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短編『何も気にならなくなる薬』その156

「仲違い」
「屋根」
「お断り」

今回はこの三つ。

「ねぇ、あの二人、いつ仲が悪くなったの?毎日一緒に飲み歩く仲なのに」
「それが周りに聞いて回った限り昨晩らしい」
「せっかくのお祝いの席なのに」
「ほら、餅投げが始まるぞ」
「わーい」
「まぁ、子どもたちには関係ないのかもしれないけど」
「それで、なにを言ったらあんなに仲が悪くなるのよ」
「なんでも建てるのは数ヶ月かかるが、燃えたら数分だって」
「なんでまたそういうこと言うのかね、そうなったときにはお互い様だろうに」
「まぁ、隣同士だものね」
「ご時世的にうちは今日みたいな風習ができなかったから、やっかみなんじゃない」
「おい、そこ変なこと喋ってないで手伝え」
「はいはい、まぁどうせすぐに仲直りすると思うけどね」
「思ったよりたくさん用意しちゃったけど、残った餅はどうやって食べる」
「煮て食べる」
「焼かないの」
「妬かれるのは隣で十分だ」

美味しいご飯を食べます。