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贅沢な東京

written by: mao nakazawa

2017年の3月から、私はnoteで「record of tokyo」と銘打ってブログを書いている。東京生まれ東京育ち東京在住の私が、東京の写真を撮り東京を記録するというコンセプトで書き綴っている。

さて今日はどこへ行こうかしら、そう言えば東京駅ってあまり降りたことがない。そうだ、東京へ行こう。東京駅はまだだったか、これぞまさに灯台下暗し。

その日、私は誰とも会う約束をしていないのに、下ろしたてのワンピースで東京駅に舞い降りた。夏らしいイベント、今年は何一つ経験していない。はて、この一目惚れの可愛らしい夏のワンピース、一体いつ出番が来るのだろうか?ええい、待っていられない、今日着てしまえ!と、自分のためだけにお洒落した。

まずはkitteの屋上だ。

ビルが立ち並ぶ中に、綺麗に植えられた緑、もしかして私、近未来に来てしまった?下を覗くとお馴染み黄色いハトバスが走っているので、ああ2018年だ、と安心。でもハトバスは、きっと100年後の2118年にもあるに違いない。

眺めを楽しんだあと、お茶をしばきたくなった。お茶請けの本も欲しい。私はkitte4階にある『アンジェビュロー』で「ココ・シャネル 99の言葉(著 酒田真美)」を買う。本の表紙の感じが気に入って思わず手に取った。

その本を携えて『ブックカフェ マルノウチリーディングスタイル』へ。何を頼んだか忘れたが、カフェラテだったかな?このカフェは本屋さんと併設されている、にも関わらず、違うお店で本を買ったが。私がデパートを好きな理由、効率良くパッパと休日を満喫している気分になれるから。どんどんスピーディーになっていく都会、私がその一端を担っていることに、そろそろ皆様お気付きでしょう。

窓際が良さそうと思ったけど、入ってすぐの席にした。せっかちな私は頭の中が、買った本を読みたい気持ちでいっぱいだったからだ。窓際に行く時間さえ惜しい。もう、ここでいいや。

「ココ・シャネル 99の言葉」は、シャネルのポートレートがギッシリ、そして言葉に添えられる解説がとても素敵で、あっという間に読み終えてしまった。窓の外は夕方になり始めていて、私は急いで外に出た。なんだか常に慌ただしいな、次の予定もないのに。これが東京下町生まれ下町育ち、てやんでいの宿命か?これでも親よりおっとりしている江戸っ子3代目ちきしょうめ。

しかし慌てていたのには理由があって、太陽が傾き始めると、景色にドラマチックな印象を与える。ロマンチストの私にとって、素晴らしい撮影条件へとなる。完全に陽が落ちるまでのこの時間を、どうしても逃せなかった。

おもむろに来た東京駅、滞在時間は3時間程度。誰とも会わず、自分のためにお洒落して、読みたい本を気分で買い、夜に向かっていく東京を一人ゆっくり眺めた日。これが私の、贅沢な東京の過ごし方。


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訪れた場所:

KITTE(キッテ)
・屋上庭園 KITTEガーデン
・KITTE 4階 ブックカフェ(書籍、カフェ、文具)
マルノウチリーディングスタイル
・KITTE 4階 ステーショナリー・雑貨
アンジェ ビュロー

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プロフィール
mao nakazawa

カメラマン
1988年東京都出身・在住。2018年6月よりフリーカメラマンとして独立。ライフワークは東京の記録としての写真。フィルム写真とともにブログ「record of tokyo」を日々更新中。

note → https://note.mu/maotokyo
web → http://www.cameranakazawa.com


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