戦時下の陣中オリンピック、メダルは戦死者の武具 スミュルナのコイントス『トロイア戦記』
五輪の起源はトロイア戦争?
この文章を書いているきょう、東京五輪の競技が始まった。ソフトボール1次リーグ第1試合、日豪戦は8-1で日本の勝利。開会式はあさって。
https://2020.yahoo.co.jp/schedule/olympic/
オリュンピア祭(古代オリンピック)の起源にはいくつもの説がある。そのうちのひとつは、トロイア戦争の伝説に遡る。
アカイア(ギリシア)方の英雄アキレウスは、イリオス勢のフロントマンであるトロイア王子ヘクトルを討ち、親友パトロクロスの仇を討った。そしてその戦死を悼んで、アカイア陣中で競技会をおこなう。
ホメロス『イリアス』終盤に出てくるこの挿話をオリュンピア祭の起源とする説がある。
アキレウスにも追悼競技会がある
ところで、アカイア陣の追悼競技会はこの1回だけではない。先の競技会を主催したアキレウス自身も、スミュルナのコイントス(ラテン名クィントゥス)の『トロイア戦記』(松田治訳、講談社学術文庫)のなかで、いわゆる「アキレス腱」をアポロン神に射られて絶命し、その死を追悼する競技会が開催された。
アキレウス追悼競技会でおこなわれた競技は、徒競走・レスリング・ボクシング・弓術・円盤投げ・幅跳び・槍投げ・戦車競走・馬術クロスカントリー。
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