ウマ娘の精神分析 第10章 ハルウララ -リアル競馬では100戦しても一勝も勝てなかったことでブームに-
●実在馬
サラブレット メス 栗毛
1996年2月27日-存命中(2021年11月現在)
北海道 旧三石町(現在新ひだか町)の牧場で誕生。
幼少期から小柄で臆病な馬だったそうです。
セリに出しても買い手がつかず、牧場自身が所有する馬となりますが、縁あって、高知競馬場の調教師に預けられます。
年20レース以上に出場しましたが、1回も勝てませんでした。
そのことを取り上げたのは、高知競馬の実況アナウンサー。引き続いて高知新聞の記事となり、全国ネットのテレビ番組でも取り上げられるようになりました。
こうして空前のハルウララブームが起こり、「負け組の星」と呼ばれ、単勝馬券は「リストラ防止」や「『当たらない』から交通安全のお守りになる」という理由で買う人たちが続出しました。
100連敗がかかったレースに、高知競馬場には満員の観客が押し寄せ、更に106戦めに武豊が騎乗した時には、ハルウララの単勝馬券のみで1億2175万円を記録。
引退後は各地の観光牧場を転々とし、現在は千葉県御宿町の牧場で公開されています。
通算成績113戦0勝。2着5回 3着7回。
●ゲーム・アニメの声:首藤志奈
============
ゲーム「ウマ娘」に登場する、唯一の、地方競馬しか走ったことのない馬をモデルとしています。アニメではトレセン学園からしょっちゅう高知まで遠征しているということになっています。
ピンクの髪にバンダナを巻き、瞳に桜の花びらが咲いています。
勝負服はどういうわけが体育用の服にジャージを羽織っていて、私など、最初は「あれ?設定する時、着替えされるのを忘れていたかな」と勘違いしたぐらいです。
最初、トレセン学園の模擬レースでは最下位ということを繰り返しています。しかしハルウララ自身はそういったことでは全然メゲません。次こそは1着を取るのだと、日々練習にいそしんでいます。
でも、天真爛漫な楽天家で、全然思いつめたところがありません。ど根性というのとは違うのですね。緊張やプレッシャーというものを知らない。
かと思うと、練習中に蝶が飛んでくるなどすると、すぐに追いかけて行ってしまい、行方がわからなくなるような、好奇心のおもむくまま、注意散漫な面もあります。
思慮に欠けたところもあり、人に騙されやすい面もあるようです。
優秀なスペちゃんことスペシャルウイークとは大の仲良し。キングヘイローはあきれながらも気にかけているようです。すぐに何でも自分のせいだと思い込むライスシャワーの良き相談相手としてふるまいます。
一見のんびり屋のセイウンスカイとはよく一緒に遊びに行っているようです。セイウンスカイは、単にやる気がないというだけでは説明がつかないしたたかさも持っているキャラクターですから、私などはつきあい過ぎると堕落しないかどうか心配になってもしまいます。
商店街の売り子としても協力していて、実際商品が売れるものですから、非常に感謝されており、応援され、ついには後援会まで組織されます。
実際にトゥインクルレースに出るようになって、何着になっても大きく手を振って歓声に応えるものですから、ゴールが競り合いになった時、勝ったのか負けたのかすぐに判別できません。私はこれを「何があっても手をふるハルウララ」と名付けています。
難しい理屈が通用しないということでもよく知られています。「ふんいき」という言葉の意味がわからないというのはよく知られた逸話です。
しかし、多くの人に応援されているものだから、負けたウマ娘の「悔しさ」というものが理解できず、いつの間にか傷つけていたことに当惑して、悩んだりもします。そういう時には、ライスシャワーが恩返しに、話の聞き役になって、励ましてくれることもありました。
こういう子というのは、皆に愛されるところがあります。しかし、責任を持たされるような立場に立つと、どうしていいかわからなくなるのではないでしょうか。
ゲーム「ウマ娘」全体のマスコットキャラクターという気がしますが、育成していき、夢をかなえていくと非常に感慨を覚えますね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?