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【18/11/23 SatLお茶会感想】性を語ること、許されること。

 こんにちは、SEX and the LIVE!!スタッフのちひろです。

 11/23(金)、SatL隔月イベントのお茶会が開催されました。遅くなりましたが、感想をシェアさせていただきます!

 テーマなし、仕切りなし、結論なしの完全フリートークなこのイベント。
 スタッフそでぃの淹れる美味しいコーヒーや紅茶を手に、「朝(10:00~12:00)なのに飲み会みたいな雰囲気(アクティビスト談)」で進行されました。
 性のことをはじめ、恋愛のこと、ライフスタイルや趣味のこと。パートナーシップを含めた人間関係のことや、これからやりたい目標のこと。会場では参加者同士、自由(すぎる…)なトークが交わされました。どの参加者の語りも笑えて含蓄深く魅力的で、耳が足りない!ってなるのがいつものパターン。
 
 今回は何故か、BLをはじめとするおたくな文化に通じた参加者が多く、熱いトークになりました(思春期以来のBL女子な私も前のめりで参加)。
・いわゆる「推し」と、演じさせたい「攻め/受け」の役割の関係性 
・「夢女子」と「腐女子」の性の捉え方の違い 
・「寝取られ」ものの主観ごとの妙味 
・読者/視聴者自身の性的発達段階やセクシャリティとの関連
などなど。纏まりのつかない混沌を混沌のままに、話題は尽きませんでした。

 BLを含むコミケ的なカルチャー、或いはアダルトコンテンツ等もそうだけれど、個々人がじぶんのためだけの「萌え」のスイートスポットを追求し、消費することというのは、通常であれば極めて私的な遊びです。鍵を掛けた自室で自分だけのセックスドリームと遊ぶ、極内向的な営み。それがおたく活動などと呼ばれるものの本懐だと思っています。
 だからこそ、時にこうしたところで他人の「萌え」のかたちを知り合うことができることは本当に愉しいことだと思います。自分も他人も、それぞれがそれぞれに歪んでいて奇妙で、それゆえに唯一です。ひとと自分はこんなにも違う、それだから、意見を交えることはおもしろい。無理にすり合わせなくてもいい、白黒をつけたり結論を見つけなくてもいい、違いは違いのままでその場に投げ出されているのでいい。そんな安らかさがSatLの語り場にはあります。

 SatLフリートークの話題は、時に性のことにとどまりません。性を語ることを切り口として、一人ひとりが感じている生きづらさを語ることにたどりつく、ことが多い感じがします。ことほどさように、性を語ることは自分自身の「生」そのものを語ること、なのでしょう。
 それを可能にする空間があるのがSatLの魅力です。
 SatLの語り場にはルールがあります。人の話を否定せず、最後まで聞くこと。プライベートの開示を強要しないこと。会の内外でアウティングをしないこと。そして、会の中で性的接触をしないこと(笑。でも、大事)。日常生活ではもしかすれば担保されないかもしれない、こんなルールがあってこそ、自分の性と生のことを言葉で表現し、ありのままで許しあえる空間ができる。この雰囲気は、SatLの全ての催しに共通しており、その場の人をやさしく受容する「ケア」の力を持っていることを実感しています。

 性を語ること、自分を語ることは、時として痛みを伴うことです。安心して語りはじめるために、人はまず守られなければならない。そのことが前提として共有されている空間だからこそ、どんな自分も否定されない(語らない、という選択肢も含めて)というケアを求める人を集めるSatLなのだと、今回も改めて感じました。

 自分を語り、人を知る。SatLのそんな取り組みを通じ、自分自身がケアされ、そして人をケアできる、私もこれからそんな存在になっていきたいと思います。

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