ナウシカはアドラー心理学の実践者であるという考察
昨日、TOHOシネマズで上映されている「風の谷のナウシカ」の映画を観てきました。
ナウシカといえば、以前原作の漫画を読んだ際に、コロナとの共通点を分析した記事を投稿しました。
映画は、ボリュームでいうと原作の1/4くらいの内容なのですが、音と映像でも観てみたいなあと感じて、映画館に足を運ぶことにしました。
今回映画を見て感じたのが、「ナウシカはアドラー心理学の実践者である」ということです。
アドラー心理学を解説した「嫌われる勇気」で出てくるワードから、ナウシカの行動を分析してみます。
支障ない範囲だと思いますが、微妙にネタバレがあるので、絶対にネタバレしたくない人はお気をつけください。
また、ネタバレしても良い方は、前回の記事を読んである程度ストーリーを理解していただけると読みやすくなるかと思います。
「人々はわたしの仲間なのだ」
まずはアドラー心理学で出てくるこの言葉「人々はわたしの仲間である」というところから。
アドラー心理学における4つの人生目標のうちの1つですね。
これは、映画でも漫画でも、ナウシカの一貫した行動指針になっていると思います。
ナウシカの物語は戦争がベースにあるので、殺し合いのシーンがたくさん出てくるのですが、ナウシカは一番最初の乱闘シーン以降は、誰一人殺していないのです。
むしろ、立場上は敵であるはずの人たちを次々と救っています。
これは、立場など関係なく「人々は皆わたしの仲間だ」と思っているからではないでしょうか。
風の谷のナウシカの時代は、混乱状態にあるという設定なので、ほとんどの人は終始ピリピリしています。
しかし、ナウシカだけはいつも穏やかで、寛容。
リーダーの女性(トルメキア王妃のクシャナ)に対して「あなたは何に怯えているの?」と問いかけるシーンにはグッと来ました。
また、その態度は人だけに止まりません。
人々が敵だと認識している、腐海や腐海を守る蟲(むし)に対しても同様の態度なのです。
他の人は、腐海を焼き払ったり、蟲を殺したりしようとしますが、ナウシカは腐海や蟲に、歩み寄ります。
アドラー心理学では、われわれは「同じではないけれど対等」という言葉が出てきますが、まさにその態度です。
ナウシカにとって、敵国であるか味方国であるか、上司なのか部下なのかというのは一切関係なく、とにかく目の前の人を救うことに一生懸命になっている姿がみて取れると思います。
ナウシカは、風の谷の族長の娘なので、風の谷ではかなり偉い立場にあるのですが、住民に対する態度は全員に対して友人のように接しています。
だからこそ、人々からの信頼が厚く、「この人に着いていきたい」と思われているのだと思います。
「あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく」
この言葉は、アドラー心理学が説く「共同体感覚」について「偽善ではないか?」とアドラー本人に質問した人に対してアドラーが送った言葉です。
アドラー心理学では、「信頼とは無条件に信じることである」と言っています。
無条件に信じるということは、当然裏切られることもあります。
しかし、信頼は無条件に信じることからしか生まれません。
とすると、誰かが勇気を持って無条件に信じることを始めなければならないのです。
ナウシカは、この「誰かが始めなければならない」の「誰か」にいつもなっているなと感じます。
ナウシカの相棒のキツネリス「テト」との出会いのシーンが象徴的です。
テトは最初はこわがって、ナウシカの指にかじりついて怪我をさせてしまいます。
そこで普通は、指を引っ込めたり逆に反撃してしまうものだと思いますが、ナウシカはそのまま指をテトに預けて「怖くないよ」と唱え続けます。
すると、テトの怯えがなくなって、テトはナウシカの指を舐めます。
これは、まさに相手が協力的でない(むしろ敵意を向けている)という状況にあっても、無条件に相手を信頼するからこそなし得ることです。
先ほどの「人々はわたしの仲間なのだ」という価値観がベースにあれば、無条件に相手を信頼をすることができるようにになります。
ナウシカのような女性になりたいと感じた
映画を観て、改めてナウシカのような女性には憧れるなあと感じました。
おそらく、かなり徳を積まないとああいう風にはなれないと思いますが、一つの目指す姿として認識しておこうと思います。
私の下の名前ですが、「千裕」と書いて、「ちひろ」と読みます。
この漢字の持つ意味は「千(たくさんの)」「裕(ゆとり)」って意味なんですよね。
つまり、心が広くて何にでも寛容な姿です。
この名前とナウシカの姿がぴったりハマりました。
アドラー心理学を身に付けたいという人は、ナウシカの映画を観て、ナウシカの振る舞い方を観察するだけで、勉強になると思いますよ。
続きは、ぜひ映画館へ!
漫画版のナウシカもおすすめです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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