アオバトと海 探鳥会レポート<大磯海岸編>3/3話 2024年6月
先日、大磯海岸で行われたこまたんの探鳥会に参加してきました。
国道の高架の上にはみ出ている枝があって、その枝にアオバトが止まっていました。
アオバトはしばらくじっとしていましたが、いっせいに飛び立ちました。
灰色に曇った空をアオバトのシルエットがいくつもいくつも飛びました。
「来たよ!」
その数、80羽ほど。
いちばん大きい群れの到来でした。
(こまたんの人が数えていました)
降りる場所を探して、その群れはいちばん遠い岩場へ。
「向こうに降りちゃったよ・・・」
大きな群れが遠くに降りたのは残念でしたが、アオバトは何回も降りてくるので、慌てません。
「近くの岩に来ないかな」
「そこの岩に降りてくると光の加減ですごくきれいに撮れるよ」
「あっちの岩場じゃあ、シルエットになっちゃうから」
役員がそんな風に声をかけてくれました。
でも、なかなかアオバトは近くの岩場に降りてきませんでした。
見守っているうちに、沖から男性がふたり、カヌーを漕ぎながら陸地を目指してやってきました。
岩場近くで海中に降り、カヌーを引き上げます。
その人達を警戒したアオバトが、やっとこまたんスコープの近くの岩場におりました。
探鳥会ご一行、スコープを合わせてその舞い降りたアオバトを楽しみました。
みんな、かなり満足です。
終了時間までもう少し、ゆっくりした時間が流れました。
「いいのが撮れたかい」
と声をかけてくれる人がいました。
「その帽子に付いているピンバッジ、私も買ったわ」
日本野鳥の会90周年記念ピンバッジを見て声をかけてくれた人もいました。
その人達はいろんな話を聞かせてくれました。
「ダーウィンが●たでアオバトを流したとき、こまたんが全面協力したのよ」
「撮影で有名人が来ていたけど、スコープが一千万円するんですって」
「カメラマンは波が高いときにハトと波を撮りたがる」
「でも、波にのまれるとたくさんのアオバトが死んでしまう」
「もう何羽も葬った」
スコープは緊張するから苦手だという女性が、子ども向けの教室で合わせられなくて申し訳なかった話を始めました。
こまたんでは貸し出し用スコープがあって練習できるようになっているそうです。
スコープを借りて練習しなよって周囲から激励を受けていました。
「集まって下さい」
「鳥合わせを行います」
配られた鳥の一覧表は、これまた初めて見る記号でした。
6月専用の鳥合わせの用紙で、見た年と数が数字になっているらしいです。
「カルガモ、さっきから飛んでいました」
「ツバメ、国道のあたりを飛んでいました」
「ウミウ、沖のブイの上にいました」
「ウミネコ、沖の方にいました」
「アオバト、見られなかったという方はいませんね?」
18種類の鳥を観察しました。
「質問はありませんか」
「質問しないと、アオバトを見たというだけで満足して終わってしまいます」
「思ったことを何でも聞いて下さい」
質問の中から改めてアオバトについて知ることができました。
アオバトは足を交互に出して歩行するタイプだということ。
ドバトはクチバシの上に鼻丘があるけれどアオバトにはないこと。
確かに質問から見えてくるアオバトの姿ってあるなと思いました。
こまたんの皆さんはアオバトへの思いがとても熱かったです。
うらやましくて、まぶしい。
役員のみなさんに「ありがとうございました」と声をかけてから帰路につきました。
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