「10倍売る人の文章術」を読んで8億売れたLPのセールスライティングを分析してみた
先日、お世話になってるデザインスクール「ぬるま湯デザイン塾」代表の尾上さんからこんなアドバイスをいただきました。
webデザインやるならセールライティング学んだ方がいいよ
そして1冊の本をおすすめされたので、こちらを読んだうえで、尾上さんが作ったイチオシのランディングページ（LP）がなぜ売れるのか、分析をしてみました！
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読んだ本の紹介
読んだ本は、シュガーマンという方が書いた「10倍売る人の文章術」という本です。
シュガーマンの本の中でも入門としておすすめだそうです。
分析したLPの紹介
ゴルフ教材DVDを売るためのランディングページです。
かなり昔に作られたものなので、デザインは古風なのですが、このLPだけでなんと累計8億以上売ってるそうです・・・！
こういうの見ると、デザインがきれいだから売上があがるというわけではないということに気付かされますよね。
広告の要素の目的はコピーを読ませること
シュガーマンの本でとくに重要なセールスライティングの考え方が「広告の全ての要素の目的はコピーを読ませることである」という点だと思います。
どういうことかを説明するために、まずは広告の要素をまとめます。
＜広告の要素＞
・キャッチコピー
・リード
・写真、図版
・キャプション
・コピー
・小見出し
・ロゴ
・価格
・注文方法
・全体レイアウト
コピーというのは、商品やサービスの販売メッセージを書くところで、チラシなどをイメージしていただくと「本文」にあたるようなところです。
コピー以外にも、キャッチコピーや画像など色々な広告の要素がありますが、それらはすべてコピーを読ませるために存在するということです。
ここで、ゴルフLPのファーストビューを見てみましょう。
LPにおいてファーストビューはめっちゃ大事です。ここで「なんか違うな」と思われたら一瞬で終わります。
さらに言うと、ファーストビューの中にあるコピーを読んでもらうことが大事です。シュガーマンの本では、そのことを機関車に喩えていました。
機関車にたとえてみましょう。発車する際の機関車はフル稼働です。車体を動かすのに必要なエネルギーや集中力は半端ではありません。しかしいったん動き出すと、徐々に進行はラクになります。コピーの場合も同じです。
引用：p51
ゴルフLPファーストビューの広告要素を整理してみます。
キャッチコピー：5ラウンド以内に80-90台にならなかったら全額返金します。
リード：たった3年間で189人の教え子をシングルに導いたカリスマ小原大二郎プロの7日間シングルプログラム 待望のver.3.0
写真・図版：ゴルフスイングの写真
コピー：このサイトと出会ったあなたは、今日からゴルフスイングの悩みに関する考え方が変わることでしょう。
ファーストビューに存在する広告要素としてはこんな感じですね。
このキャッチコピーやリードや写真はすべて「このサイトと出会ったあなたは、今日からゴルフスイングの悩みに関する考え方が変わることでしょう。」というコピーを読ませるために存在すると考えてください。
さらに、コピーの第一センテンスは第二センテンスを読ませるために存在します。なので、この第一センテンス「このサイトと出会ったあなたは、今日からゴルフスイングの悩みに関する考え方が変わることでしょう。」というコピーは、次の「なぜなら、ゴルフ上達に関する多くの常識が間違いであることに気づくからです。」を読ませるために存在するということです。
このようにコピーというのはどんどん繋がっていって、最終的には文章を最後まで読ませることが目的となります。
そう考えると、それぞれの広告要素にはしっかり意味があって無駄なものはないのだと考えることができますね。
シュガーマンはこのことを「滑り台効果」と読んでいます。
滑り台効果の検証
では、このLPで滑り台効果がどのように使われているかを検証するために、LP全体の構成を見ていきたいと思います。
1 キャッチコピー、興味喚起
2 体験者のストーリー
3 講師のストーリー
4 なぜ上達しないのか
5 このプログラムで上達する秘密
6 読者の疑問と解決
7 プログラム内容
8 購入者特典
9 このプログラムで得られること
10 価格
11 アフターサービス（保証）
12 キャンペーン
13 購入ボタン
14 推薦者の声
こういうふうに並べてみると、上から下まで論理的にきれいに購入までの流れが引かれているのがわかります。
シュガーマンは、最後までコピーを読ませるには「好奇心の種」が有効であると述べています。
パラグラフの最後に、次のパラグラフを読む気にさせる短いセンテンスを挿入するのです。
引用：p66
ゴルフLPで使われているセンテンスとしては以下のようなものがありました。
・では、まずは上達したゴルファーの声をご覧ください。
