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モネの睡蓮に会いに③(2024年8月、香川県直島)

地中美術館

 直島に来て二日目の午後、いよいよ地中美術館に行きました。地中美術館は、残念ながら中での写真撮影がNGでした。なので、ほとんど写真がありません。何とか文章で記録していけたらと思います。

 今回、地中美術館は14:00の回に予約していきました。ここも、外国人の方がとても多かったです。欧米系の方もアジア系の方もいました。日本の小さな島の一つなのに、海外でも有名だなんて素敵だなあと感じました。

 地中美術館という名前のとおり、建物がほとんど地中に埋まっています。これは、建物によって瀬戸内の美しい景観が損なわれないようにという思いからだそうです。ここも、安藤忠雄さんの建築です。

入るとすぐに、コンクリートのトンネルがあります。
トンネルを抜けると、コンクリートでできた高い壁に囲まれます。壁沿いの階段を通っていきます。


美術館が地中にあるので、下から空を見上げる感じになります。写真が撮れるのはこのゾーンまでです。

 美術館の中には、3人の作品が展示されていました。

 1人目は、ウォルター・デ・マリア。「タイム/タイムレス/ノー・タイム」という作品です。広い部屋があり、入り口から正面の壁まで階段を上っていく形になっています。階段の途中に踊り場があって、そこに黒い花崗岩でできた巨大な球体が置かれています。部屋の壁はコンクリートです。壁際に、金箔で覆われた柱が三本一セットとなって、間隔を空けて並べられています。天井に大きな窓があり、部屋全体に自然光が差し込んでいます。
 この空間全体が、マリアさんの作品です。室内に入る前に、係の方から「響く作りなので、音にはご配慮ください」という声かけがありました。入る前、静かだったので他に見ている人はいないのかと思いましたが、実際に入ってみると、既に15人ほどいました。皆さん、ほとんど話をせず、足音を立てず、息を潜めるようにして観賞していました。神殿の中のような厳粛な雰囲気でした。

 2人目は、ジェームズ・タレル。「アフラム、ペール・ブルー」、「オープン・スカイ」、「オープン・フィールド」の三つの作品がありました。中でも、特に「オープン・フィールド」が心に残りました。タレルさんの作品は、どれも「光」がキーワードになっています。
 「オープン・フィールド」は体験型の作品です。人数制限があり、15分くらいならんで待ちました。展示室に入ると、正面の壁に四角い大きなスクリーンがあります。そのスクリーンに向かって、5段くらい上る階段があります。室内には係の方がいて、「階段を上ってみてください」「どんどん上ってください」「もっと、スクリーンに近づいて」…と、声をかけてくださいます。その言葉に従ってスクリーンに近づいていくと、その後、はっとする仕掛けがあります。光やアート空間を全身で感じることのできる、不思議な体験でした。ネタバレになってしまうので、最後までは書きませんが、ネタが分かった今でも、もう一度体験して見たいなあと思ってしまいます。それほど、印象的な内容でした。

 そして3人目は、クロード・モネ。200×300cmの二枚組で構成された大きな作品「睡蓮の池」に加え、「睡蓮ー草の茂み」、「睡蓮」、「睡蓮の池」、「睡蓮ー柳の反映」の計五つの作品がありました。部屋の四つの壁にぐるっと展示されており、まさにモネ部屋という感じでした。
 この部屋は、作品をできるだけ自然光の下で見られるように設計されています。まわりの壁は全て白色で、床にも2cm角の白い大理石が敷き詰められていました。自然光なので、天気や時間によって見え方が変化します。世界と一体となって、一つの作品になっているように感じました。
 この日は、暑いくらいの晴天でした。太陽の光が白い壁や床に反射して大きな「睡蓮」を照らしていました。見ていて、とても厳かで静かな気持ちになりました。

 二日目は、ベネッセハウスミュージアムと地中美術館、二つの美術館を堪能して、大満足のうちに宮浦港に戻りました。

 三日目の明日は、午前中に草間弥生さんの黄色いカボチャと本村地区の「家プロジェクト」を見に行きます。その後、東京に帰ります。

地中美術館の地中カフェにて。サイダーに瀬戸内レモンが入っており、上に桃のシャーベットがのっています。桃好きとしては、見逃せませんでした。さっぱりした味わい。
宿から見た夕日。これも、直島でぜひ見たかったものの一つです。
日が沈んでから、「I❤︎湯」という直島銭湯にいきました。ここもアートの一つですが、実際に入ることができます。受付の方たちはとても親切で、色々と教えてくれました。お風呂の中では、ムーディな曲が流れていました。いいお湯でした。
宮浦港にあるアート作品の一つ。
ジョゼ・デ・ギマランイス「BUNRAKU PUPPET」
宿に向かう途中の道沿いにあるアート作品。
藤本壮介「直島パヴィリオン」
「直島パヴィリオン」は、中に入ることができました。

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