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ガビチョウからの挑戦状 探鳥会レポート<K山編>2/3話 2024年7月

 先日、ニコ支部O分会の探鳥会に参加してきました。
 場所はK山です。

 そもそもの発端は、O分会長が「アオバズクの声を聞いた気がする」と気付いたことなのだそうです。

 アオバズク調査を頼まれたSさん、K山でアオバズクのものと思われる蛾を食べた痕などを見つけました。

 そして、それらを探鳥会で紹介しているまさにその時でした。

 鳥に気付いた人が「あっ」と木の上を指さしました。
 木の上にいたのはアオバズク。

 Sさんは
 「え・・・まさか、そんなはずじゃなかった」
 「卵の殻が落ちていたので、てっきり営巣失敗したのだと思っていた」

 そうに言うので、ただ事じゃないと気付いた参加者も息をのみました。

 アオバズクはじっとこちらを見下ろしているかのよう。
 私の位置からは見えませんでしたが、全部で2羽いたそうです。

 「人がいて、巣に戻れないのかもしれない」

 Sさんの合図で、探鳥会ご一行はそっと離れました。

アオバズク

 距離を取ったところで観察を再開しました。
 スコープ隊がアオバズクにスコープを合わせてくれました。

 O分会長はスコープにホルダーを付けスマートフォンで撮影を始めました。
 「他にも撮りたい人、いる?」

 希望者はスマホを差し出して、スコープ越しにアオバズクを撮影してもらっていました。
 タイマー機能を使って、シャッターを押したときにぶれないようにしていたのが、さすがO分会長です。

 いつもは穏やかで冷静なO分会長が、汗をふきふき
 「いやぁ、熱中しすぎて、何が何だか分からなくなってきた!」
 「熱中症かなぁ~」

 なにかダジャレみたいなのを飛ばしました。

 K山通信という毎月配られる広報によると前回アオバズクを観察したのは2018年。
 6年ぶりの登場だったのだと思います。

 Sさんが
 「なんか、すごいねぇ、O市!」
 と地元自慢を言ったので
 「うん、すごい!」
 と、応じておきました。

 改めて、アオバズクの情報は秘密でお願いしますと話がありました。
 営巣中であればなおのことです。

 探鳥会ご一行は移動しました。

 道路を横切り、階段をあがると、水場で休憩をしました。

 O分会役員のIさんは鳥の鳴き真似が得意です。
 休憩をしながらIさんの鳥の鳴き真似ワークショップが始まりました。

 「鳥の鳴き真似をやっているネコマネキと申します」

 Iさん、芸名があったらしい。

 ネコマネキ師匠に言われたとおり右手と左手をにぎるようにして空洞を作り、息を吹きかけてアオバズクのまねに挑戦。

 O分会の役員のKさんが華麗にホゥホゥとやってみせ
 「実は口でマネ」
 と、種明かしをしたりしました。

 最後にネコマネキ師匠が指笛でウグイスの鳴き真似をしました。

 ホーホケキョ ケキョ ホケキョ?

 ところが、ネコマネキ師匠の後ろの藪にガビチョウがやってきて、さかんに鳴き始めました。

 ピルルピリュリュリュズイージューリールーリー

 「ガビチョウのやる気に火が付いた」
 「ガビチョウから挑戦状が来るなんてさすが!」

 みんなでネコマネキ師匠を褒め称えました。

 参加者は水場の休憩時間をおおいに楽しんだのでした。

水場

3につづく。


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