・その具体的な内容を今からお話しましょう。
・さらに！それだけではありません！！
こういう文言があるだけで、流れるように読み進めることができますね。
好奇心の種にはまた、もうひとつのやり方があります。広告の最初に使って、いずれ説明するベネフィットや利点を言及するというものです。
引用：p67
これも、ゴルフLPで使われていました。
ファーストビューにある「5ラウンド以内に80-90台にならなかったら全額返金します。」の返金についてはLPのかなり最後の方まで読まないと内容がわかりません。
また、体験者のストーリーにある「ビジネスゾーン」についてもおそらく一般的には知られていない用語だと思うのですが、後半のほうになって説明が出てきます。
読者は「本当に返金されるのかな？」「ビジネスゾーンってなんだろう？」という疑問（好奇心）を抱きながら、答えを探すようにLPを読み進めていくことが考えられます。
最後に、購入ボタンの位置にも注目してみましょう。
申込や購入を目的とするページは途中途中に購入ボタンを設置しているのをよく見るのですが、このゴルフLPは後半の方まで申込ボタンが出てこないです。このことから、コピーを最後まで読んだうえで購入してもらうことを目的としているということがわかります。
以上が、本の第一部で書かれていた内容で重要だと感じた点です。
第二部では、セールスライティングで成果を出すためのテクニックが紹介されています。
「反応に差が出る22のポイント」と「役に立つ22の心理的トリガー」ということで、全部で44個のテクニックが紹介されています。それぞれLPで使われている箇所を探してみました。
反応に差が出る22のポイント
2 第一センテンスを読みたいと思わせる
第一センテンスと読みたいと思わせるには、ファーストビューで目に付く「キャッチコピー」と「リード」の内容が重要です。
このLPのキャッチコピーとリード文は数字が使われていて具体的です。私はゴルフをやってないのですが「スコア100切れなくて悩んでいる」というゴルファーには間違いなく刺さりそうなキャッチコピーとリードだと思います。
3 第二センテンスで読み続けたいと思わせる
第二センテンスは「なぜなら、ゴルフ上達に関する多くの常識が間違いであることに気づくからです。」となっています。ちょっと含みのある文章で、ゴルフの常識の間違いってなんだろう？と興味を湧かせるものになっていますね。
4 小見出しの工夫
ゴルフLPの小見出しは、全体的に「その段落を読むと何がわかるのか」が簡潔にまとまっていて、結論は書かれていないということがポイントだと思います。
5 複雑な商品はシンプルに説明する
このゴルフプログラムは解決策がとてもシンプルだと感じました。
「なぜ、短期間で上達するのか？それには秘密があります。」の段落で、インパクト前後のゾーン（ビジネスゾーン）を極めることが99%と説明されており、そこさえマスターできれば上達するんだ、ということがわかります。
6 新しい特徴を強調する
特に「もう、無駄な時間も出費もやめてください。」の段落で、このプログラムが常識を覆すものであること、またそれ以前の段落で常識とは何かについても説明されているので、プログラム内容が他とは一線を画す新しいものであることが強調されています。
7 技術説明で広告を強化する
セールスライティングの手法であえて専門家が使う難しい説明を加えることで、売り手が専門家であることを暗に伝え信頼を高めるという方法があります。
ゴルフLPでは、「プログラム内容」の段落で専門用語がたくさん使われており、ちゃんと詳しい人が教えてくれる感が出てるなと思いました。
8 異論に先回りする
文章を読む中で読者が感じるであろう疑問を適切なタイミングで提示するという手法です。
上達の秘密を説明したあとの
「こんな簡単な方法で効果があるの…？」
「飛距離は伸びるの？」
「私の場合にも合うの…？」
という、不安も感じることでしょう。
の部分が当てはまると思います。
9 異論を解決する
提示した異論の解決は、「プログラム内容」の段落で語られているかなと思います。プログラム内容はかなり具体的に書かれているので、この内容ならちゃんと結果が出そうと思わせてくれます。
11 シンプル、かつ明確にする
5番とちょっと被ってますが、こちらはコピーの明確さについてです。
このゴルフプログラムは「5ラウンド以内に100切り」という明確でわかりやすいゴールがあるのがポイントかなと思います。
14 アフターサービスを伝える
ゴルフLPにおけるアフターサービスは、返金保証が当てはまります。2種類の返金保証があり、これがあればどう考えても損はしないだろうという内容になっています。
16 試用期間
このゴルフプログラムの試用期間は1年間と非常に長くなっています。1年後に、プログラム内容を試した上でスコアが伸びていない証拠を送れば全額返金されます。
使用期間は短くても一ヶ月。二ヶ月あればなおよいでしょう。試用期間が長ければ長いほど返品の可能性は減り、消費者の信頼は増すことが実証されています。
