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【中間報告書】「ギフトの見える化」をしたら、世界の見え方はどう変わるのか? #私の働き方実験(2024年度) #タダの箱庭

この記事は、ランサーズ主催の「新しい働き方LAB」の取り組みについての中間報告となります。

▼計画書はこちら

今、私が取り組んでいる「ギフトの見える化」実験についての中間報告をさせていただきます!


◆実験の目的と背景

私は、去年まで原付バイク「スーパーカブ」で日本一周の旅をしており、その旅の出発前と出発後にさまざまな人からさまざまな形で見返りを求めないプレゼント(ギフト)をいただきました。

旅する中で、きた旅人を無条件に受け入れておもてなしをしている方に、その理由をきくと「昔、自分が旅をしていた時に、いろいろな人にお世話になったから」と答える人が何人かいらっしゃいました。

自分の利益のためではなく、過去に受けた恩恵を次に贈るという考え方です。「恩送り」「ペイフォワード」と言ったりします。

私は、この考え方が好きで、実際に自分が旅中にギフトされた経験から、今度は自分が積極的にギフトする側に回りたいと考えています。そして、タダの箱庭でいう「社会規範的な世界」に生きる割合を増やしていきたいです。

それを実現するために「ギフトの見える化」という方法を思いつきました。

普段、私たちは、無意識のうちに、誰かからギフトをもらったり、ギフトしたりして生きていると思います。その目に見えないものをあえて見える形に記録をしてみます。記録を通して、ギフトしようと意識したり、さりげないギフトに気がつけるようになったり、さまざまなギフトの事例をストックして分析したりまとめたりすることで、世界の見え方がどう変わるのか?を実験したいと思います。

◆検証したいこと

2024年7月〜2024年10月の4ヶ月間、自分の身の回りで起きた「ギフト」を記録します。

ギフトの定義:見返りを求めないプレゼントや奉仕行動

見返りとは、金銭的なもの以外も含みます。金銭的な見返りがなかったとしても、それ以外のメリットを求める場合はギフトではなくなります。

ボランティアをすることで人からよく思われたい、褒められたい、誰かに貢献することで自分が満足したい、という目的が透けて見える行為を、人は偽善と感じるのです。  それは残念ながら贈与ではありません。金銭的ではない形の「交換」です。

近内悠太. 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング) (p.37). 株式会社ニューズピックス. Kindle 版.

ただ、ギフトを贈る側から強制しない形で、結果的にメリットが得られたという場合は、それはギフトに当たると考えます。

▼記録するギフトの種類
①自分から誰かへのギフト
②誰かから自分へのギフト
③誰かから誰かへのギフト

▼記録項目
・【WHEN】いつ
・【WHERE】どこで
・【WHO】誰から誰へ
・【WHAT】何を
・【HOW】どんな状況で
・【WHY】なぜギフトを贈ったのか

①自分から誰かへのギフトの場合は、WHYはギフトを贈った後に考えてみます。それが自分への見返りを期待するものだった場合、それはギフトではないということになります。
②誰かから自分へのギフトや③誰かから誰かへのギフトの場合は、ギフトを贈った当人に理由を聞けたら聞いてみます。
もちろん、聞けない場合もあるので、その場合は想像してみます。

ギフトの大小は問わず、「見返りを求めないプレゼントや奉仕行動」という定義に当てはまると思うものはすべて記録していく方針です。
ギフトのケーススタディーを集めていくようなイメージです。

この記録を4ヶ月間取り続けることで、自分の意識の変化、行動の変化、環境の変化があったかどうか?を検証したいと思います。

記録媒体は、スプレッドシートを使います。

記録の状況

◆アウトプット・成果

①スプレッドシートにギフトを記録する。
 →個人情報を含む内容になるため、一般公開はしませんが、最終的に個人を特定しない形での公開を考えています。

実験の途中で、「喜びポイント」も、1~10段階で記載することにしました。
そのギフトを贈ったorいただいたことによる喜びを数値化してみる取り組みです。

こちらで、6月〜8月の記録の状況を共有します。

◎ギフト記録数
6月:12
7月:13
8月:30
◎内訳
①自分から誰かへのギフト:22
②誰かから自分へのギフト:32
③誰かから誰かへのギフト:1
◎喜びポイント
①自分から誰かへのギフト:143(平均6.5)
②誰かから自分へのギフト:173(平均5.4)

