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会社の品格の見極め方|女性社長の頭の中

個人事業主でも会社を経営してても、会社員であっても、契約書を見ることってあると思います。
わたしが仕事で見てきた契約書の数は、数えてないけど、数千レベルじゃないかなと。
今日は、契約書見たら、会社の品格がわかっちゃいますよというお話です。

わたしの仕事

唐突ですが、わたしはコンサルティング会社の経営をしています。

何をコンサルしているかと言えば、経営相談だったり、マーケティング相談だったり、商品企画の相談だったり、社員教育の相談だったり、健康相談だったり、いろいろです。

中でも、広告表現確認の依頼はまぁまぁ多いです。
薬機法や景品表示法を意識しつつ、表現のアイデア出しをしたり、その表現のリスクを確認したり。
小難しく言っちゃいましたが、広告には使っていい表現と使っちゃダメな表現あって、使うと行政から指導されたり、やりすぎた時には警察に逮捕されたりしちゃうのです。
だから、表現や言葉遣いが大丈夫か確認する必要があるのです。

言葉を扱う物づくりが好きなので、表現を考えながら、商品設計するのは面白い仕事の1つです。

そんな感じで、経営者の要望に合わせてできることをしています。

中には、自分の話を聞いてくれるだけでいいという経営者さんも。「経営者は孤独だ」のリアルバージョンを垣間見ています。

お金を持つと寄ってくる人を信用できなくなる面は分からなくもないのですが、なんだか悲しいというか、特殊というか。
そういう意味でも、苦しいときに一緒にいてくれる人は、宝物ですね。

話はそれましたが、硬め仕事だと、法務相談もあったりします。
辞めさせたい人がいるという、労務の相談だったり、
新しい事業の法的リスクの確認だったり。
契約書を見たり、作ったりもしています(一応、行政書士でもあるので)。

前置きが長くなりましたが、そんなこんなで、わたしは人の契約書をみることが多いです。(自社の契約書は人に見てもらっていますが。笑)
思うのは、契約書にその会社の品格が出るということ。

以下のような契約書が出てきたら、品がよろしくない傾向が。
特にこの3つ。

その①自社のことしか考えていない契約書

自社の得(損しないこと)しか考えていない会社は、企業理念が大層でも、従業員に浸透してなくて、中身は穴だらけでスカスカ。多分組織状況も悪いんだろうなと推定できます。
とにかく働きにくそう。

例えば、めっちゃ田舎の合意管轄裁判所を絶対に譲らないとか、どうかしてるなと思います。(交渉材料にするならともかく死守しようとするのはなぜ…)
わたしが作るときも合意管轄は会社の所在地にしますけど、交通の弁が悪すぎる田舎は嫌がらせにしか見えない。

他にも、不動産関係だと、保証金を返さないことをしれっと書いていたりする契約書もあって、会社の闇を感じることも。
そういう会社に限って企業理念が三方よし的なものだったりして、言ってることとやってること違うぞ、と思います。

その②日本語が鬱陶しい契約書

日本語が持って回ってややこしい契約書を作る会社は、体裁を大切にするけど、権威など強いものに弱い。(悪い意味で)いい加減な会社が多い傾向。

例えば、
「〜とする」で日本語として完結するものをわざわざ
「〜であるものとする」と書いていたり。5文字無駄。
偉そうに見せたいのかな?

そういう会社は突っ込みを入れていくと、論理破綻を起こします。
自社の契約書みてみてください。鬱陶しい日本語、意外と多いですよ。

その③無効な条項を入れてくる契約書

わざわざ無効な条項が入っているところは、頭が悪いか、マウンティングしてくる傾向。
その条項が無効かどうか(書いていても適用されない)って法律知ってる人でないと気づかなかったりするので、意地悪ですよね。

例えば、「作ってもらった商品の納品後でも自由に返品できる」という条項や、「自分に責任がある場合でも賠償責任は負いません」みたいな条項はあやしいです。

この条項消してくださいと言っても、正しく書き換えてくださいとお願いしても、聞いてくれなかったり。
書いてる意味ないのわかってるのかな。わかってるとしたら脅しのつもりなのかな。
なんだか感じ悪いです。


イケテナイ契約書は要修正

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このようなイケテナイ契約書を出してくる会社には契約書の修正をお願いするのですが、変な返答してくる担当者も多いです。

例えば
●「雛形なので変えられません」
→いやいや、雛形だから変えられるでしょ…

●「顧問弁護士が作ったので変えられません」
→あなたの会社の契約書やから人のせいにしないで。そういうならその弁護士と交渉させておくんなまし…

●「書いてるだけで、この条項を使うことはありません」
→じゃあ消してよ。契約書の意味わかってないのかな?

なんて、突っ込みどころ満載の返答が返ってきます。

フランチャイジーに過酷な契約書持ってくる、有名なフランチャイザーもあって、ここの法務部員センスないなと思ったら、知り合いが所属していたりして、おい!ってなることもあります。

なんて、契約書を見て、その会社のセンスを垣間見ております。

契約のススメ

契約書を紙で作ると印紙代がかかるという、二重課税問題は、大問題だと認識しております。
が、それでも、継続契約や、関係者が多い仕事は契約書を巻くことおすすめします。
従業員を抱えている会社や、契約関係で下請側になる方は特に。

わたしは面倒臭くて契約書にはしないことが多いですが(おい!)、契約内容に関することは、口頭ではなく、メールなどでしっかり確認して、保管しています。
それも合意内容として有効。
それができない方は、書面化しておきましょう。

契約書って大きめの会社がすることのように感じる方が多いですが、特にデザイナーなど、クリエイターさん(業務委託で納品物がある仕事をする人)は発注者にいろいろ確認しておいた方がいいこと多いですよ。既に確認どころを掴んでいるベテランは大丈夫だと思いますが。

あとは、お金のやり取り系。感覚的に、詐欺や背任罪関係で挙げられる会社増えてる気がするので、組織同士のお金回りはクリーンにしておきましょ。いろいろ大人の事情があるのでしょうが。

そもそも契約書とは

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わたしは契約書は、損得関係の明確化が目的ではないと思っています。

契約書とは、「これから一緒にやって行きましょう」という約束です。
書き方は自由。
だから、冷たい契約書もあれば、なぜするのかという理念から書くような熱い契約書もあります。
これから何かを産み出す上で、いろんな困難や成長や成功もあるかと思いますが、その時々でこういう風に対処していきましょうねと約束するのが契約書です。

リスクヘッジはもちろんですが、その事業の道筋を見出すものでもあります。

だから、わたしは当事者双方にとっていい状態でジョインできるような契約書を作るようにしています。
双方に、譲れないところと、譲ってもいいところがあるし、ここは自分の責任と腹を括るところもあるものです。

落とし所を見極めていく。そういう意味では契約書の作成もクリエイティブな仕事です。そして、あらゆる局面を想像する力と論理力が問われる骨の折れる仕事でもあります。

なので、専門家に作って欲しい人はわたし以外にご用命ください。笑

今日は思うことあって書いてみましたが、次からはまたどうでもいいこと書いていきたいと思います。

ではまた。

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