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Novel~小説の部屋~

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Search Ⅱ ボイスノベル

私たちは探している、探している―― 人間を探して移動を続ける二体のAIは、ネットワーク上でひとりの人間を見つけた―― AIはシンギュラリティーを超えて人間を超越した存在になれるのか否か。 その問いへのひとつの仮説と回答の物語。 Novel Chihiro BGM「閉ざした心」 作(編)曲 : KK VOICEVOX:冥鳴ひまり VOICEVOX:満別花丸 AIが人間に取って代わるのか、と何かと話題ですが、 「そうはならない」と思います。 AIに任せて良い作業

Search ボイスノベル

私たちは探している、探している―― AIはシンギュラリティーを超えて人間を超越した存在になれるのか否か。 その問いへのひとつの仮説と回答の物語。 Novel Chihiro BGM「閉ざした心」 作(編)曲 : KK VOICEVOX:冥鳴ひまり VOICEVOX:満別花丸 個人的には千年後もAIは人間を超えることはできないと思っています。 人間を超えるには「心」を獲得しなければなりませんが、プログラムには無理だろうなぁと思うからです🙄 でも奇想天外なAI像を考え

夜明け前の寓話 PV

ただいま、KindleUnlimitedキャンペーン中です

夜の終着駅 PV

目覚めてみると、そこは見知らぬ駅だった―― ただいま、KindleUnlimitedキャンペーン中です

夜の終着駅 Kindle版

電子書籍発売中です。 いつもの駅。通い慣れた帰り道。ありふれた一日で終わるはずだった――。 いつのまにか寝過ごしてしまい、目覚めて降り立ったのは、見知らぬ駅だった。 つながらないスマホ。止まった時計。闇と霧がひたひたと忍び寄る。 なぜこの街には誰ひとりいないのだろう――。 ※一部事故描写があります。フラッシュバック等のおそれのある方はご注意下さい。

夜明け前の寓話 Kindle版

電子書籍発売中です。 燃え盛る炎に立ち向かう小さな小鳥とあきらめうなだれた動物達。海原に響くクジラ達の歌声。いとしい恋人を食べてしまった若者が選んだ道とは。奇跡を呼ぶという不思議な異国の祈祷師。彼は本当に雨を降らせる事ができるのか。いばらに覆われた城と姫を守る番人。何度も生まれ何度も死にながら、そんな僕が生まれてきた理由とは――。 【収録】 「燃え上がる森と小鳥とクジラ」「銀色の実」「異国の祈祷師」「いばら姫の番人」「僕が生まれてきた理由(わけ)」 ※一部、note記事と

第14話 未来の記憶

※以下のストーリーは、大地丙太郎監督オリジナルアニメ「今、そこにいる僕」の二次創作作品となります。 第14話 未来の記憶 バウンドシステムの時空跳躍は、一瞬だった。 眼の前のサラたちの姿がかき消えて、しゃぼん玉の表面のような虹色が、視界を奪う。 浮遊感に包まれ、肌を刺す細かな刺激に、全身の毛が逆立った。 静電気がパチパチとはじける、あの感じに似ていた。 まばたきすると、すでに、俺は、見慣れた場所に立っていた。 なつかしい、俺の生まれた街。 もう二度と、帰れないんじゃない

燃え上がる森と小鳥とクジラ

大海原を泳いでゆくクジラの群れの上を、渡り鳥が飛んでゆきます。 渡り鳥の一羽が、一番大きなクジラの背中に舞い降りました。 おはよう、渡り鳥さん。 おはよう、クジラさん。 今年も会えて嬉しいね。 嬉しいね。 今年はどんな話を聞かせてくれるの? 毎年、この渡り鳥はクジラの背で一休みしながら、旅の途中の出来事を、クジラに話してくれるのでした。 クジラはそれをとても楽しみにしていました。

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異国の祈祷師

長老は、今か今かと、息子の帰りを待っていました。 長い間、雨が降らず、乾ききった村を救うために、息子は名高い祈祷師を呼びに出かけていたのでした。 川も井戸も、すっかり枯れ果てて、弱った牛たちが力尽き、どう、と砂煙の中に倒れる様子も、すでに見慣れた光景となっていました。 こんなに雨が降らなかったことは、長老の知る限り、一度もありませんでした。 ただでさえ、国のあちこちで戦が起こり、村人たちはいつも不安な気持ちを抱えていました。 このまま雨が降らなければおしまいだ――。誰の胸

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【100文字ドラマ】プロポーズ

僕らはレンタル家族。冠婚葬祭、誕生日、運動会、その他どんなイベントでも対応できるプロフェッショナル集団だ。妻役の女優の卵の彼女に恋をした僕は、子役や母親役の応援を受けて彼女にプロポーズしようとするが……

傘女

彼女はある意味、名物的存在なので、心当たりの方もいるだろう。 彼女はいつも、終着駅の二つ手前で電車に乗り込んでくる。 A4サイズの書類バッグを肩にかけ、雨の日はもちろん、晴れた日でも両手いっぱいに傘を抱えていた。 紳士傘、透明なビニール傘、婦人物の淡い色の傘、鮮やかな黄色の傘、花柄の傘。 傘はそれぞればらばらで、統一感が無い。 彼女を見慣れている乗客達は、彼女が乗り込んで来ると、無理やり体をよじり、ひねり、できるだけ彼女から距離をとろうとする。 彼女のかさばる傘は、混み合

カタカタと、彼女の右腕が鳴った

ここを通る人は、一度は彼女を見た事があるだろう。 地下鉄の改札の横の自動販売機のそばに、朝も夜も、彼女はいつも寝そべっている。 いろんな色の服を重ねて着こんでいたが、どういうわけか、色が混ざって彼女は灰色の塊に見えた。 ぽっかりと空っぽな瞳が見開かれている時も、改札に吸い込まれ、吐き出される群衆を、見ているようで見ていない。 数メートル離れていても、彼女から漂う匂いは鼻を刺激した。 改札を通る時、視界の片隅に、彼女が映った。 けれども、自動販売機や、ATMマシン、鏡のついた

チェーンの切断された部屋

広々としたファミリータイプの部屋だ。都心、駅前、RC構造、三階角部屋、管理費込みで五万円。敷金礼金更新料ゼロ。 そう、事故物件である。 好条件につられて何人かが居住したが、数か月で退去して行ったらしい。 事件後に入居者がいたので告知義務はないのに、不動産屋はこの部屋がいわくつきだと教えてくれた。 内見すると、成程、まず、あるべき場所にチェーンが無い。内側からかけられたチェーンを切断して室内に入らなければならない状況だったのだろう。 室内は完璧にリフォームされて、壁も

復活のゾンビ

ゾンビは、思えば、物心ついたときにはすでにゾンビでした。 空気を読み、相手の顔色を伺い、全てに優先されるのは、 「郷に入っては郷に従え」というルール。 そう、人生がはじまった瞬間に、ゾンビはすでに呪いにかけられていたのです。 一番古い記憶は、歩道橋の上。 ここから落ちたら、あなたの体なんてすぐにぺしゃんこになるんだよ。 そう、ささやく声と、耳にあたる、生あたたかな息。 生みたくなんてなかったのに、間違って生まれてきたんだよ。 だから、早くいなくなってしまうのが、一番の親孝行