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白猫バトルロワイアル<1話~6話>

それは
ちかみつが本業の関係者と
とある居酒屋に訪れた時のことだった

女将さん
「お客さん!いらっしゃい。
今日たまたま、うちの娘がいるんだけどね。
実はうちの娘、霊が視えるの。
良かったら視ることができるけど、どう?」

ちかみつ
「えっ! はい…それではお願いします。」

女将の娘さんが
たまたま霊が視える人だったことが
のちに「呪い」の存在を知るきっかけになる

娘さん
「それでは視てみますね。」
娘はちかみつの手をじっと見つめると
ゆっくりこう言った

娘さん
「お客さんの右肩に白猫が乗っていますよ!
もしかしたら、
お客さんを守っているのかもしれませんね!」

何々?!右肩に白猫?!
なんだか妙な感じがする・・・
存在に全く気づかなかった・・・
でも少し嬉しい!黒でなくて白なら良いかな?!
いや、嬉しがるにはまだ早い!

ちかみつ
「そうなんですね!ありがとうございます。 
今度自分でも確認してみます。」

その日はそのまま家路についた
数日後 予想外の展開が待ち受けていることを
ちかみつはまだ知る由もなかった

それから数日後
独自の調査に入った

猫は神か悪魔か
どちらかの方向の存在になる
ここはスキャンするしかないのだろう

スキャンした途端
目の前が暗くなり
今まで感じたことのない
闇の種類の存在の匂い・・・
そんな気配を感じた

白猫は守り神ではなく
悪魔だったのか
白猫はとてつもない
正体不明のマイナスエネルギーに満ちている

スキャンに気づいた白猫だが
肩からは降りようとしない
まるで無表情な置物の人形のようである

しかし次第に
邪悪な力がほとばしりだした

それにしても
白猫に全力で挑むのも
大人げない気もする
動物愛護の精神に背きはしないだろうか?

手っ取り早く
まずはいつものように
対悪魔用の除霊の術を繰り出した

しかし白猫はビクともしない
事態が掴めない
今まで闘ったことのない強敵の可能性
現状分析を急がねば
負けてしまう

自分に原因があるのか?
術は有効か?

張り詰めた緊張感の中
焦り始める心を抑えながら
スキャンをした

術はかろうじて有効
白猫は
マイナス930のフォースだった

ノーダメージなのか!
これはいくら可愛い白猫でも
もう手加減はできないんだ

攻撃神仙魔法術
「ライトニングボルト」を繰り出した
大気中のプラズマを集中させ 気を練り
その高圧エネルギーを
目的物に衝突させる技である

プラス2200の衝撃波が白猫を襲った
ピーン!と静まりきった静寂

しかし
白猫は微動だにしなかった

術が全く効かない・・・
強い攻撃術も無効になる

普通の魔物なら
何らかのダメージを負う
だけどこの白猫は負わない

何かが白猫を守っている
これはヤバイ・・・
最後の必殺技を出すしかない

秘術「ギャラクシージェット」を繰り出した
銀河の中心から
スーパープラズマ流を誘導する攻撃術である

パシン!
静かだった白猫からようやく何かの音がした
鳴き声でもない この音は一体・・・

すると白猫の胴体に
少し亀裂が入った

猫にできた亀裂から
溢れ出てきたのは
なんと
たくさんの小さな人のようなものだった

何十人もの小人たちは
どんどん流れ出てくる
ざっと数えるに100人もはいない

人形か?
いや動いている!
生きているのか?
いや死んでいる!
これは小人か精霊か!?

とても小さいため
小人のように見える
中には大昔の日本人の姿をしている者もいた

彼らは一体 何者なのだろうか?
まんが日本昔ばなしの世界のようだ

その中の一人に
話しかけてみることにした
「もしもし!こんにちは!」

そう話しかけたが
小人は気づかないのか
少しも動かない

声を張り 再度話しかけた
「こんにちは!
生きていますか~~?
もしも~し!」

小人はぼ~っとしながら答えた
「なんだおまえは?」

「ぼくは生きた人間だ!
君は誰だ?君の名は?」

すると小人は
「私は誰だったかな~?わからん」と
首をかしげながら答えた

そのとき気づいた
この小人たちは
エネルギーがものすごく
低下してしまった人間たちだ

体が小さいのは
エネルギーが低下しているせいだ!
そう分析をしていた
まさにそのとき・・・

白猫に及んでいたはずの
亀裂の修復が
すでに完了していたのだった!


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