【第188回】内閣府「2023年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」
質問 内閣府の2023年度のBCP調査について教えてください。
概要
①内閣府の2023年度のBCP調査の公表
②BCPの策定率の増加
③業種別傾向
解説
①内閣府の2023年度のBCP調査の公表
内閣府は、2007年より、民間企業のBCPの策定率等の調査を隔年で実施しています(民間企業の事業継続の取組に関する実態調査)。そして、2024年3月に、2023年度の調査結果を公表しました。この調査からは、事業所の耐震化等に関する調査項目を追加しているのが特徴です。
②BCPの策定率の増加
BCPの策定率については、大企業・中堅企業とも、調査開始以降上昇しています。「策定済」が大企業76.4%、中堅企業45.5%となっており、2021年度よりも5%程度増加をしています。
また、BCPを作成する際の想定リスクとしている事象としては、地震、感染症、洪水等の特定事象を想定している企業が80%以上を占めています。
一方、災害を特定することなく、オールハザード型の対応策を策定している企業は18%で、上昇傾向にあります。
③業種別傾向
業種別では、金融・保険業での策定済の割合が76.6%に達しており、他の業種よりも高い数値となっています。
一方で、医療を含めたライフライン関連の企業の策定済の割合は、40~70%程度、また、小売業については34.7%と低位な数値となっています。
なお、耐震基準を充足している事業所や工場を所有する企業の割合は約80%でした。