引用：p132
試用期間を長く取ることはリスクのように見えて、意外とその方がいいのかもしれないですね。
17 信頼できる人に推薦してもらう
信頼できる人というと有名人や権威のある人をイメージするかもしれませんが、このゴルフプログラムを推薦しているのは実際の購入者たちです。しかも匿名ではなく、苗字、住まい、顔写真などを公開しているので、かなり信頼できると言えそうです。
18 価格をどう見せるか
商品やサービスをお買い得価格で売っているなら大きく表示します。（中略）商品が高価で、そうは売れそうにない価格なら、控えめに提示したほうがよいでしょう。隠すのではなくただ控えめにしておくのです。
引用：p136
ゴルフLPを読むと価格は後ろの方に書いてあり、他のサービスと比較してみたり、高額になった理由を書いてみたりと、価格を提示する前にかなり慎重に言葉を選んでいる印象です。おそらくこのゴルフDVDは、通常のDVDと比べて価格面では高い方だからでしょう。
また、シュガーマンの解説では、価格表示はクーポンとセットが理想的とあり、ゴルフLPでも半額キャンペーンとセットで訴求されています。
19 オファーの要点をまとめる
LPで色々語ってきた中で購入前に今一度なにが手に入るのかを確認したいというのはみんなが思うことでしょう。
ゴルフLPでは、オファー内容が画像でまとまっています。
22 注文の念押しをする
セールストークが一通り終わったら最後に注文を促しましょう。
ゴルフLPでは、人数制限とカウントダウンがそれに当たると思います。
役に立つ22の心理トリガー
1 インボルブメント（感情移入）させる
感情移入とは、読者に自分が当事者であることを感じさせることです。そうするにはすでに購入した体で語るのが効果的。
LPの中だとたとえば以下のような文言が当てはまります。
もし、あなたが今も上達できずに苦労しているのなら、私のプログラムを今すぐ試してみて下さい。
この上達の秘密さえ知ってしまえば、「スイングは安定してスコアアップする」という事実に気がつくことでしょう。
2 正直さ／誠実さを打ち出す
44のテクニックの中で1番重要なのが「正直さ」です。消費者は賢明なので、不誠実に騙そうなどと考えたコピーはすぐに見破られてしまうというのです。誠実さというのは、たとえば商品の欠点をみずから指摘するといったことです。
ゴルフLPでは、以下の文言が「正直、誠実だ」と感じました。
この理想的なプログラムが誕生するまでに、私は、途方もない時間とお金を費やしてきました。
その総制作費用、総制作時間を考えるとどうしても高額になってしまいます。
しかし、私がこのプログラムを公開することに決めたのは、今の業界を変えるため、全く新しい上達方法があることを世に広めるためです。
また、「それ言っちゃっていいの？！」みたいなのも誠実さにつながると思います。たとえば、「あなたが上達しない理由」の中で書かれている
広告スペースを販売して利益を上げることを目的としている以上、様々な切り口が必要となるためです。つまり目的があなたの上達より広告主、発行部数が第一なのは仕方のないことなのです。
とかは、それに該当するかなと思います。
これは個人的な意見ですが、こういう世の中の裏側を正直に教えてくれる人は信頼できるなと感じます。
3 信用を高める
先ほどの「信頼できる人に推薦してもらう」と被りますが、実際の利用者の推薦の声がたくさんある点が、このLPの信用を高めていると思います。
6 欲を刺激する
「今からあなたはゴルフ上達の秘密をしることになります。」のパートにある
なぜ、あなたは上手くなりたいのでしょうか…？
・目標を達成したい
・ライバルに勝ちたい
・周りを驚かせたい
などなど、目的は様々でしょう。
ここは承認欲求を刺激しているなと感じました。
7 権威づけをすると安心する
権威づけとは「世の中的に認められている」と証明することです。
LPの冒頭で、レッスン講師の小原プロが、80以上のものゴルフDVD教材の中で支持率No.1（infotop調べ）を獲得している点、雑誌などにも掲載されている点が権威づけに当たると思います。
8 相手に「満足」を確信させる
これはオファーを読んだ読者に「この会社は自社の商品に自信があるに違いない」と思わせることです。
ゴルフプログラムでは、5ラウンド以内に100を切れなかったら全額返ってくるという点や購入者にさまざまな豪華特典を付与している点が当てはまるでしょう。
11 所属の欲求にうったえる
人間には所属したいという根源的な欲求があります。ブランドものを買う人はそれが欲しいという欲以外に、そのブランドを持っている人たちの仲間入りをしたいという動機があるのです。
ゴルフプログラムでいうと、特典⑥の「小原大二郎プロ主催：特別限定ゴルフセミナー他、優待参加権」が当てはまるかなと思いました。
DVDを購入することで、小原プロに近づけるかもしれないという期待です。
