結局のところ「卒婚」ってなんだろう?
プロローグ
最近よく聞く「卒婚」という言葉。今朝もNHKの「あさイチ」で卒婚特集をやっていたが、それを観ながら「結局のところ『卒婚』ってなんだろう?」と思った。
「卒婚」という言葉の意味
「卒婚」とは、婚姻関係を維持しながら夫婦が生活を別にすることを意味する。
同時に「婚姻関係からの卒業」も意味するこの言葉は、倦怠期を迎えてあまり関係がよろしくない夫婦が、子どもの自立などを機にお互いの関係を見直すといった感じで語られていることが多い。
そのような背景から、私自身が卒婚をテーマとする記事の執筆を依頼された際は、上記のような認識に基づき執筆した。(興味があればご一読いただけるとうれしい)
自分の中の「卒婚」の定義が揺らいだ
しかし、今日の「あさイチ」では、これまで私が認識していた「卒婚」とは違った形の夫婦の在り方も「卒婚」という定義で語られていて驚いた。
たとえば、夫が転職に伴い遠方に単身赴任で行き、妻が自宅で美容院を始めた例。
・熟年夫婦がそれぞれにやりたい仕事ができたが、それは夫婦が同居している状態だと実現が難しいものだった。
・それで夫から単身赴任を切り出し、現在は別居してそれぞれのライフスタイルを充実させている。
・ちなみに夫婦仲はそこそこ良好
それはこれまでの卒婚の定義を覆すような夫婦像であり、私の中にあった卒婚のイメージを大きく揺るがすものでもあった。
卒婚=夫婦関係のリフレッシュ?
私がその卒婚夫婦に驚いた理由は、彼らが自称する卒婚が婚姻関係からの卒業ではなく、身近でもよくある単身赴任という感じだったからだ。
また、夫婦の様子ではマンネリ化した夫婦関係をリフレッシュし、「また君に恋したい」という歌のようなニュアンスすら感じたのだ。婚姻からの卒業というよりは夫婦再生といった感じでもある。
だから正直言って、「え?これって卒婚とは言わないでしょ?」と思った。
もちろん、テレビでは語れぬ夫婦間の葛藤があった違いない。その末に辿りついた結論が前向きなものだったのかもしれない。
しかし、この夫婦の形が卒婚の定義に入るとすれば、夫婦がお互いの自由を尊重する自立した関係なら皆卒婚にカテゴライズされてしまうとも思った。
「卒婚」って一体…
ようするに、卒婚とは夫婦が離婚しない状態のまま家族から他人の関係に戻るという認識でいいのかしら?
うーん…卒婚って一体…考えれば考えるほど、わけがわからなくなってきた。(笑)
ただひとつだけわかったのは、おそらく卒婚は日本以外の国で理解されない夫婦の形であるということだ。
そして家族という単位にこだわるあまり、他人に頼ることが許されない日本社会が生んだ特異な現象であることもなんとなくわかった。
エピローグ
まあ結局のところ、卒婚という人間関係が、日本人である私でも理解に苦しむものであることは確かなようだ。
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