臨床心理士 この花舎

一般社団法人「この花舎」代表の相山と言います。臨床心理士・公認心理師、スクールカウンセ…

臨床心理士 この花舎

一般社団法人「この花舎」代表の相山と言います。臨床心理士・公認心理師、スクールカウンセラー。SE™プラクティショナー。心のこと身体のこと、子ども支援について、またトラウマセラピーや心のケガについての発信もしています。https://vision-of-heart.com/

マガジン

  • 回復までの4つの段階と道のり〜不登校の相談から見えてきたこと

    これまで不登校について感じてきたこと、子どもたちの姿や保護者相談で見えてきたことなどを臨床心理士✖️スクールカウンセラーがまとめた記事です。不登校のことで悩んでいる保護者向けに【我が子も私も大丈夫】そう思えるように書いています。 【目次】 第1章:はじめに〜不登校と私 第2章:我が子が不登校になったら 第3章:最初に伝えたい不登校の3つのこと 第4章:不登校の我が子も私も大丈夫、そう思えるように 第5章 不登校の道のり〜回復までの4つの段階 第6章:さいごに〜不登校の子どもたちと会ってきて思うこと マガジン 【回復までの4つの段階と道のり〜不登校の相談から見えてきたこと】のURL ↓ https://note.com/chikako_ai_hana/m/me42fb071cb39

  • 子ども臨床・子育てコラム

    子育てや子ども臨床についてのコラムや日記をまとめています。

  • こころとからだの心理学〜ソマティックに臨床を語る〜

    臨床心理士がソマティック心理学について語っています。 1〜7のシリーズで「こころとからだの心理学」というコラムを書いていきます。 vol.1 心理学の新しい分野 vol.2 カウンセリング現場の実際 vol.3 第四世代のマインドフルネス vol.4 こころの周辺にある「からだ性」と「瞑想や宗教性」 vol.5 日本人の特性とこれから vol.6 有機的なからだとは vol.7 傷や悩みが癒えることについて

最近の記事

不登校:「行く-行かない」から脱する、はじめの一歩〜予兆期について〜

マガジンシリーズ【不登校の回復までの4つの段階と道のり~子どものカウンセリングと保護者相談から見えてきたこと】を書いています。 この記事は3作目です。以下を書いていきます。1作目や2作目はマガジン内にあります。 はじめに  不登校の状態というのは一様ではなく、ひとり一人の歩んでいく道は十人十色です。しかも回復とは何を指すのか、皆さんそれぞれ違います。ただ、出口の見えない森の中に何もない状態で入っていくのは不安になりますね。ゴールや目的地が描かれている地図があるならば、少

    • 「カウンセリングなんてウザい」ギャルは現代の女神

      「カウンセリングなんてうざいし」 と、絶対に相談室に入らなかった子のことです。 教室も嫌い。エスケープして下駄箱に座り込んで、そんな彼女とよく体育座りで話していました。 くだらない話や、時に変顔をして爆笑しあったりと、最初は顔を見てくれたなかったけれど、しだいにしっかりと見てくれるようになりました。 「まじうっとおしい。 親が悪いんだとー。」 ある先生から言われた言葉だそう。 たしかに、困難な家庭環境が、彼女の問題と思われている行動に起因しているように見える子です。

      • 不登校の【我が子も私も大丈夫】そう思えるように

        マガジンシリーズ2回目。今回は以下を書いていきます。 ではどうぞ。↓ ↓ 【100万回の「あなたは大切な子」の言葉よりも】 子どもというのは、一見、意味のないような遊びを延々繰り返すことがあります。私も小さい頃に、地面にずっと座り込んで虫と遊んだり、雲と会話しながら踊っていたり、昔の田舎は「注意危険!」などという看板は少なかったですから、友達との危険なあそびや大人には内緒の遊びもたくさんあったように思います。  そんな遊びによって、胸がスッキリするような「からだの感覚

        • 臨床心理士と考える【不登校について大切なこと】

          第1章:はじめに〜不登校と私 私の、不登校との出会いは、中学生の頃のクラスに学校を休んでいた子がいたことに遡ります。私自身も時々、理由もなく学校を休みたいと思うことがあったので、当時の私は、勇気を持って休むという選択をしたその子を(実際には、行きたくても行けない状況だったのかもしれませんが)、尊敬の気持ちで見ていたのを覚えています。  その後、高校生の頃に、マザーテレサの本を読んだことがきっかけで心理学部へ進みました。大学生の頃にA D H Dと言われていた子どもと出会い発

