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新卒2年目・役職なし。リーダーシップについて考えてみた

「今年のテーマは、”リーダーシップ”だね」

そんな言葉で始まった2020年度。

”リーダーシップ”が役職者だけのものでないことは、わかっている。
でも、自分は、ぐいぐいと周りを引っ張るよりも、端っこで目立たずに縁の下の力持ちになりたいタイプ。
だから、足りないところを補うことでチームを支えるフォロワーシップのプロになりたいと思っていた。

いやいや、なんでわたしがリーダーシップ?と思ったけど、どうやらわたしがイメージするリーダーシップと、組織が考えるそれは若干違うらしい。

そもそも、リーダーシップだのフォロワーシップだの、抽象的な概念の上で踊っているから混乱するのだ。
何せ腑に落ちないと行動に移せないわたし。
せっかくなので、ここで、わたしなりのリーダーシップについて腑に落としてみようと思う。

これは、とある中小企業のぺーぺー社員が、リーダーシップについて考えてみたお話。

”リーダーシップ”とやらが、頭を悩ませる

「今年のテーマは、”リーダーシップ”だね」

上司がさらりとこの言葉を口にしてから数日、わたしはこの言葉の意味するところを考えていた。

周りを引っ張れっていうこと?柄でもないし。
主体性をもつ、批判的思考をもって声をあげていくっていうのはわかるけど、それってフォロワーシップと何が違うの?
フォロワーシップって、1メンバーとしてチームや組織を支えることじゃないの?それじゃダメなの?

イマイチその言葉にピンときていなかったわたしは、隙間時間を見つけては上司が語った説明をまとめたり、言葉の意味を調べたり…

でも、なんか腑に落ちない。
何なんだ、リーダーシップって。

リーダーシップという言葉を調べると管理職向けの情報が多く、「1人ひとりのリーダーシップが組織を強くするんだヨ!」とかいいながらも、それに準ずる情報があんまり出てこない。

いや、だから、チームの一員として発揮すべきリーダーシップの正体が知りたいんだってば。
いい加減ふてくされ始めたとき、ふと1冊の本がわたしのkindleの奥底に眠っていることを思い出した。

1年前に読んだ本を、引っ張り出す

ちょうど1年前、入社してすぐの頃に、タイトルが面白そうというだけの理由で購入し、何気なく流し読みした本。

当時は「ふーん」程度にしか思わず、すぐに目の前の仕事を覚えるのにいっぱいいっぱいで存在を忘れていたこの本をふと思い出した。

タイトルにリーダーシップと入っているくらいだし、読んでみるか。

腑に、落ちた

これが、びっくりするほど腑に落ちたのである。
ちょっと笑っちゃうくらい。

組織内で何かと飛び交う”リーダーシップ”という言葉が何を意味するのか、わたしのイメージとどうズレていたのか、見えてきた。

曲がりなりにも1年間一生懸命に働けば、同じ本を読んでも違う景色が見えてくるもんだなあとしみじみしながら、備忘録がてらに記録しておこう。

リーダーシップ、とは

本書では、リーダーシップを「リスクをとって新しく何かを始めること」であり、「影響力の行使」をすることであると述べている。

とすると、何かプロジェクトを立ち上げなければいけないのか?
こういうところ改善できるよね、よっしゃやろうよ、皆ついてこーい!とやらねばいけないのか?

うーん、そうすると、やっぱり組織としての役職はなくとも”リーダー”と名のつく役割を担い、そういったポジションを得ることがリーダーシップになってしまう。

でも、なんか違う。
リーダーシップはマインドであり、姿勢であるとわたしは思う。
そして、この著者も別に役職者になれとは一言も言っておらず、むしろ組織の構成員1人ひとりがリーダーシップをとることが、いわゆるVUCAの時代を生き延びる方法だという趣旨のことを述べている。

むむ、じゃあ結局何なんだ。
モヤモヤしながら読み進めていくと、出会った。
あ、これだ、という文言に。

リーダーシップとは、
・従来の自分の枠を超えて、新たな一歩を踏み出すこと
・自分の肩書や仕事の大きさに関係なく、成果を目指して率先して動く姿勢

一歩踏み出して、貢献すること

そう、リーダーシップというのは、今までの自分の枠から一歩飛び出した場所で、周囲に貢献することを指すのだ。

それは、先ほど述べた新しいプロジェクトチームを立ち上げることも、もちろんあてはまる。
でも、それだけじゃない。

別の部署やチームが何をしているのか、進んで情報を取りにいって全体を俯瞰すること。
ちょっとした疑問や違和感を押し殺さずに、口に出すこと。
そして気付いて口に出しちゃったからこそ、自分が率先してその解決に取り組むこと。
誰がやってもいいことに、やりますと手を上げること。