14 切迫感をもたらす
時間が経てば経つほど販売メッセージは忘れ去られ、インパクトも薄まっていくので、見たそのときに購入してもらうことが重要です。そのために、今買うべき理由を提示します。
ゴルフLPでいうと、人数限定とカウントダウンタイマーが切迫感をもたらしていますね。
16 希少価値／独自性をアピールする
基本的な考え方は、ある特定の商品を買えば特別の存在になれると見込み客に感じさせること。つまり、その限られた商品を所有していることを羨まれる数少ない人々の一員になれるというわけです。
この考え方に基づくと、ゴルフプログラムは常識から外れており普通のゴルファーは知らない練習方法を知ることができるという点にあると思います。
また、小原プロ自身の希少性も以下のように説明されています。
なぜなら、私は他のプロと違い、18歳からゴルフをはじめ、あなたと同じ練習場で育った変わり種のプロだからです。
19 罪悪感を与える
罪悪感を与えるというのは、見込み客に「もらっちゃったから悪いな」という気持ちにさせることです。スーパーの試食なんかはそれに当たりますね。ゴルフLPの場合は、読み進めていくと、ゴルフが上達しない理由や上達するための秘密を知ってしまったという点に罪悪感を抱く人もいるかもしれません。
20 具体性を持たせる
数字で示すことで説明に具体性をもたせることができます。LPでは随所に数字が使われています。
・たった3年間で189人の教え子をシングルに導いたカリスマ
・140y現時点で飛ばせれば100は誰でも切れる⁈
ゴルフをやったことない人にとってはピンと来ないかもしれませんが、ゴルフ経験者なら具体的にイメージしやすくなるのでしょう。
21 親しみを感じさせる
広告文に親しみを感じさせるには、既視感であったり、言葉選びが重要です。
ゴルフLPでは、自分と同じような立場にある一般ゴルファーの顔写真がたくさん並んでいる点、ところどころ語りかけるような優しい口調が親しみやすさのポイントになっていそうです。
22 希望は大きな動機付けになる
「この商品を買うとこうなれるかも！」という希望を見せることが購入の後押しになります。
以下のコピーはそれを直接的に行なっていますね。
もし、あなたがこのプログラムを知ってしまうと・・・・
・ベストスコアを短期間で更新できる
・絶対的なビジネスゾーンを手に入れ、ボールが曲がらなくなる
・シャンク、ダブり、トップなどミスが驚くようになくなる
・ドライバーが安定する
・飛距離が数十ヤードアップする
・18番ホールのバターは自己新を決める緊張感！
・自分のゴルフに自信が持てる
・ゴルフが最高に楽しくなる！
以上が、セールスライティング44のテクニックです。44個全部は見つけ切れませんでしたが、かなりたくさんのテクニックがこのLPにも使われていることがわかりました。
「予防と解決策の秘密」と「ストーリーの秘密」
本の第二部では、あと2つセールスライティングで成果をもたらすうえで重要な考え方が述べられています。それが「予防と解決策の秘密」と「ストーリーの秘密」です。
「予防と解決策の秘密」を簡単に説明すると、問題が起きる前の予防をするための商品よりも、問題が起きた後に解決するための商品の方が売れやすいという話です。
後者の方が、見込み客がすでに問題を認識していて悩みが深いからだと思います。
ゴルフプログラムは、ゴルフの上達に行き詰まった人に対して解決策を販売しているので、あきらかに解決策の商品ですね。
ある商品のマーケティングを成功させるカギは、その商品の本質、市場の見方にあります。基本方針は明快です。すなわち、つねに解決策を売る、予防策を売らないということ。
引用：p211
「ストーリーの秘密」は、人はストーリーが好きなので宣伝文章もストーリー仕立てにしましょうという内容です。
ゴルフLPでは、序盤の小原プロの自己紹介の部分がストーリーになっていると感じました。
実は、私も100切りに苦しんだ1人です。プロになる為に2ヶ月で達成する必要がありました…
プロになる前の、駆け出しの頃です。
スコアが伸びないばかりか、練習すればするほどボールが曲がっていく感覚に、焦りといらだち、そしていっこうに上手くならない自分の才能に、激しい不安を感じていました。
これを読んでいくと、どうやって今のようなプロになったんだろう？とどんどん興味がひかれていきますよね。
以上が第二部の内容でした！
本の第三部は、実際の広告文を検証するようなものなので、このnoteで行なったことと一緒です。
実際に本を読んで、応用することでより頭の中に強くインプットされる感じがありました。
今後も、自分の中で身につけたいことについては応用方法をアウトプットしていくようにしたいです！
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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