[アニメ感想] プラチナエンド:人間とは何なのか…を突きつけられる
『プラチナエンド』。最初、よくある感じのデスゲームの物語かと思っていたが、予想以上に重たく深い世界観であった。
主人公の架橋 明日(みらい)は家族を失って引き取られた叔母一家によって虐待を受け、絶望のまま中学卒業を迎え、マンションの屋上から飛び降りる。
そこへ、ナッセと名乗る天使が現れ、彼は命を救われた上に「あなたは神候補に選ばれた」と告げられる。
ナッセによると、同様に神候補に選ばれたのは12人おり、それぞれに異なる天使がついてるとのこと。
神候補に選ばれた人間には、天使の階級によって、翼や、人の心を操作できる赤の矢、命を奪うことができる白の矢を与えられる。
そして、その12人の中から999日以内に神となる人間を選べと言うのだ。
神になる条件は二つ。
神候補のうち、一人だけ生き残るか、もしくは生き残った神候補たち全員の賛同によって誰かを神にするか決めるかだ。
こうして、お互い誰が神候補なのかわからないままに、神になるべくデスゲームが繰り広げられる。
神候補に選ばれるのは、いずれも何らかの原因で生きる気力を失った者たちで、それぞれ異なった思想を持っている。
それが、正論を述べて居ながらどいつもこいつも気持ち悪い…というかなんだか賛同できない奴ばかりで、それが大変面白かった。
この物語の登場人物は、主人公も含めて、“陰” の部分を多く持っていて、暗い。
まあ、死のうと思っていた人間ばかりなのだから、こうなるよね…って感じなのだが、そのせいで、物語はとても面白いが、誰にも感情移入できないまま進んで行く印象があった。
(単に私がお気楽タイプだからだけど…)
天使たちもだいぶ胡散臭い感じで、それがこの物語のどこかあか抜けない、ただの感動物語にさせない不穏な雰囲気のよい効果となっていると思った。
最初は、よくある神を目指して欲深い人間たちがデスゲームをする物語なのかな…と思ってい見たが、途中から、そうじゃないのかも…ということに気が付いた。
これはもっと、人間の負の部分の本質を抉り出していく物語なのだ。
児童虐待や、社会的弱者への差別、自死などについてもグイグイ踏み込んで語られる。
そして結末へ向かっていく展開はものすごく迫力ある。
ゾッとする。
恐ろしい世界だ。
私はこんな世界はいやだと思った。
私は架橋くんもナッセも咲ちゃんも、みんな好きじゃない。
好きじゃないけど、最後までガン見してしまうパワーをこの物語は持っている。
マインドが弱っている時はちょっと辛い物語かもしれない。
心が健康な時に見ることをお勧めしたい。
ちなみに原作は『DEATH NOTE』の大場つぐみ氏である。
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