ウマ娘の精神分析 第1章 スペシャルウィーク -2人の母を持つ、田舎育ちの素朴で健気なウマ娘-

●実在馬
 
サラブレット 黒鹿毛 オス
 
1995年5月2日-2018年4月27日
 
北海道 旧門別町(現在の日高町)で生まれました。母の父はマルゼンスキー(第5章)。
 
生後6日目に母馬は死亡、乳母馬をあてがわれます。最初から人の手をかけて育てられためか、競走馬としての育成は順調、早くから将来に期待をかけられます。
 
新馬戦以来、ほとんどのレースで武豊が騎乗。日本ダービー、天皇賞春・秋連続制覇、ジャパンカップと、GI 4賞の輝かしい戦績を収め、1999年JRA賞特別賞受賞。
 
獲得賞金総額はテイエムオペラオーに抜かれるまで日本競馬史上1位でした。
 
引退後は種牡馬となり、子供は数々の戦績を残しています。
 
2017年、種牡馬生活を引退、日高の生まれ故郷の牧場で余生を過ごしました。
 
通算戦績:17戦10勝、2着4回、3着2回。
 
 
●ゲーム・アニメの声:和氣あず未

=================

濃い栗毛の髪に白いメッシュが入っていて、目が大きい、若干下ぶくれの顔だち。
 
勝負服は白地にピンク。
 
「ウマ娘」のシンボルといっていいキャラクターで、集団イラストでは必ずセンターに大きく描かれ、ゲーム「ウマ娘」のアイコンも彼女の顔です。
 
テレビシリースアニメSeason1でも、サイレンススズカ(第2章。ルームメイト)と共に主役を務めました。
 
そうしたウマ娘で、モデルとなった実在馬もエリートであるにもかかわらず、ゲームの中では、北海道の田舎から上京した純朴な転校生として描かれています。
 
「けっぱれ!」「・・・だべ」など、北海道弁が思わず口をついて出ます。
 
母親は彼女が生まれて数日で死に、母の親友だった女性(普通の人間)に育てられます(このへんは実在馬と同じです)。母親のことを「おかあちゃん」と呼び、自分には二人のおかあちゃんがいるのだということをむしろ誇りにしています。
 
上京後も育ての母としばしば手紙や電話のやりとりもしています。
 
北海道では、広い野原でひとり走り回りながら育ちました。
 
ウマ娘をめざした直接のきっかけは、幼い頃、母親と車に乗っていた通りがかりに、苦しそうにしているおばあさんと出会い、病院に全速力で駆けていったことです。
 
「おまえは私の誇りだよ」と母に言われました。
 
都会での生活に最初は困惑し、最初トレセン学園にたどり着くまでも盛大に道に迷ったりもします(その後も方向オンチはなおりません)
 
しかしその純朴さと人なつっこさ(ウマなつっこさ?)は皆に愛され、容易に周囲に溶け込みます。
 
相当なドジっ子でもあります。
 
 オグリキャップの次に大食い(史実)。少し太るとダイエットしなければなりません。
 
ライバルはセイウンスカイ、エルコンドパサー、キングヘイロー、グラスワンダー(史実でも黄金世代と呼ばれる)ですが、普段は仲がいいです。
 
お姉さん格のマルゼンスキー(史実ではおじいさんにあたる)には、その純朴さをからかわれたり、気分転換のためにバブル当時そのままのディスコに連れて行かれ、ビキニのイケイケモードで踊らされたこともありました。
 
*****
 
「おかあちゃんたち」の期待にこたえ、誇りある日本一のウマ娘になることを目指していますが、自分の才能をひけらかすようなところはありません。
 
「親の期待に答えようとしている」といっても、スペシャルウィークの場合、親が一方的に思い描いた理想の姿に答えようとしているのではありません。
 
スペシャルウィーク自身の、幼い頃からの、日本一のウマ娘になりたいという夢を、親はやさしく応援しているだけなのです。
 
この点、優秀なウマ娘を輩出した名門メジロ家を一身に背おって、プレッシャーに追い詰められているところもあるメジロマックイーンの立場とは全然異なることには注意を要するでしょう。

 先にレースに出て、輝かしい成果を上げていたサイレンススズカへの憧れが随分描かれています。
 
いつかサイレンススズカと一緒にレースに出たいという夢を抱いています。
 
サイレンスズカが骨折した時には、心配のあまり、自分の夢があくまでも自分が日本一になることだということを見失いそうになり、そのことをコーチに諭されます。
 
自分のことを優先するか、親友との連帯感の維持のため、自分を抑えて協調しようとするかの板挟みになることは、すくすくと育ち、対人関係に恵まれた人でも、ありがちなことかと思います。
 
いずれにしても、ウマ娘の中で、彼女ほど、「おかあちゃん、おかあちゃん」などと連呼するキャラクターは他にいません。
 
スペちゃんは、いかにも学園もの物語の主人公的な、健全そのもののウマ娘でして、カウンセラーの私からみても、一番安心して見ていられるキャラクターです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?