見出し画像

寄っ掛からないで踏ん張る

脚が2本っていうのは実はとても危うくて、少しの衝撃で「おっとっと!」とバランスを崩してしまう。それでも立って、遠くを見て、両手を使うことを選んだ以上、なんとか2本足でバランス取ったり踏ん張ったりしないといけなくなった我々人間。

よちよちと歩き始めた小さな子が、バランスを崩してペタンと尻餅をつくのは見ていて可愛いけれど、いい大人が「おっと〜!」って蹴つまずいたりすると「気をつけなさいよ!」などと思われてしまう。うーん、ちょっと不公平?

スキーがブームだったその昔、通勤電車やバスの中で、バランスをとる練習をしたものだった。つり革を持たずに若干膝を緩めて揺れを吸収しながら踏ん張って立っている妙な格好のOLは、周りから見たら・・・うーん、想像するのはやめておきます。。。でも、多分かなり変だったろうな。

徐々に年齢が進み、長時間立っているのが辛くなってくると、後ろにある何かにふと寄りかかったりしてしまうのだけど、その寄っかかったものが何かによっては大惨事が起きたりする。しっかりした壁があればいいのだけれど、時としてそれはハリボテだったりもする。そうすると・・・一緒にバタン!悲惨だ。

思考にも似たところがあるような気がする。色々な思いや考えを取り入れて、消化吸収することで自分の「思い」が作られていく。そこには自己責任の取捨選択が必要だし、考えるためには時間もかかるし、結構自力で踏ん張る必要がある。

そうでなければ他人の意見をそのままコピーすることになる。誰かの考えにどっぷりと依存していたら自分の脚では立てなくなって、そのうち老化が進む。でもそのほうがちょっと楽なんだよね。「後ろの壁」をアテにして、がっつり頼ってしまえばいいだけだから。

でも私は、出来ればしっかりと、自分の脚で立っていたいと思う。かつて電車の中で揺れる床を踏みしめて中腰で立っていたOLの頃のように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?