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ほめることはたくさんある

ありがとうございます。元中学校教師のちーたろう先生です。

私の記事では、子育てに奮闘するお母さんやお父さんに向けて、今日からすぐに使える教育法や、大人にも通じる学習方法などをお伝えしていきます。

今回は『ほめることはたくさんある』というテーマでお話します。


いきなり質問ですが、みなさんはお子さんをほめていますか?
たくさんほめているのなら、今回の記事は読まなくていいかもしれません。ただ、ちゃんと効果的にほめているかどうかはわかりませんが。

今回はほめるポイントや効果的なほめ方についてお話します。


【子どもが大きくなるとほめるのが難しい】

子どもが幼いうちはほめることがたくさんありますが、大きくなっていくとほめることが見つかりにくくなります。それはどういうことか?

子どもが幼いうちは『新しくできること』が多いです。言い換えれば「はじめて~できた」というフレーズです。例を挙げると、
●はじめて立てた。
●はじめて苦手なピーマンを食べれた。
●はじめてテストで満点とれた。

というように「はじめて~できた」ときは、親からすると喜ばしいことなので、たくさんほめます。

しかし、子どもが大きくなってくると、こう思ってしまうのです。
「できて当たり前でしょ」

この感覚があると、親はほめなくなります。悪い例として、
●規則正しい生活をするのは当たり前でしょ。
●テストで良い点数を取るのは当たり前でしょ。
●人を気遣うなんて当たり前でしょ。

こう思ってしまうと、とても冷たい印象を与えてしまいます。これでは滅多にほめることができません。

まずは「できて当たり前でしょ」という固定概念を捨てることです。頭のなかに「そんなの当たり前なんだけどな」というフレーズが浮かんできたときは、ハッと思い出してください。当たり前なんてことはないと。


【結果より重視すること】

私たちは結果に注目してほめてしまいがちです。ただ、結果よりも大切なのは過程や動機です。ここをいっぱいほめるようにしましょう。

かんたんな例を挙げます。
小学校低~中学年の子どもがお留守番をしていたとしましょう。母親が家に帰ってくると、部屋に飾ってあった大切な置物が割れていました。割れたまま放置されていたのではなく、気付かれないように隠されていました。

この場合、母親は子どもにどう話しかけたらいいのでしょう。いきなり子どもを叱りつけますか?それはやめてください。

この事実だけでは叱ることはできません。なぜなら「置物が割れた」という結果しかわかっていないからです。どのような過程で置物が割れたのか。また、子どもがどのような動機をもって行動したのかはわかっていないままです。

まずは過程と動機を確認します。「どうして置物が割れてしまったの?」と落ち着いて聞きましょう。子どもは「怒られる!」と思っているので心は防御態勢です。親が威圧的な態度だと、ちゃんと話してくれないことがあります。

子どもに聞いてみると、このような答えが返ってきました。
「お母さんが留守の間に掃除をしようと思って、部屋のいろんなところにハンディモップをかけていたんだけど、置物を落としちゃったんだ。バレたら怒られると思って、見えないところに隠したの・・・」

これをふまえると「バレるのが怖くて置物を隠した」というのは反省すべきことですが、「積極的に掃除をしようとした」という動機や過程はほめることができます。

なので「置物を割ってしまったら正直に報告するように」と注意し、その後「掃除を積極的にしようとしたことはいいことだし、掃除してくれたらお母さんが助かるからうれしいな」とほめます。そうすると、その子どもは今後も意欲的に家事を手伝ってくれるかもしれません。


【ほめるには感情が必要】

やみくもにほめても効果は薄らいでしまいます。ほめるにはプラスの感情が必要だからです。

ほめているのに笑顔がないとか、ほめているのに言い方が冷たいと、受けてからすると違和感です。場合によっては、皮肉に感じることもあります。

ほめるときには次のようなことに気を付けてみましょう。
●誰が見ても「笑っている」と思われるような大きな笑顔。
●声のトーンをワンランクアップ。
●おでこにしわが寄るくらい目を大きく見開く。
●子ども(相手)の目をしっかり見る。

これくらい意識してほめてください。ただ、慣れないうちは演技っぽく思われてしまいます。自然にほめることができるように、たくさんほめて慣れていきましょう。


【まとめ】

今回はほめることについてお話しました。子どもに限らず、夫や妻、友人、仕事の同僚など、関わる人すべてのよいところを探してみましょう。そして、すかさずほめる。

私が教師をしていたときは、どの事例をどの場面でどのようにほめるのかを重視していました。児童・生徒を個別にほめるのか、それともクラス全体の場でほめるのかでは、効果が変わります。

みんなの模範になるようなことは学活やHRで取り上げますし、児童・生徒の影ながらの努力は個別にほめたほうがうれしいときがあります。なんてことない休み時間にさらっとほめることが効果的なこともありますし。

ほめるという行為はなかなか奥が深いのです。ただ、突き詰めると人を大きく動かす原動力になってくれます。ぜひ、今日からみなさんもほめマスターになってみましょう。

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