カウンセラーほど信頼できない人種はない


すでに上の記事でも書きましたが、クライエントさんにとって、恐らく少なからぬ治療者は、えらく「人工的な」仮面をつけていて、その鎧の下から色々なものがちらつく存在に映るのではなかろうか。それはクライエントさんの生育歴による「認知の歪み」などではなく、まさに「その面接場面での」関係性の中で生じていることではないか。

少なくとも、私は、カウンセラーほど、ほんとうのところは何を考えているのかわからない、安心してこころを打ち明けられない、「お友達」としては信頼できない人種はいないと思ってます。表面的な「受容」の態度の裏で、ホンネでは何考えられてるんだかよくわからない。

そうやって表面上受容されていて、ウラで陰口言われて、いきなり村八分という経験を何度も重ねたもので(^^;)

精神療法にあまり関心の「ない」お医者さんのほうが、結構冷たい印象を与えますが、ある意味で信頼できる。クライエントさんからみればその冷たいところがショックでしょうが、業界人同士として付き合う上では、気が楽です。

何か思わず毒を吐いてしまいましたが、私は結構率直にものをいうタイプで、対人関係で相手に「引かれる」ことが多い方ではあるかもしれない(^^;)

場の空気をみて、相手とのコュニケーションのチャンネルをあわせて、言葉を選んで物を言うようになるのに、それこそ60年かかったかも。そういう意味では、カウンセラーとして成熟したのは、ホントにここ数年か? ただ、学会発表のフロアからは、決して批判的とは受け取られないように、まずは発表者を立てつつ、その上で質問し、やんわりと意見を述べて、伝えようとするタイプでした。

いずれにしても、日本的な「場の空気を読む」体質を持ったままカウンセラーやってたらヤバいとは思っています。それと、自分の気持ちにgenuinかつ受容共感的であることは鋭く対立します。後者のような態度は、実はカウンセラーであるか否かに関係なく、成熟した大人なら誰にでも必要だと思いますけど。

ホント、偉そうなこといい重ねますけど、日本的な「場の空気を読む」「相手に気持ちを察してもらおうとする」体質を卒業して、いい意味での「個人主義者」にならないと、カウンセラーって、クライエントさんに対してばかりではなく、自分でもやっていて苦しむ職業になるばかりだと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?