With コロナ時代のMBAの価値

先日AGOSのセミナーの事前打ち合わせで、「コロナ後は、全く状況が変わっているのでオフラインの講義やネットワーキング機会があることを前提とした経験譚は、今のアプリカントにとっては価値ないのでは?」との議論になりました。

私も以下のようなMBA体験記を記しているのですが、

たしかに、再現性の低いエピソードを書き連ねても意味が薄いので、私なりにMBAの価値について、アプリカントや(一部)アンチMBAな方々の中に渦巻く疑念について、答えてみました。

よくやるリ・フレーミングなのですが、乱暴に言うと何でもポジティブに転換してみよう、という発想です。

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7-1.講義はリモートが主となる可能性も

アカデミックな価値は損なわれるのでは?

でも、リモートスキル 超!身に付くよね!
• 講義中のダイナミックなディスカッション展開には限界あるけど、講義がリモート主体になると言うことは職場も同様。グローバルエ リートとのリモート前提の討議術、リーダーシップが身に付くかも と捉えたら良いのでは?例えば、よく言われるように会議形式でリモートならではの空気の読み方が出てきている。資料を丁寧にまとめて瞬間的に共有できる能力が重視されたりとか、messanger等で「相手が入力中」と言う表記を見て、適切なタイミングまでtypeを待つとか。色んな新常態マナーがグローバルで急速に構築されつつある、と仮定したら、それを習得する良い機会だと言えるかもしれません。

7-2. ネットワーキングできるの?海外Module, Career Trekの 催行も不透明

これは、端的に応えると全く問題ないと思います。インナーサークルに入ってしまえば、 OnlineでもOfflineでも関係ない たしかに、 オフラインの交流イベントは減少しましたが、むしろアルムナイによるonline sharingの機会は急増しています。アルムナイや企業側もリーチできるクローズドのオフラインイベントの手段が失われたので、webinar等で積極的に発信するようになっています。ある種、コミュ障でもchatやmailを通じて効率的にリーチできるように、よりオープン化したのでは? と捉えています。

7-3. 未曾有の大不況で ポストMBAのキャリアに暗雲?

たしかに悩ましい問題ですが、不況時ほどビジネススクールへの応募数は増えるそうです。大企業ですら倒産可能性のある不況下では、MBAに投資するリスクが、今の職場に残るリスクと比較した際に、相対的に小さくなるからかもしれません。
重ねて触れておくと、今は大企業ですら、緊縮財政モードでなかなかエキサイティングなプロジェクトも少ない。社費留学も延期が検討されているところも多いようです。 今の環境で数年待つのが良いか、新しいアイデアを持った仲間と激変の時代を共に過ごす超濃密な時間を選ぶのが良いか 、価値観はそれぞれだと思います。


7-4. 優秀な学生が集まらないのでは?

事実だと思います。Internationalの定員割れも懸念される中、入学時の requirementは下がっていると思われます。その際の問題は、同級生の質だと思います。有効なアドバイスがあるとしたら、横もあるけど、縦もあるよ、と言うことで、言葉を選ばずに言えば、 同期(横)がショボくても、卒業生ネットワーク (縦)にもアクセスできる、と言う点です。また、アプリカント自身にとっては入学しやすくなるというメリットもあります。リスクを取って、オンラインが主体だったとしても、まずは潜り込むと言う発想でも良いかもしれません


7-5. 敢えてアジア?

私自身は、最初から中国に絞って考えていたので、参考になるかどうかは分かりませんが、もし「アジアMBA」の提供価値に疑念を持つ方がいらっしゃるとするならば、今回のコロナ禍を受けてアジアというロケーションが日本人にとって有利に働く可能性があると考えます。
まず、ローカルの上澄み層が本来は欧米のトップスクールに進学していたが、自国のスクールに通うという事例が増えるかもしれません。
また、今後「コロナ・グリーン国」同士のブロック経済化が進むと仮定すると、日本という国のアジア市場に対する地理的な近接性が、将来携わるビジネス上、非常に有利に働くと思います。というのも、航空便が激減し、船便が主体となるだろう、今後数年。当然、欧米からの船便搬送時間よりもアジア域内のそれの方が短いので、相対的に有利だということです。現在、日中間においても越境ECで日本や韓国の商品を買うユーザーが急増する一方、欧米ブランドの購入は商品供給の滞りもあり、さほどではありません。

以上、どうでしょうか。捉え方次第で、むしろ今だからこそ、MBAが魅力的な選択肢の一つとして考えられるのではないでしょうか。



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