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#みんなの文藝春秋
『歳下の青年』 / 村田は綴る✍🏻
ふたまわり近く年齢差のある歳下の男性とお付き合いをしている。
彼は若手声楽家、芸能全般をやっている。青学を卒業し、好きなうたの世界に入った。
身長は170センチちょっとくらいの細身。髪は昔のキムタクを彷彿とさせる、今時珍しいふんわり艶のあるロングヘア。お顔は、ぼやけてよくわからないが、スルんとシミひとつなく、透けすぎない丈夫そうな白い肌、切れ長の柔和な目元、薄い唇、鼻はささやかに付いている程
虚無を抱く / 村田は綴る✍🏻
「君は観賞用にできている」と言葉で女を撫でつける。そうやって想像し本能を駆り立てているのだ。その淫らな響きの心地よさに女は微笑む。
花を頂く茎のように、真っ直ぐに伸びる手脚をずっと愛でていたいと男の硬い指は女の柔らかな肌の上をゆっくりと這う。
女は旬を過ぎ、男は天に近い。燃え盛った時期を思い出す様に指の腹だけに意識を集中させる。じっとりとした目つきと静粛な息。
. . . . . 喘ぐ
日々是写真📸 / 2021年、春。
ひさかたの光のどけき春の日に
静心なく花の散るらむ
百人一首 33番
古今和歌集 巻2・春下・84
歌人 : 紀友則(850〜904)
知人に赤ちゃんが産まれました。
気にかけて下さっていた方が儚くなりました。
光は絶えず私たちを照らし花は誰にも降りそそぐ。
明日が絶え間ない光の日々でありますように。
2021年、春。
photographer 鶴田直樹
終わりの終わり。/ 村田は綴る✍🏻
終わりの始まりをはじめる。
私はこの人のこう言うところをいつか愛おしくなって泣くのだろうか。
終わりを始めて終わりを思う。
私は終わりを受け入れているのだろうか、どう受け入れているのだろう。
そしてその終わりが終わるのはどれくらい時間がかかるだろう。
終わりの終わりを終えた時には私はどこに在るのだろう。
私はまるで何も始まらなかった様に還ろうと願うかもしれない。
そして、私がこの世界から居なくな