北村良子著 「脳を鍛えると生産性が上がる」 


最近読んだ本をアウトプット的にまとめておきます。

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まずはじめに、タイトルに書いてあるように、筆者は以下の2つの明確な結論を提示しています。

  • ミスの原因は能力が低いからではなく、脳の機能が低いからである。

  • トレーニングにより、脳の容量と使い方は何歳からでも上げることが可能。

本書では、この2つの結論に沿って、脳が機能しない原因や脳を鍛えるための方法について説明している。

私たちは日々、疲労や仕事について考え、中には悩まされている方もいるだろう。そこで、本文では脳が機能しない原因について、3つが挙げられている。

脳疲労 単純に脳が機能するためのエネルギー不足             

マンネリ化 私たちは経験を重ねるにつれて、経験に対する新鮮味を感じにくくなっていく。そうなると、私たちの脳は最低限の働きで賄おうとするようになり、脳機能が低下していく。

老化 歳を重ねるにつれて、運動をしている人としていない人では体力の差が歴然なように、脳機能もトレーニングしているか否かで大きな差が生まれる

また、私たちは競争社会に生きているため、仕事ができる人仕事ができない人というレッテルを多くのシーンで貼られ、他者と比較されることは少なくない。これに関して、著者はこのように語っている。

脳の強さ=仕事の能力

つまり、限られた時間でハイクオリティーなパフォーマンスを残すには、良質な脳が必要不可欠である、ということである。

脳の強さ(脳力)というのは以下の3つの観点から測られる。

脳の容量(キャパシティー)

脳の容量が小さいと一度に複数のことを覚えることができない。調べた内容が資料のどこに書いてあったかを忘れてしまったり、受話器を置いた後、電話前に何をしていたか一瞬忘れてしまったり。筆者はこのような脳の容量不足が小さいミスの原因になると主張している。

思考のまとまり

私たちが作業をするとき、誰かの話し声が聞こえたり、コーヒーのいい匂いがしたり、集中力が奪われるものが目に入ったり、5感様々な方面から情報が入ってきてしまう。思考がまとまっていると、今集中するべきことに思考を留めることができる

思考の切り替え

脳力が高く、思考の切り替えが身につくと、細かく今やるべきことを切り替えながら一つひとつに集中することができる。その結果、複数の作業を把握しつつ全体をスムーズにコントロールすることができる

ここから本書では、じゃあ実際どうすれば脳力(脳の機能)が上がるの?という問いに対しての解説が書かれている。その前に、私たちは脳の性質を理解する必要がある。

人間の脳は「1つのことに長時間集中することができない」という性質がある。A,B,Cの3つの仕事があるとき、

仕事量が多いAは優先して取り組もう、締め切りが早いBを意識しつつ、Cはアイデアが大切だから常にアイデア出しはしておこう!

という風に取り組むのが論理的である。この性質を知っておくことは、サッと思考を切り替えることにもつながる

Aを終わらせて、Bに取り組み、終了次第Cを処理しようという風に、1つのことに長時間集中してしまうと、「Bの締め切りが明日なのに...」「Cのアイデアが未だ白紙状態...」といった事態が発生してしまう。

ここまでは、脳が機能しない原因、脳が強いとはどういった状態かについてフォーカスしてきた。最後に、本書では一番大事なポイントである。どうすれば脳を鍛えることができるか?について解説している。

本書では脳力を高める方法最大限引き出す方法に分けて書いている。

「脳力を上げる方法」

運動しながらのトレーニング、ながらトレーニング

運動とはいっても脳と体の動きを組み合わせることが大事なので、歩きながら程度で十分である。具体的には、歩きながら100から7を引いていったり、3~7桁の数字をランダムに言って直後に逆再生したりなどである。

未経験のことに取り組む

カラオケで新曲を歌ったり、普段着ないタイプの服を着たり、言ったことのない店に行くことなどである。脳は新体験によって刺激を受け、活性化していく性質がある。ここで重要なのは、日常に新しいことを組み込んでいるんだ!と意識することである。

他にも、立ちながらの仕事、軽い運動などが脳トレの方法として挙げられている。(立ちながら仕事をすると、すぐに違う行動を起こせる状態になる。その結果、脳は次の動作にパッと移る準備をするため活動的になる)

「脳力を最大限引き出す方法」

デスク周りの片付け ビジネスパーソンは、平均して1日あたり30分以上モノを探していると言われている。これは一週間で2時間半以上無駄にしていることになる。

脳内整理

私たちが集中しようとしても、キーボード叩く音がうるさいなと感じたり、メールが失礼だったか送った後になって心配したり、腹痛を感じたり、こうなったらどうしようという不安で脳の大半を占めてしまうことがある。そのため、不安を紙に書き出し、不安の全容を整理して解決策を見つけることは非常に効果的である。

タスクに区切りをつける

10:30まで、15分だけ、というように具体的な区切りをつけることが重要である。あえて、集中状態を切ることで新しいゾーン状態を作り直すことは脳力を引き出す上で欠かせない。

これらが、脳力を上げる方法、最大限引き出す方法である。

今回、この本を読み、要点を書き出した上で、具体的なアクション(to do listの作成、日々の運動習慣など)を実施することが大事だと感じた。偏差値、IQ関係なく私たちの脳力には限界があること、伸びしろがあることを自覚することも大切である。



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