見出し画像

オペラ:エッセン・アールトムジークテアター、ベルク作曲《ヴォツェック》新制作初日、25.05.24 Essen Aaltomusiktheater, Wozzeck

5月25日、エッセンのアールトムジークテアターでベルク作曲《ヴォツェック》新制作初日を観ました。

プログラム。

エッセンのオペラのメイン劇場は設計者アルヴァ・アールトに因んでアールトムジークテアターを名付けられています。ただ、アールトは完成前に死去してしまい、実際はアールトの2番目の妻エリッサの手によるものとされています。エリッサも優秀な建築家でした。

この劇場はエッセンの中央駅から徒歩数分、広大な公園の中にあります。隣にはコンサート・ホールのフィルハルモニーもあります。

劇場正面入口に向かって
右側がフィルハルモニー

その立地、建築全体、音響の良さなど、私のお気に入りの劇場です。
そしてここでは指揮者のシュテファン・ショルテスがインテンダントと音楽総監督を務めた90年代終わりから、演出にペーター・コンヴィチュニィ、バリー・コスキー、シュテファン・ヘアハイムを招きました。
厳しいショルテスはオーケストラや歌手からはあまり好かれなかったようですが、その成果は素晴らしかった。
わくわくして通ったあの時代が懐かしい。

入口、入ったところ。
クロークも大きいし、地下のトイレも個室の数が多く、明るい。

写真はアルヴァ・アールト。
右側は階段なのですが、歩行が難しい人のために、カフェテリアに通じる細い通路もあります。
右側の黒いソファ、私のお気に入りの場所です。


全体的に安めですがみんな美味しい。冷たい飲み物は別のバーです。


左下の少年、子供の時から《ヴォツェック》を観るなんて、羨ましい

カーテンコール。

演出チームも出てきました。

《ヴォツェック》は20世紀最高傑作のオペラ作品のひとつ、と思います。
原作はゲオルク・ビューヒナーの戯曲《ヴォイツェック》。実際の事件をもとにしています。
オペラはとにかく音楽がすごいのですが、これまで観た制作では90年代終わり、ペーター・コンヴィチュニィのハンブルクでの演出が素晴らしかった。指揮はインゴ・メッツマッハー、もちろん20世紀音楽指揮の達人です。
「真の貧困は金持ちと権力者の心にある」として、マリーの殺害場面はタキシードの男たちが上手と下手から列をつくって向かい合って前進してすれ違う(あのティンパニの場面)、誰がマリーを殺したのかわからない、そのシーンが衝撃的でした。

今回のエッセンも演出と音楽共に素晴らしいものでした(『音楽の友』誌に寄稿予定です)。

FOTO:(c)Kishi


以下は劇場提供の写真です。Foto: Matthias Jung

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

インスタグラム @chihomi_kishi_kcmc_music

カルチャー・コンサルティングについてのお尋ね、ご連絡は以下までどうぞ。

Kishi Culture & Media Consulting Companie UG
代表:来住 千保美(Chihomi Kishi)

info@kcmc-music.com


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?