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古今集 巻四 秋歌上 197番

是貞のみこの家の歌合のうた

としゆきの朝臣

秋の夜のあくるもしらずなく虫はわがごと物やかなしかるらむ

是貞親王の家の歌合せの歌
藤原敏行朝臣
秋の長い夜が明けるのも知らないで鳴く虫は、あれはわたしなのか、もの悲しく鳴いている

 夜が明けても鳴いている虫はわたしと同じように悲しいのだという意味とも、夜が明けてももの悲しく鳴いている虫、あれはわたしだともとれます。
 漠然と思いつめたように悲しいことを「ものがなし」と言いますが、係助詞「や」を入れて強調しています。「ものがなし」がひとつの単語ではなく「もの」+「かなし」の複合語と意識されていたということになります。

#古今集 , #秋 , #藤原敏行 , #是貞親王の家の歌合 , #秋の虫

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