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喫茶と過剰な自意識


残金3000円の財布
贅沢とは程遠い時間を紡ぐ

ボタン1つで人が寄りつく 願いを叶える

自分だけでは何も叶いやしないのに
ボタン1つが解決してくれる


できないことは諦めて委託する
それが助け合いだって誰かが言ってた
ボタンさえあれば文句もでてこない

できないと泣いていれば
救いの手を差し伸べてくれる

子どもから何も変わっていないみたいだ
保護者の顔が変わる 百面相だ

大した権利もないし見返りも用意できない
奴隷のように扱う他ない


震えがとまらなくなる

30°Cを超える夏の日にその身を揺らす

求めてないプライド 当事者意識
可哀想と言える私は優しい

ただ自己保身の道具にされて投げ捨てられる


指パッチンで消せたらいいのにな

うっとうしい支配者も 承認欲求も
イヤホンをしながらレジに並ぶ人も


エスカレーターを歩く意味がわからない

視界に入るだけで焦るからとまっててよ
社会はマイペースを許容してくれやしない
待ち人はいない 遅刻してないのにいない 
約束もしていない
組織の輪を乱す1人は置いていかれる


背中を蹴飛ばされて息が詰まる

振り返ったら姿は消えていた
指同士がぶつかって音が鳴っていた

私が消したんだ
私をいらないと言うなんてセンスがないわ

これから3000円には見合わない女になるの


ボタンから手をはなして 反対方面に歩き出す

辺りは夜一色
私の時間がやってきた




(9/11 19:17)


自分を甘やかしてご褒美に使わせていただきます。