当に好きなことの研究に費やしてみるのも、今年らしくて良いのではないでしょうか。(もちろん学校の宿題を兼ねての応募や、過去作品の応募も歓迎です!)

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子供たちの自由な視点を、自由な研究をリスペクトし、
それを一つの知財として正当に評価することが、そのアイディアに新たな可能性を与え、未来を担う彼らのチャレンジを後押しすることにつながると、私たち「知財図鑑」は考えます。

アイディアは老若男女誰にでもあるものですし、日々それぞれが独自の視点で好きなことを
追求しているという意味では、人は本来みな研究者です。

誰もが研究者になれる世界。
それはかつての教育指導要領で目指されていたような、好きなことにそれぞれが向き合い、個性やアイディアが財産になるような、豊かな世界に違いありません。

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<超・自由研究アワード2020>


子供たちの自由研究を、未来をつくる“知財”として評価する初のアワードです。奮って応募ください。

1. テーマ
好きなことを好きな方法で表現した作品・研究。
※作品の形式は問いません(動画や立体物、デジタル作品もOK)

                                  2. 応募資格

小学生(国籍・所在地は問いません)。
・グループでの応募も可。
・過去に発表した内容も可。
                                  3. 審査
下記審査員が厳正な審査を行います。
【審査員】※五十音順
⻘⽊俊介(ユカイ⼯学株式会社CEO)
荒井亮(株式会社知財図鑑/「知財図鑑」編集⻑)
丑⽥美奈⼦(株式会社コネル/知財ハンター)
加藤路瑛(株式会社クリスタルロード中学⽣社⻑/感覚過敏研究所所⻑)
坂和寿忠(株式会社サカワ代表取締役)
湯浅⻯(IPTech特許業務法⼈副所⻑/弁理⼠)

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4. 応募期間
2020年8⽉1⽇(⼟)〜31⽇(⽉)
                                   5. 発表
2020年9月末に「知財図鑑」ウェブサイト内特設ページにて発表予定です。

. 表彰
表彰内容および副賞は以下の通り。審査内容や選考結果についてのお問い合わせにはお答えできません。

最優秀賞(1名):3Dプリンター(BIQU-Magician)もしくはiPad(10.2インチ, Wi-Fi, 32GB)のうちいずれか希望するもの

優秀賞(3名):ユカイな⽣きものロボットキット

特別賞(複数名):研究結果を元に特許出願を検討する際、弁理士からアドバイスを致します。(出願に値する研究があった場合に限ります。)

副賞:上記の受賞作品については知財図鑑内に「知財」として公開されます。

7. 応募方法
以下の内容を記載し、応募メールアドレス宛(info@chizaizukan.com)に送付ください。※該当しない場合は空欄でも構いません。

■応募作品の説明
①応募者名(ふりがな)
②学校名・学年
③居住している都道府県(海外の場合はその都市)
④保護者の方の連絡先メールアドレス
⑤作品名
⑥研究・作品制作の動機
⑦研究結果や、作品作りの感想など

■作品内容がわかるもの
作品の画像や動画、デジタル作品に関してはそのファイルを送付ください。
※ノートや模造紙で作ったものは、文字が判読できるような写真を送付ください。
※容量が大きい場合にはファイル便等で送付ください。
※その他の不明点についてはメールにてお問い合わせください。
(頂いた個人情報については、審査の目的以外には使用致しません。)

<知財図鑑内特設ページはこちら>https://chizaizukan.com/independentresearch

<お問い合わせ>
株式会社知財図鑑 「超・自由研究アワード」担当者宛
info@chizaizukan.com

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