くちばしのメリット。
私はついこの間まで「恐竜まみれ」という恐竜学者小林快次先生のエッセイを読んでいました。
小さな文字がびっしり書いてある文庫本だったのに、面白かったので一気に読ました。
どのくらい面白かったかというと、読み終わってすぐに自然史博物館の見学の予約申込をしたくらい。
そういうわけで、週末に足を運んできました。
恐竜かぶれのまま訪れた博物館は面白かったです。
展示してある骨に肉食恐竜の歯の跡が残っていて、本で読んだのはこれかーとか。
恐竜の爪ばかり展示してあって、恐竜の爪や歯は人気があるから、盗掘されるとそれだけ持って行かれるんだったなーとか。
そして、見てみたいと思っていた標本もありました。
それがくちばしのある恐竜です。
恐竜のうち、羽毛とくちばしを持った種類が生き延びて、鳥として進化したと言われています。
私はずっとくちばしのある恐竜が生き延びたという点がすごく不思議だったのですが、たまたま子ども科学電話相談で答えを聞くことができました。
くちばしというのは、歯を育てなくていいから、早く巣立ちができるのだそうです。
そうか……
くちばし、すごい!
って、なったのでした。
私が訪れた時、自然史博物館には、くちばしのある恐竜の標本がふたつありました。
どちらも鳥のようなくちばしを持っていました。
そのうちの片方は幅が広くて、水面などに浮いているプランクトンを集めて食べるのに良さそうでした。
もう片方は、木の実を主食にしそうだと思いました。
木の実を食べそうな子は全身の骨格標本でした。
腕は前にちょこんと小さく折れ曲がったのが付いていて、翼のように広げて飛ぶとは思えませんでした。
くちばしはあるけれど、どう見ても「恐竜にくちばしがあるだけ」だったのです。
恐竜の生き残りが鳥だと言うけれど、そこまでの進化のために途方もなく長い年月を要したんだよなぁとしみじみ思いました。
次は、鳥に近い、羽毛恐竜を見てみたいです。
始祖鳥のレプリカはここの博物館にもあるんですけどね。
そうそう、子ども科学電話相談で言っていましたけど、鳥が進化して歯が生えるということはないそうです。
鳥は歯がないことを優性として進化したからだそうです。
歯があると体が重くなるので、空を飛ぶことにも影響しますものね。
くちばしは奥が深いと感じたひとときでした。
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