        不登校:「行く-行かない」から脱する、はじめの一歩〜予兆期について〜

        マガジン

        • 回復までの4つの段階と道のり〜不登校の相談から見えてきたこと
          3本
        • 子ども臨床・子育てコラム
          2本
        • こころとからだの心理学〜ソマティックに臨床を語る〜
          3本

        記事

          争いをなくすには〜トラウマの眼鏡〜

          あなたの周りで争いは起こっていますか? 何が原因でしょうか。 今日、私の好きな美容家さんが言っていました。1日の終わりに、今日も無事に終えていくということが幸せだと。 本当にそうだと思いました。 1日の終わりに、ほっとできること、何の危険も感じずに眠ることができることに幸せを感じます。今、世界で起こっている戦争も、仕事の中で見た争いごとも、どうして起こってしまうのだろうかと、それらを人ごとにせずに自分ごととして争いをなくすために、書いてみます。 争いが起こる原因は

          争いをなくすには〜トラウマの眼鏡〜

          こころとからだの心理学 vol.3 第四世代のマインドフルネス

          「こころとからだの心理学」シリーズ7の vol.2 カウンセリング現場の実際 からの続きです。 こころとからだの心理学 vol.3第四世代のマインドフルネス お笑いの世界では、第七世代と呼ばれる世代があるそうですね。実は心理学にも、第4世代(5という人もいます)と呼ばれる新しい心理学の分野があります。 「生きている身体」を扱う分野だったり、禅的な生き方に近いマインドフルネスの分野です。身体心理学やソマティック心理学という分野の発展や、ポリヴェーガル理論という考えが、トラ

          こころとからだの心理学 vol.3 第四世代のマインドフルネス

          こころとからだの心理学 vol.2 カウンセリング現場の実際

          「こころとからだの心理学」シリーズ7の vol.1 心理学の新しい分野からの続きです。 こころとからだの心理学 vol.2カウンセリング現場の実際 私たちがカウンセリングを受けようと思った時、どうするでしょうか。 具体的な症状がある時は、精神科や心療内科などの病院やクリニックに行くこともあるでしょう。 その場合、保険適応になるカウンセリングは、医者による問診に加えて薬物療法を適応されるか(薬の服用を勧められるか)もしくは、心理士による認知行動療法という思考や言葉を使っ

          こころとからだの心理学 vol.2 カウンセリング現場の実際

          【爪噛み】症状の見立てと具体的アドバイス

          爪噛みは幼児から小学校高学年まで幅広く見られます。中学生になると減っていく印象ですが、目立たなくなっていったり皮膚むしり(症)やリストカットになっていく女子などを散見します。 また、噛んだ爪を食べている子、噛んでいる姿を人には見せない子、など様々です。 この辺りの症状は、スペクトラム(連続性)になっていると感じでしょうか。 つまりは、相談員やカウンセラー、医者によっても、どこに焦点を当てるか、どこを見るかによって、見立ても変わってくるということです。 例えば、抜毛の子

          【爪噛み】症状の見立てと具体的アドバイス

          スクールカウンセリング日記〜過剰適応から、等身大の自分へ。

          スクールカウンセリングに興味のある方へ 私がスクールカウンセラーとして相談室で行なっている、カウンセリングの一コマの日記です。 カウンセラーには色んな背景があり、学んできた心理学や、経験してきた現場がそれぞれ違うため、相談室という密室で行われているカウンセリングの内容はそれぞれです。また、守秘義務があるので、その様相はあまり知られていません。 そのため、スクールカウンセリングに興味がある方、勉強中の方、初心の方に何か参考になればと、守秘義務・プライバシーを守りつつ、真実

          スクールカウンセリング日記〜過剰適応から、等身大の自分へ。

          こころとからだの心理学 vol.1心理学の新しい分野(ソマティック心理学)

