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読書人間📚『残酷な王と悲しみの王妃』中野京子


『残酷な王と悲しみの王妃』  著者 中野京子

第一章 メアリー・スチュアート
第二章 マルガリータ・テレサ
第三章 イワンの雷帝の7人の妃
第四章 ゾフィア・ドロテア
第五章 アン・ブーリン 



📍ここでは肖像画、画家について触れますね。


この時代の歴史映画はたくさんありますよね。大好きです。
この時代の女性、王妃とは言え軽んじられ、男の子を産めないと行く末、幽閉されたり殺されるまでに至る。
⁡そんな彼女達がいつ生まれ、死んだのかも記されず、歴史に葬り去られそうなところを今もなお、語り継ぐに至るのは、その時代の宮廷画家達の存在と、人格、賢さはさておき、芸術に対する審美眼を持つ王の存在です。

絵画の背景を知ると鑑賞も深くなりますね。
悲しみの王妃達は無惨に消されてしまったけれど、名画として永遠に生き続け、私たちはその王妃たちの悲しみや苦悩に寄り添える事ができます。
特に目立った政治を成しえなかったけれど審美眼を持ち文化に功績を遺したフェリペ四世に感謝ですね。

でかした!フェリペ四世!パンパカパーン🎉

(こちら、ベラスケス画)


⁡因みにラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』もベラスケスの絵画にインスパイアされた曲と言います。

ついでに私は音楽家の性でしょうか、ベラスケスと言うと『ベサメ・ムーチョ』(Bésame mucho)の、コンスエロ・ベラスケスを一番に想像してしまいます。メキシコ人の彼女は1940年、17歳でこの歌をヒットさせます。
彼女についてもあまり知られていない様で私が調べたところでは写真も見当たりません。寂しいですね。
私の古い歌唱動画になりますが、宜しければどうぞ☺️



⁡肖像画は、今で言うお見合い写真。
盛り過ぎないよう、見映えよく描いてくれる優れた画家が大事だった事が良く解ります。
だって実物と違うと処刑されちゃうんですよ、女性がね💀(ご機嫌をそこなえば画家もかしら?)

(クルーエ画)
メアリー・スチュアートの肖像画はなんとも美しく見惚れます。私も写真を撮って頂く、制作する事はありますが、描いて頂いた経験はありません。こんなに美しく描かれてみたいものです。



中野さんの文章はとても相性が良く、面白くてアッと言う間に読めちゃいます。と言うかきっと誰もが読みやすいはず。映画を観る前に読むのも良いですね。古典音楽も美術も、歴史も大好きな人にお薦めです。


カバーデザイン/三村 漢
写真/©︎Bridgeman / PPS通信社
⁡解説 原田マハ
集英社文庫

ここで、近代美術小説の第一人者、原田マハさんの解説。これまた組み合わせ抜群の贅沢本です。

ピカソが触発されたベラスケスの名作はこの本の装幀。「ラス・メニーナス」


こちらの記事は文藝春秋さんが運営している
#みんなの文藝春秋  に選んで頂きました🌹

🔫声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都 
音楽療法(医療行為は行わない)の観点からオーラルフレイル、口腔機能、老化防止を意識した呼吸法、発声のレッスンも行います。

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