こうやって、今までの自分が取り組んでいた範囲から一歩外に飛び出し、近くの人を巻き込みながら「もっと良くする」方向へ力を働かせること
それがリーダーシップなのではないか。

それは、物事を前に進める。ときに、新しいものを生み出す。
もちろん、失敗のリスクもある。その失敗は、組織に何かしらの影響を及ぼすかもしれないし、自分が自信を失ったり打ちのめされたりする恐れもある。
それでも、一歩を踏み出してアクションをとり、貢献することを目指す。

その結果、自分の行動がロールモデルとなって、周りがついてくる。
自然と周りを巻き込んで仕事を進めることができる。
自分だけで完結するのではなく、協力しながらより大きな成果を求める仕事ができる。
影響力の行使とは、そういう意味かもしれない。

…と考えると、役職者でもなんでもない自分に、何が求められているのかが腑に落ちる。
そして、それはある意味で、わたしが”フォロワーシップ”という言葉を用いて目指していたところを包括しているものでもあると。

リーダーシップとか、フォロワーシップとか

わたしは、組織に足りない部分や改善点を見つけ出すことで最後の砦のような役割を果たしたいと、そういう形で組織を支えたいと思っていた。
それは、チームを支える=フォロワーシップだと思っていた。

でも、状況を批判的にとらえて欠けている点を見つけ、その欠けている点を埋めるために主体的に動いたら、それはもうリーダーシップの範囲内だ。
リーダーシップは決して集団をけん引することだけを指すのではなく、主体的に組織を支える行動をも指すのだろう。

そうやって自分の役割を広げて、自分で考え、動くことができたら、それは立派に組織を率先して支えるマインドがあると言って良いだろう。
そして、チームの誰もがそのマインド(=リーダーシップ)を発揮できるようにマネジメントするリーダーの意図を組み、その雰囲気作り(心理的安全性の担保)に加担するのがフォロワーシップなのではないかと思う。

うんうん、腑に落ちてきた。
ここまでの考えをふまえると、

当事者意識をもって、組織や事業を自分事としてとらえる
批判的思考を働かせやすくなる
 (=改善すべき点、もっと良くなる点が見つかりやすくなる)
→気づきを発信し、自分から動いてそのアイディアを形にしていく
 (=主体性)
フィードバックをもらいながら改善していく
 (=周囲を巻き込んで仕事を進める)
→結果的にそのアウトプットが組織への貢献となる&このような姿勢で仕事をする姿が周囲の模範となる
 (=影響力)

この一連の場面を、はじめは意図的に業務のあらゆる場面に適用すること徐々にリーダーシップが形成され、それが身について自分の自然な行動となったときに、リーダーシップがとれる人材といわれるのだろう。
そして、たぶんそういった人材が、結果的に組織から役職を与えられるのだろう。

リーダーだからリーダーシップを身につけるのではなく、リーダーシップがあるからリーダーになるのだ。

まとめ

以上をまとめると、

リーダーシップ=今までの自分の枠から一歩飛び出した場所で、周囲に貢献すること
フォロワーシップ=集団の構成員1人ひとりがリーダーシップを発揮できるよう立ち回ること

となる。

いずれの言葉も抽象的、かつ時代の流れによって意味する内容が変わるものであると思う。
組織によって与える意味合いも変わるだろうし、立場によっても個人の特性によっても発揮の仕方が変わるだろう。

ただ、今自分がいる場所で、わたしが求められているのは、この意味でのリーダーシップだと納得がいった。
そして、「アウトプットの質が高い」「真面目」「優秀」と言われながら、決まった範囲内でしか動けない、ある種の優等生コンプレックスにもがく自分にとっての、挑戦であるということも。

でも、きっと。

でも、きっと、このマインドを自分のものにできたとき、また今と違う景色が見えてくる。
今まで以上に、仕事の面白さを感じられる。
自分の人生の選択肢を、拡げるかもしれない。

それがわかっているから、信じているから、頑張ってみようと思う。

以上、新卒2年目・役職なしのわたしが、リーダーシップについて考えてみました。