実験開始当初は「誰かから誰かへのギフト」も記録の対象としていましたが、なかなかそこまで目がいかず、基本は①と②の記録に集中していこうと思います。

②月末に振り返りをする。
 →「身の回りでどんなギフトがあったか」「どんなギフトをしたか」「ギフトした理由の考察」など、1ヶ月記録してみての感想を音声配信媒体stand.fmの自分の番組で配信します。

8月頭と9月頭に、ギフトを記録して感じたことを音声配信でお話ししました!

「タダの箱庭」の定例会でも、ギフトを記録してみて感じたことを共有しています。

◆実践しているギフト活動「住み開き」

自分が住んでいる場所を無理のない範囲で開放する「住み開き」
私は、旅人を呼んで、無料で泊まってもらい、家や近所でできる様々な暮らし体験を提供するという活動をしています。
5月から始めて、8月までで8名の旅人がきました!

住み開きの中で、ギフトボックスを作ったり、旅人が焙煎した珈琲を蓄積してブレンドする「旅人ブレンド」、きた人の写真と共にメッセージを残す「旅人ノート」など、ギフトや循環を意識した仕掛けも入れています。

◆2ヶ月やってみての所感

身近なところにギフトあり

ギフトというと身構えがちですが、たとえば「次使う人のためにトイレットペーパーを入れておく」みたいな小さなこともギフト(見返りを求めない奉仕活動)になるということに気づきました。自分たちの世界は、見知らぬ人によるギフトで成り立っており、知らぬ間にその恩恵を受けている。それに気づけるかどうか、感謝できるかどうかで幸福度も変わってきそうです。

住み開き=ギフト天国

住み開きで、家族のように一緒の時間を過ごすと、自然発生的にギフトが生まれます。お金を使わない関係だからこそ、お互いがどうしたら喜ぶのか?探り合いながら相手のためになることを考えて行動している感じです。それができる関係ってすごく尊いと思います。

ギフトされるよりも受け取ってもらう喜びが大きい

途中から「喜びポイント」を追加したのですが、喜びの平均点は「相手から自分へ」のギフトよりも「自分から相手へ」のギフトの方が高いという結果になりました。私は、ギフトを受け取れるということも才能だと思っていて、ギフトを喜んで受け取ってもらった時がとても嬉しいです。

ギフトは約束を生む

ギフトは、見返りを求めていないので、基本的に「お返し」はいりません。むしろすぐにお返しをもらってしまうと、そこで取引終了、みたいなちょっと悲しい気持ちになることが分かりました。それよりも「今度、うちの地元の近くに来たら寄っていきなよ!」「あなたがこれから困った時があれば助けるからいつでも言ってね!」みたいな、ふわっとした約束をしてもらえた方が嬉しいと思いました。ギフトはお返しではなく約束を生む力があると思います。

◆実験の測定方法

数値的な測定は難しいですが、自分が誰かにギフトを贈ったり、ギフトに気づく頻度が増えてきたら実験成功かなと思います。
社会規範を中心とした実験ですので、数字ではなく、自分自身の実感値やこの実験をしたことでどんな出来事が起きたのか?などが大事だと考えています。
喜びポイントはひとつの指標にしたいと考えています。

◆スケジュール・進め方

7月〜10月:ギフトの記録&毎月の振り返り
11月:最終報告書の作成

◆「研究員制度」の趣旨について

本記事は、ランサーズ新しい働き方LABの「研究員制度」に参加する過程で、私個人が行う「働き方実験」についてまとめたものです。
「研究員制度」にご興味のある方はこちらへどうぞ。
https://hosting.lancers.jp/lp/lab_researcher/

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