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感じることの大切さ

人との接し方について、理解を深める良い機会になりました。リッツ・カールトンホテルにおけるサービスについて書かれた本であるため、勿論お客さんを感動させるサービスの極意について書かれているのですが、それらは純粋に人と接する時の極意にそのまま置き換えられると感じました。
「事前に想像力を働かせて徹底的に準備し、実際に接している時は相手の感情に共感し、それに合わせて細かく対応していく」ということが、人と接する際に大事なのだということが、本書を通しての1番の学びです。
本当にその通りだと思います。事前準備を怠れば、相手に与えられるものを与えられないまま時間が過ぎてしまいます。また、事前準備を徹底しても、実際に話している時に相手の感情に寄り添わなければ、それはそれで相手に与えられるものを与えることができません。事前準備を徹底するものの、対面している時はそれらを忘れ、相手の感情に共感し、かける言葉や取る行動を変えていくことで、初めて与えたいものを、相手に合った形で与えることができるのです。
このことを考えていて、数年前に読んだ演技書の内容を思い出しました。「クリード」の時にシルベスター・スタローンの演技コーチをされたイヴァナ・チェバッグさんが書かれた本なのですが、先の内容に共通することを書かれています。
チェバッグさんは、独自の演技法として、12ステップを提唱されているのですが、1〜11ステップは特定のシーンに入り込むための徹底した準備となっており、最後の12ステップ目は、それまでに準備した内容を全て忘れることになっています。演技をするまでには、多くの準備をする必要があります。しかし、いざ演技する時には、その瞬間に感じている感情、そして相手の感情に集中し、純粋にそれらに反応する必要があります。だから、12ステップ目で、それまでの準備を全て忘れる必要があるのです。
人と接する際にも全く同じことが言えますよね。自分が準備した内容ばかりに集中していたら、相手に伝えたいことは伝わりません。相手の感情にも集中することで、相手に伝わる適切な表現を使うことができるのです。
大分長くなりましたが、このように、人との接し方に関する理解を大いに深めてくれる良書でした。
最後に、本書を読んだ後に、自分に向けて考えた言葉を紹介します。

Prepare Carefully!
Feel Attentively!
Act Quickly!

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