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データドリブンFXラボ ~経済指標・イベントと取引禁止~

 今回は経済指標・イベントと取引禁止についてです。当たり前の話かもですが、指標の発表時やイベント時の取引制限や取引禁止を自動売買アルゴリズムに組み込まないと痛い目を見るだろうという考えをお話します。

 先に、私のルールを書きますと、為替に影響を与えうる人(FRB議長や日銀総裁)の発言の時間は60分間、取引禁止。また、米国雇用統計などの重要度の高い経済指標の発表時間は、0~30分程度取引禁止しています。時間に幅があるのは、指標の重要度によってランク付けして変化させています。

私の仮説

 上記の考えに至った理由を記載します。自動売買のアルゴリズムは様々な事象が起きる中で、自分が設定した条件に基づいてトレードします。すなわち、

売買アルゴリズムを作ること = 取引実行のためのif文の条件を作ること

だと思います。しかし、為替市場参加者の思惑など、為替に影響を与えうる全ての要素を考慮したアルゴリズム(if文の条件)を作ることは現実的に不可能です。そこで、できる限り多くの要素を少ない変数で表すために、移動平均やRSIなどのテクニカル指標を使うことが多いと思います。

経済指標の発表

 ただし、このようなテクニカル指標を基にした条件を構築する際、想定していることはチャートがほぼ連続的な値で変化することだと思います(厳密に何をもってチャートが連続していると言えるかは議論あると思います)。

 しかし、経済指標が発表されたタイミングは、一方的な値動きが現れることが多く、条件文が成り立つと想定していたチャートの連続性がなりたたない場合が多いと思います。

発言系イベントの予測の難しさ

 また、発言系のイベントは要注意だと思います。発言も、事前の想定は出されますが、実際に本人がどう発言するかは本人にしかわかりません。もちろん、議事録が公開されるような内容については、一人で判断するのではなく、複数人が合意したことについての代弁となると思いますが、細かい単語のニュアンスや質疑応答なんかも含めると本人の裁量によるところも多いと思います。

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 このとき考えるのは、コップに入った半分の水の話を思い出します。半分の水が入ったコップがあるとき、コップに半分も水が入っていると思う人もいれば、コップに半分しか水が入っていないと思う人もいます。同じ現象でも、人それぞれの認識で、楽観的にも悲観的にも捉えることができるということです。経済指標に対する発言も同じことで、同じ経済指標の値を見ても人の認識によるものは予想することは難しく、個人レベルでは発言時の値動きを予測して売買益を狙いに行くよりも、取引禁止にした方が良いアプローチだと思っています。

以上の理由で、経済指標や発言系イベント直後は、自動売買の取引を制限もしくは禁止することが良いと私は思っています。

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