見出し画像

企業知財部門の役割2022

しんごぼう

これは、『知財系 もっと Advent Calendar 2022』の参加記事です。
知財系 Advent Calendar 2022」も合わせてどうぞ。

はじめに

私は、中小の機械メーカーで知的部門に所属しています。
技術力が武器の会社ですので、主に特許権を活用しています。

知財部門の役割は『事業貢献』です。
とても当たり前だけど、これが全て。
決して特別なものではなく、全ての部門に共通するシンプルなもの。
自分の考えを整理するため、知財部門の役割をまとめてみました。

企業規模・事業内容によって、活用する知的財産権/事業貢献方法等は異なるでしょう。その点、ご了承ください。あくまでも個人の考えです。

知財部門の役割

知財部門の役割『事業貢献』について以下の図に整理しました。
この4つの要素が重要だと考えます。

  1. 売上貢献のための成果物+業務

  2. 売上最大化

  3. 経費最小化

  4. 企業理念

知財部門の役割

1.売上貢献のための成果物と業務

知財部門は売上に貢献しなければなりません。これに尽きます。
知財部門は日々、「業務」を行い、その結果として「成果物」が出力されます。これらが売上に貢献するものでなければなりません。

従って、『どのような成果物が必要なのか』、『出力した成果物によってどのように売上貢献するのか』が明確になっている必要があります。

知財部門が業務を行った結果、出力される成果物が、なぜ、どのように売上貢献するのか、事業責任者/経営層へ説明し、納得を得なければなりません。

ここが明確でなければ、知財部門は何のために存在しているのか、何のために業務しているのかがわかりません。
そして売上最大化/経費最小化もうまくいきません。

次に、この成果物(特許権等)を出力するための業務を設計し、運用しなければなりません。

個人的には、知財部門は「知的財産」ではなく、「知的財産権」による事業貢献が重要なのではないか、と考えています。
私は、特許権をベースとした『特許権による他社への影響最大化』を成果物と考え、成果物を出力するための業務設計/運用を行っています。

2.売上最大化

売上貢献のための成果物と、業務が運用できていれば、更に売上貢献するため、成果物の品質向上が重要となります。
『売上最大化』を目指さなければなりません。

売上最大化のためには、「常に改善」が必要です。
各個人/部門のスキル向上や業務改善等で、より質の高い成果物を追求することが重要でしょう。

また最適な成果物は変化します。例えば特許権をベースとする成果物を活用する企業であれば、事業内容、法改正、裁判例、政策等によっては別の知的財産権が最適な成果物となるかもしれません。常にアンテナを張り、最適な成果物を選定することも重要でしょう。

3.経費最小化

知財部門が業務を行うと様々な経費が発生します。利益を得るには、売上を増やして、経費を減らすしかありません。商売の基本です。
『経費の最小化』が必要です。

知財部門の経費は、売上原価へ計上されたり、販管費へ計上されたり、両方へ計上されたり、企業毎に計上先の違いはあると思いますが、以下のようなものが想定されるのではないでしょうか。

  1. 知財部門の人件費

  2. 国内外弁理士/弁護士等、専門家への費用

  3. ツール利用料

  4. 特許庁等への手続き費用

  5. 出張等の費用

  6. 書籍やセミナーに関する費用

経費最小化のためには、やはり「常に改善」が必要です。
各個人/部門のスキル向上や業務改善等で、より効率的に、ミスなく、業務を行い、ムダな経費削減を追求することが重要でしょう。

そして何よりも、その経費が本当に事業貢献に必要なのか、効果はあるのか、を考え、最小化していく必要があります。

4.企業理念

どんな手段を用いてでも事業貢献を目指してもよいのか、というとそうではありません。法令順守は当然ですが、「企業理念」に沿った手段で達成しなければなりません。

全員が企業理念に沿った言動を行うことは、顧客・取引先・株主・従業員・地域社会等、全ステークホルダーに対する企業の考え方/姿勢の明確化となり、企業価値の向上につながります。
これは非常に重要な事業貢献だと思います。

「企業理念なんて知ってるよ!」という方も多いかもしれません。でも知っているだけでは意味がないのです。体に染み付いている必要があるのです。
企業理念は、業務方針や判断基準として、ごく当たり前に使いこなせるレベルになければ意味がないのです。これを全員ができて初めて企業価値が向上します。

おわりに

全体的に「そんなの知ってるよ」「そんなの当たり前だよ」という声が聞こえてきそうです。でも大事なので何度も言います。知ってるだけでは意味がないのです。知っていることを利用して、『目的』を達成しようとする行動が重要なのです。そして行動を継続し、定着させることが最も重要でしょう。
目的未達成でも改善すれば良いのです。目的が明確であれば改善も可能でしょう。

私は上記のような考え方で、『事業貢献』します。
企業理念に沿った業務を行い、結果出力される成果物で売上貢献し、常に売上最大化と経費最小化を目指します。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!