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ロックダウン中の中国モバイルデータを見る。


皆さんこんにちは。Chineelandです。


今日はいち早くロックダウンを敢行し、先日解除をした中国で、
そのロックダウン中の(1/23−4/7武漢ロックダウン)モバイルユーザー動向を見ていこうと思います。何が伸びて、何が落ち込んだのか?

コロナウィルスの状況では先をいく中国の状況を見ることによって、日本の緊急事態宣言最中の今、そしてその後の状況を判断する材料にしていただければと思います。


1、モバイルプラットフォーム

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こちらは1日のモバイルプラットフォームの滞在時間をプラットフォームごとに
出したものです。

いずれも微増ではありますが増加していますが、Momoだけ減少しています。

Momo(陌陌)は中国のライブ配信で伸びてきたサービスで、中国版Tinderで
ある探探(tantan)を買収し、マッチングサービスとライブ配信を手がけています。ライブ配信者を位置情報、性別、年齢から探すこともできます。

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※都市、年齢、性別ごとに検索可能。また配信者の名前の下に距離表示も


ロックダウン下では、マッチングという要素のメリットが減るため、ここでは微減したのではと考えられます。ライブ配信サービスは中国には、日本は比較にならないほどたくさんあり、Momo陌陌の特徴的なメリットを享受できなかったのではないかと推測します。


2、モバイルゲーム

次は、1日のモバイルゲームの利用時間を、今年の春節時期を昨年と比較したもの。

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人気ゲームに関して全てにおいて伸びています。
オンラインゲームユーザーからすると、ロックダウンの影響は関係なく、むしろ
仕事も学校も行けないので、時間は増えるわけです。


3、オンラインニュースサイト

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オンラインでニュースを読む時間を別時期と比較したもの。

左から「2019年の春節」、「2020年のロックダウン前」、「2020年の春節」の比較。圧倒的に滞在時間が増えています。自宅にいる時間で、未知なるウィルスであるコロナウィルスの情報を得ようと皆さんニュースをチェックしたためと考えられます。

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これはさらにプラットフォーム別に見たデータ。全てのニュースプラットフォームにおいて、ユーザーの滞在時間が上がっていますね。


4、ショートビデオプラットフォーム

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こちらは抖音(日本でいうTikTokを含む)などのショートビデオプラットフォームの利用時間。こちらも当たり前のように伸びています。


5、アパレルオンラインセールス

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こちらはアリババ の運営するTmallでのオンラインセールスの数字。昨年の3月と今年の3月を比較。ユニクロが何故だかマイナスですが、他は伸びています。

こちらは恐らく、現地の友人と議論した結果、元々ユニクロは中国国内においてオンラインセールスではなく、店舗での販売を重視していたのではないかと予想しています。そのため、コロナウィルスの影響で店舗が開けられず、オンラインにシフトしきれなかったためではないか、そしてオンラインでの品揃えや在庫の数を充実させられなかったためではないか、との結論に至りました。(もしご存知の方いたらぜひ教えてください!!)


6、ロケーションサービス(マップ・デリバリー)

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Gaode(高德地图),Baidu(百度地图)の各種マップサービス、DiDi(滴滴)配車サービスも昨年の春節と比べると利用者数が減っています。ロックダウン中は移動しないので場所の検索やナビとして使うユーザーは減り、同時に配車サービスも利用しないという結果。

オンラインサービスでも人の物理的移動や距離関連サービスは、前述の陌陌(Momo)も同じく停滞していた模様です。


7、生鮮食品デリバリー

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こちらは生鮮食品をデリバリーするサービス。Hema(盒马)はなんと2倍以上の伸び率。こちらはアリババ が運営するサービス。小売店だけでなく生鮮食品も自宅で購入する時代になったわけです。

事実、中国の友人たちによると、ロックダウンを解除した現在でも飲食店や小売店への客足は以前ほどまで戻ってないようです。人々のオンラインシフトがロックダウン中に進んだ模様。

これは中国国内でも第二波、第三波を恐れている人が多々いて、不要な外出や人との接触を避けていること、また在宅でも必要なものが買えるインフラが確保されていることなどが挙げれるでしょう。


まとめ


中国はロックダウンを経て、通常に戻りつつあります。人々は第二波を恐れながらも通常の生活に戻ろうとしているように感じますが、元には戻らないようにも思います。

このタイミングで、学校教育やスポーツジムのオンライン化は進み、またデリバリーやライブコマースもさらに勢いを増して伸びているように感じます。

日本のコロナ後はどうなるのでしょうか?
恐らく以前と全く同じ日常は訪れないのではないかと思います。

過去を引きずらず、時代にフィットした企業や個人が生き残れる時代。生き残れる人とそうでない人が明確に分かれるかもしれません。


それでは再见!

日本と中国をエンタメで繋ぐのが目標です。青島ビールを毎週末飲んでいます。サポートいただいた場合は、美味しい青島ビールの購入費用にさせていただきます。