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正しいことはもういいの

必要のない景色だけを集めて

瞼の裏で転がして

遊んでいるのか

売っているのか

今ちゃぽんと魚が跳ねた


論理は美しい

誰にも真似の出来ない化粧で

誰かに真似をして欲しい

すれ違う窓にあなたの姿

あなた、ではないその誰かは

確かにあなた、だった


全てはあなた、だったのだ


水族館の帰り道

余計に淋しくなることわかってて

メモを残して

送らずに閉じる

まだ夜が友だちなんだね

自分に話しかけることぐらいは出来るから


おかしいでしょう?

虫の姿で遊んでいるうちに

産道が浮かぶように近付いて

もうそのしなやかな指先に

委ねる以外は不可能だから

このまま泉を抱いて

点滅しながらゆっくりと

沈んでいけたら


知らずにいたらますます悲しい

そうだよね

私が誰かのものになって

この街の歴史に飲み込まれ

雨になって

何度も空に昇って

それでも天気図には描かれないで


あなたのシャツのポケットには

見たことないお菓子が入ってて

誰かの歌が溢れているから


あの入江の名前を教えて

あそこの風は何処ヘ向かうの?

さっき見た魚はなあに?

今夜のおかずにするって言うの?

人に生まれて来なければ良かったと

それでも思いたくはないから

そこで楽しく歌いながら

暮らせる生き物がいい


そして泉を抱いて

ゆっくりと

大切に


沈んでいけるように


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お読みいただきありがとうございます。昨日は思わず冷房つける程の日中の暑さです。お庭の梅が咲き始めました。



読んでいただき、ありがとうございます。 ほとんどの詩の舞台は私が住んでる町、安曇野です。 普段作ってるお菓子と同じく、小さな気持ちを大切にしながら、ちょっとだけ美味しい気持ちになれる、そんな詩が書けたらなと思っています。