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Research 02 * ドイツの現代音楽祭事情【前編】

オンナ作曲家サロンでの会話をまとめたものです。主にマイノリティー・イシューについて考えていきます。今回はドイツの現代音楽界についての前編。三人とも海外在住10年越え選手、現在はドイツ拠点です。
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わたなべゆきこ(作曲家)
2008年よりグラーツ(オーストリア)、2014年よりケルン在住。

印牧沙織(音楽学者/キュレーター)
2007年よりデュッセルドルフ、2008年よりベルリン在住。

森下周子(作曲家)
2009年よりハダースフィールド(イギリス)、2011年よりベルリン在住。
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ーー印牧 皆さまはじめまして!今後このお部屋にちょくちょくお邪魔させていただく印牧沙織(かねまきさおり)と申します。2008年より音楽学を専門として、2015年よりベルリンを拠点にキュレーターとしてコンサート・イベント企画したり、2017年より生計を立てるためには司書として働きつつ、只今ゆるりと博論を書いてます。ドイツに来て現代音楽に興味を持つようになったので、日本の現代音楽シーンにはとても疎くご教授いただけたらと思います。宜しくお願いします!


ーー森下 やっほー沙織!いまサロンには日本・フランス・オーストリア・オランダ・アメリカ・イギリス拠点あるいは留学していたメンバーがいるのかな。ドイツは(わたなべ)ゆきこちゃんがいるけど、ケルンとベルリンでも随分違う気がするし、音楽学者兼キュレーターの視点からいろんな話を聞かせてもらうのが今から楽しみ!


ーー印牧 そう言っていただけると嬉しいです。


ーー森下 わたしベルリンには住んでるものの大学もイギリスだったし、こちらの事情には疎くって、、、。ドナウエッシンゲン音楽(SWR Donaueschinger Musiktage)も沙織と行くはずだったのに忙しすぎてドタキャンしちゃったし。でも放送は聴いた&見た!


ーー印牧 ドナウエッシンゲンもそうだけど、伝統的で規模の大きいドイツの現代音楽フェスティバルは放送局が運営している場合が多いのね。だからコンサートがライブ中継されたり録音も放送されるのよ。何よりPR活動が他の機関とくらべものにならないくらい派手で効果的。ちなみに各放送局に現代音楽部門があるんだよ。


ーーわたなべ ドイツの音楽シーンで放送局が大事っていうのも、フェスとの関係性もわかります。でも各放送局の現代音楽部門は思った以上に小さくて、その中でまわしているみたい。


ーー森下 へえ、ドイツのフェスティバルはだいたい放送局がバックについてるの?もしそうなら、そこでの現代音楽部門のスタッフの役割ってすごく重要そうだね。


ーーわたなべ 現代音楽部門で働いてるのは専門家なのね。私の勝手な印象だと現代版パトロンみたいなかんじ。例えばWDR(西ドイツ放送局 - Westdeutsche Rundfunk)だと、どんな作曲家なのかと対話するところから始めるらしい。単発で委嘱をくれるだけではなく、まず交流ありき。

だからかな、周りを見てるとね、一度信頼関係が築けると作曲家側の要望も通りやすい印象がある。やりたいことをやらせてくれるみたい。

::: 後半に続きます:::

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書簡01 * 50:50ポリシー
書簡02 *  ドイツの現代音楽界【前編】
書簡03 *  ドイツの現代音楽界【後編】


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