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8デイズ

8 Tage/8 Days(ドイツ/2018)
監督 Stefan Ruzowitzky

「君の名は。」から二年後に制作されたドイツのドラマです。
隕石や彗星の衝突というと、多くの作品が地球滅亡を描いてきた中で、「君の名は。」の、地球全域ではなく、ある地域だけが被害に遭う、という視点は斬新で衝撃でした。

このドラマでも、隕石で消滅するのは特定の地域に限定されています。
消滅する地域の人々は当然国外脱出を試み、難民が大量に発生し、空港や国境は大混乱になります。

たった一週間の間に、隣国を難民野郎と罵り、足元を見た悪質なブローカーが蔓延り、限られた人数しか入れないシェルターの争奪戦が起こり、政府の汚職まで明らかになってしまいます。

平時には理性的で尊敬されていた人物も、危機に直面したとき、予想もしない行動に走ります。

人生の終わりが見えた瞬間、隠されてきたものが明らかになり、こうに違いないと思われてきたものが、全く別の顔を見せていく――

一話、一話、息もつかせぬ緊迫感が続き、先の読めないノンストップ展開、うっかり夜に視聴をはじめたら徹夜ドラマになってしまう作品です。

かつては地上で栄華を誇っていた恐竜の変わり果てた姿が印象的です。

人類史上、経験の無い危機では、対策は机上の理論頼みになります。
衝突予想地域もあくまで予想でしかなく、実際にその瞬間が訪れるまでは結末は誰にもわかりません。

シェルターも本当に安全なのか、内部の電源や酸素はもつのか、たとえ生き延びたとしても、避難期間がいつまで続くのかは誰にもわからない――

市民よりも戦車や武器を優先し、軍人以外はただの労働力と見なすシェルター内部の様子がちらりと描かれ、暗い未来図を予想させています。

もしも、あと数日で今生きている場所が消え去るとしたら、どうしますか?

そんな重い問いかけを投げかけて、物語は終わります。

ドイツのドラマは、これでもか、と本当に容赦のない描写が続きますが、そこがまた非常に魅力的でもあります🙂
バビロン・ベルリン」もオススメです!!

さて、実際に起こる可能性のある、隕石や彗星、小惑星の衝突。
そうした危機を想定しての実験が行われています。
実験風景はまるで映画さながらですね。


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