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愛する我が子を捨てれますか? -世代間ギャップ-

世代間のギャップというのはよく話題になることであるが、こと対自分の子に関する、世代間の考え方のギャップには驚くものがある。
今、お子さんを育てているお母さん、お父さん、自分の子供を捨てれますか?毎日毎日、愛情を注ぎ、たくさんの楽しい時間を共に過ごした我が子を、捨てれますか?会わないでいられますか?声を聞かないでいられますか?どこに住んでいるのかも、どんな姿になっているかも何も分からないまま平気でいられますか?
親が子供に会わないことが、子供のためになると思いますか?
離婚/別居したら一切我が子に会わないで平気ですか??

おそらく、現在子育てをしている世代の多くは、簡単に子供を捨てることなんてできないのではないかと思う。子供を捨てる、という発想もないと思う。今の子育て世代にとっては、両方の親が子育てに関わり、母も父も子供と一緒に楽しい時間を過ごすことが、当たり前ではないだろうか。

父親も子育てに関わることがどんどん推奨され、子供は母親だけじゃなく、2人で育てるものだよ、と国を挙げて宣伝している中にあって、母も父も、離婚/別居したからと自分の子に一切会わないでいい、と思っている人は少ないと思う。

・・・ところが、これがある程度の年代の方になると結構違う。
私が子供に会えなくなって、このなんとも理不尽で不思議な世界に入り込んでからいくつもの驚きがあったが、その中でも群を抜いて衝撃的だったのはこれだ。

子供のことはもう忘れて新しい人生を歩んだらどうですか。
大きくなれば子供が自分で会いに来るよ。

は???正気ですか?!?!

・・・いや、私は本当にこれは冗談で言っているのだと最初思った。

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何?忘れる?自分の子供を?
大きくなれば子どもが自分から会いに来る??
この人たち、何言ってるんだろうか...と。

私たち親は、子供ができたときから、常に「子供を大事に」ということをあらゆる人たちから言われ、実際、子が生まれてからは自分よりも子供を第一に考える生活を送ってきた。
それなのにいわば「子供を捨てろ」と言っているのである。
大事にしろ、大事にしろ、と散々言われてきたのに、別居や離婚になると、突如、まるで真逆のことを言われるわけだ。
これには本当に心底驚いた。

犬や猫は捨ててはいけません、と一生懸命CMを流していいるのに、我が子は捨てろ、といとも簡単にいうわけだ。
ただならぬ衝撃であった。

こういった言葉を裁判所で調停員の方に言われる方も多いという。
私はまだ裁判所で言われたことはないが、以前お願いしていた弁護士や通っていたカウンセラーに言われたことはある。その時は、その人だけがおかしいのだと思っていた。だって、子供を捨てる、なんてありえないし。

ところが、よくよく周りを見渡してみると、こういった発言、この日本では普通に頻繁に言われていることに気がついた。
例えば、テレビでも多くのドラマの中で「もう、子供のことは忘れなよ」なんてセリフがあったり、トーク番組で「大きくなれば子供が自分から会いに来るから」なんてことが普通に話されていて、本当にびっくりした。
今までは興味がなかったから気付かなかったのだろうか。。。

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さらに極めつけは私の母である。
先日久しぶりに母に会い、1年以上たっても未だに子供達に会うことも電話で話すこともできてない、という話をしたら、なんと「もう、子供はおしまいにして自分の人生を楽しめばいいじゃない。私だったらそうするわ~」などと言ってきたのだ。

正直、よくあなた自分の子供の前でそんなこと言えるわねぇ~、と思ったのだが、ただ、私は母からめいいっぱい愛情をもらって育ち、今もこんな状況でも唯一応援してくれている存在なので、そんなことを言われてもなんとも思わないし、また、変なことを言っているわ、くらいにしか思わないが、下手すれば、「あ、母は私が大事じゃなくて捨ててもいいと思ってるんだな」と思ってしまう発言である。

即ち、親が子供にもう一切会わないでいい、としたとすれば、それは子供側からすれば、自分は捨てられた、と思うことにもつながると思う。そんなことできるわけないじゃん。

この後、私は4時間ほど母と話しあったが、結局、母の主張は最後まで変わらなかった。
この世代は、こういうものなのだろう。変わらないのだろうな。
染み付いた価値観というのはそう簡単に崩れないのだ。

今の日本は親が愛する我が子に突然会えなくなる世の中です。
また子が大好きな親に会えなくなる世の中です。
毎年、約15万人もの子供が親と会えなくなっています。
夫婦仲が悪化でもすれば、一瞬にして親子が断絶されます。
そんな恐ろしい国です。

でも今、やっと国が動いています。・・ほんとにやっと。
世界からは30年も遅れている。

あなたは離婚や別居によって愛する我が子を捨てれますか?
大きくなって子供が自分で会いに来てくれるまで、ひたすら黙って我慢しますか?
そうじゃなくて、「今」一緒に色んなことを子供と楽しみたいわけですよ。少なくとも私は。だからこそ子供産んだんですよ。
何十年後かに大きくなった子供がひょっこり訪ねてくるのを待つために産んだんじゃないんですよ。家族として色々な経験を一緒にして楽しみたいから産んだんですよ。
・・・これが理解できない世代がいるんだから、困ったものだ。

大好きな子供と楽しい親子時間を過ごしたい、というお母さん、お父さん、ぜひ国の動きに注目してください。今、法律を変えずにこのままだったら、あなたもある日突然、我が子に一切会えなくなります。

それとも離婚/別居を機に一切、子供に会えなくなることを受け入れられますか?

参考
「別居親との交流を絶たれてしまう未成年の子供が毎年新たに15万人ずつ増え続けている」(令和3年3月5日大阪府議会本会議   池下卓議員)
 https://youtu.be/Z7pnbYkrdW8