Rock Novel「シンデレラ物語」僕のパパはElvis!
「トーマス、ミミおばさん覚えてるわよね?」
「ああ、母さんの遠い親戚の?」
「そうなの、実はアルツハイマーで施設に
入ってるんだけどね、あなたお見舞いに
行って来てくれないかしら?」
「僕が?」
「そう、『トムトムって〜』ってあなたの
事とっても小さい時に可愛がってくれたでしょ
それで、最近あなたの事テレビや雑誌で
見て、会いたいらしいのよ。」
「もう、僕の事覚えてないんじゃないの?」
「それが、あなたの声でね、覚えている
らしいのよ。音楽って凄いわね。」
「うん、ミミおばさんに良くギター弾いて
歌ってあげたからね、小学生の頃さ。」
「じゃ、明日行ってみる?」
「ああ、いいよ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ミミおばさん!僕、トーマスです!
分かる?」
「あら、トムトム?ハンサムになったわね!
テレビであなたの事見たわよ。凄いじゃない。
あたし、ここで鼻が高いわ〜」
「ありがとうございます♪」
「やっぱりあなたのお父さんにそっくりね。」
「そうですか?あんまり父には似てないって
いつも言われてるけど?」
「違うの、それが、、、」
「どう言う事ですか? ミミおばさん」
「驚かないでね、実はあなたは私の子どもで
あなたのパパはElvisなのよ。」
「Elvisってあのエルヴィス プレスリー?」
「ええ、あたしがラスベガスでカクテルウエイトレスしてたの、あなたのお母さんに聞いてない?」
「いいえ、それは初耳ですけど」
「Elvisにある晩、見初められてね、
あたなが授かったってわけ。やっぱり血は
争えないわね!シンガーになるってね。
シンデレラ〜ね。Elvisも天国でびっくりね。」
「ミミさん、お食事の時間ですよ〜」
「じゃ、おばさん僕また来ますね、
お大事に!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「母さん、ミミおばさんが、僕のパパは
Elvisだって言ってたけどほんとなの?」
「ハハハ〜ミミおばさんのまた空想話よ!」
「やっぱりアルツハイマーだからか」
「何か、現実と夢がごっちゃになってる
見たいね!おばさんがラスベガスでカクテルウエイトレスしてたって言うのは本当なのよ、
でも1970年代の話だから、あなたはとっくに
産まれてる訳だしね。」
「僕が産まれた1961年ってElvis何してたの?」
「61年はよく覚えてますよ。Elvisは『ブルーハワイ』って言う映画で一世を風靡!あら、トムちゃんと同じ26歳よその時彼は!」
「へ〜それは奇遇だね。」
「シンデレラも今年は『ナイト ソングス』で
一世風靡じゃない!ママ嬉しいわ、結婚も
早々にしてくれて、早くエミリーも赤ちゃん
授かるといいわね。」
「ごめんね、母さん、今僕世界ツアーで忙しくて
エミリーも仕事してるからさ。でもElvisに
ミミおばさん会った事あるのかな?」
「ベガスのコンサートにはママもミミおばさんと
行ったのよ!楽しかったわ。Elvisもトムちゃん
みたいに世界ツアーしたかったでしょうね。」
「僕、ほんとう母さんの息子だよね?」
「本当にあなたは正真正銘の私の子どもだけど
パパがElvisだったらどうする?」
「やだなぁ〜母さんまで!アルツハイマー?」
(大笑い)
「あなたのお父さんには内緒ね!でもElvisの恋人に
なりたいって言うのは、あの頃の私達みんなの
の夢だったから、ミミおばさんの気持ちも分かるのよ。でもトムちゃん、ちょっとElvisの面影ある
から、ミミおばさんもそんな事思ったのかもしれ
ないわね。」
「ああ!僕もファンの女の子となるべく
丁寧に話する様にしてるさ!Elvisみたいにね。
この前日本に行った時もね、もうタクシーで🚕次の場所に行かなきゃならなくて、でも
運転手さん待たせても、ホテルの前で
ファンの子達と少し話してあげたんだよ。
みんな英語で一生懸命話してくれてさ。」
「そう、Elvisも応援してくれてるわね、
シンデレラのこと!その調子!」
「うん、彼の分まで頑張るよ。」
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「ミミさん、昨日は良く眠れましたか?」
「ええ、私のEl が白いキャデラックで迎えに
来てくれたのよ。」
「そうですか〜よかったですね。メンフィスの
お家に🏠連れて行ってくれるのかしら!」
「そうなの、お母様にご挨拶しないと。」
「あら、ミミさん、忙しくなりますね。」
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「もしもしトムちゃん、ミミおばさんが〜(嗚咽)
今朝〜」
「おばさん、Elvisが迎えに来てくれたんだね
二人で白いピアノの前で歌ってるね、きっと」
「ええ〜」
「今夜は、偶然モトリークルーと一緒にElvisの
『監獄ロック』歌うことになってるんだ
おばさんの事思って歌うよ。」
「ええ、お願いね、トムちゃん、ミミおばさん聞いてるわよ、天国できっと。」
「うん、母さんも身体大事にしてください。」
「ありがとう😭」
The End
Elvisが亡くなって10年後のある日
1987年
トーマス キーファー
シンデレラ ボーカル兼ギター🎸
(26歳)
2023年2月3日
トム キーファー 縁があって
エルヴィス プレスリーの邸宅
グレースランド内で舞台を務める
(62歳)
リサ マリー プレスリー(52歳)
2023年 1月12日 永眠