          以前に書いた7回シリーズで「こころとからだの心理学」というコラムを載せます。以下のリンクから読むことができます。 vol.1 心理学の新しい分野 vol.2 カウンセリング現場の実際 vol.3 第四世代のマインドフルネス vol.4 こころの周辺にある「からだ性」と「瞑想や宗教性」 vol.5 日本人の特性とこれから vol.6 有機的なからだとは vol.7 傷や悩みが癒えることについて ではvol.1から始めていきます。 こころとからだの心理学 vol.1

          こころとからだの心理学 vol.1心理学の新しい分野(ソマティック心理学)

          不登校の4つのステージと

          (この記事は2023年3月に書いたもので、公開し忘れていたもののため5月にアップしています) お別れの季節がやってきました。 このシーズンは お別れの準備をしています。 手紙を書いたり 作品をまとめたり 事務的な記録や統計など 色々なことを思い返しながらしています。 人によっては 3、4年間の付き合い 1、2年の付き合いと様々だけれど 不登校の子の卒業を見送ったり 卒業生のその後の姿を見たりすると 小中学校でつまずいたと 深刻になって 泣き明かす必要はないと

          不登校の4つのステージと

          6歳児が語るやさしさについて

          【6歳児が語る、“優しさ”について】 10年以上前のこと。当時、6歳くんが眠りにつく直前に、何かが降りてきたように弾丸トークを始めました。言いたかったことは、こんなことでした。 『やさしさってね、嫌なことは嫌、疲れたときは疲れた、できないことはできないって言うことなんだよ。ご飯つくってて一緒に遊べないときは、遊べないけどお手伝いして?とか、嫌だって泣いてるときは「いやなんだね」って言うこととか「分かったよ」とか「しょうがないね」って言うことなんだよ。 やさしさっていうのは

          6歳児が語るやさしさについて

          ちっちゃな君が教えてくれたこと。

          一度できちゃうと、できないには戻らない。 できないって素敵だ。 できることが増えて成長を感じるのは うれしいけれど・・・ 今のその瞬間の未完成の君が、 とてもとても素敵です。 *** 最近、子育て日記を見返しながら、今感じることを加筆して投稿しています。 さて。年度末のお別れの季節です。 園にいると、年少さんの小ささに胸がきゅんとして 小学校にいると、1~2年生の小ささにときめきます。 中学校にいくと、1年生の初々しさにほっとして。 きっと、高校でも

          ちっちゃな君が教えてくれたこと。

          かくれんぼと愛着。そして、その奥へ。

          2023年2月22日。猫ニャーニャーの日に、初めての『子ども支援者グループ』を開きました。 昨年末に、支援者どうしで遊んだり、子どもとのコミュニケーションを学ぶリアルな会をやりたい!と思い立ちました。そして、1月にイベントを立ち上げて実現した会でした。 この記事では、子ども支援者グループで遊んだ「かくれんぼ」について考察しています。遊びの中に隠れている、深淵さ、遊びの大切さについてを書いていきます。     目次 私の中の3つのパーツ 子どもの居場所になる大人を増や

          かくれんぼと愛着。そして、その奥へ。

          ”心配な子”がいるわけではなく、”心配している自分”がいるだけ・・・?

          勉強や運動ができて、優しくて、好きなこと好きな人がたくさんいて自己肯定感が高い…のが理想?ホント? この社会には、世の中には できるーできない あるーない 高いー低い 多いー少ない 本当に、この物差ししかないのでしょうか? 自分はダメだ。生きてる意味がない・・・など まだ生まれて10年前後で、そんな考えが浮かぶ子どもたちがいます。 何かの評価や人との比較の中でつぶれそうになっている子どもたち障害や検査、診断や薬でいわゆる健康に、平均にさせられている子どもたちに自分

          ”心配な子”がいるわけではなく、”心配している自分”がいるだけ・・・?

          ソマティック心理学とは?

          こんにちは。 子ども専門・トラウマ専門の臨床心理士が運営する、一般社団法人 この花舎では、心や育ちが心配なお子さんに関わる大人たちが「私も、この子も大丈夫」と思えるように、大人の安心を増やしたい、そんな思いで活動しています。 子どもの心のカウンセリング、子育て支援の現場にいると感じることがあります。 🔶「カウンセリングは、話を聴いて共感するだけでいいの?」 🔶「何でも、発達障害、グレーゾーン、H S C(P)、起立性調節障害・・・にしてしまう風潮に、カウンセラーも巻き

          ソマティック心理学とは?