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二拠点生活をして変わったこと。


長野と東京の二拠点生活をスタートしてから早8ヶ月。生活が一変したのはもちろん、考え方や物事の捉え方も大きく変わりました。

最初の頃は「どうやって仕事のサイクル作っていこうかな?」と試行錯誤しながらの毎日でしたが、そうこうしてる間に新型コロナウイルスが私たちの生活を一変させ、オンラインでのコミュニケーションが当たり前になり、思っていたよりも早く、二拠点生活にスルッと移行できたような気がします。

今回は、二拠点生活をしてみて「ここが変わった!」と思うことを書いてみます。


移動に対しての感じ方が変わった

これまで住んでいたところは、駅もコンビニもスーパーも会社も全て徒歩30秒圏内。しかも最寄駅は山手線を含む3つの線が通っている五反田駅で、成田空港は一本で行ける。すぐ近くの品川駅からは新幹線も通っていて、そこから羽田空港にも一本で行けるという、利便性超最強な街のど真ん中に暮らしていました。
まさにシティガール?だった私にとって、東京から長野への1時間の移動はかなりの長旅。これまでたった15分電車に乗るだけでも「長っ!!」と思っていたし、山手線で主要な駅には乗り換え無しで行けるが故に「乗り換えちょっと面倒だな〜」と思ってしまっていたので正直最初は不安でした。(なんて贅沢な人間なんだ!)
でも始めてみると、1時間の新幹線移動には思いの外すぐに慣れて、むしろ最近では、本を読んだり映画を観ていても観終わる前に着いてしまい「なんだ、もう着いちゃったのか〜」と思うようになったし、乗り換えも色んな街の人や風景を見ることができるので、楽しめるようになりました。


車が運転できるようになった

田舎暮らしの必需品といえば車!東京にいると車の必要性を全く感じなかったので免許は持っていませんでしたが、やはり長野では車がないとキツい・・・と感じ、春に免許を取得しました。春休みシーズンでしたが、教習所は都内よりも比較的予約が取りやすくてスムーズに卒業できました。
車なしでの生活は出来ないこともないのですが、なんせ電車は1時間に1本。「サクッと買い物いこっかな!」というのがなかなかできず、電車移動だと毎回かなり時間と体力を使うお出かけになってしまいます。荷物がある時も都内のように「じゃあ、タクシー捕まえるか〜」というわけにはいかないので、長野暮らしは車移動がベストです。そして車は一人一台。母と私、それぞれ軽自動車を買いました。コンビニへ行くのも車なので、一台をみんなで乗り回す、となると、それぞれのスケジュールを合わせるのがなかなかストレスに感じて、動ける範囲も変わってくるので、やはり一人一台が良いという結論に至りました。


消費が減った

以前は外食やウーバーイーツばかり。さらには毎日のようにスタバなど、カフェインをテイクアウトしていて、とても食費がかかっていました。
長野に拠点を増やしてからは、地産のお野菜を直売所で買うのが楽しみになり、基本的には毎日自炊に。しかも今年に入ってから、お肉を食べないペスカトリアンという食のスタイルに移行したので、基本菜食、たまに魚を食べるという生活。外でコーヒーを買うのは週1回くらいで、カフェインも減らしています。消費も減り、身体の調子も良くなり、一石二鳥!
あとは、去年から環境問題を意識するようになりマイボトルを持ち歩くようになったので、コンビニに行かなくなりました。行ったとしても月1〜2回くらい。そのおかげで「あれも買っちゃおうかな〜」という"ついで買い"もなくなったので、本当に欲しいものだけを欲しい時に買う、という消費スタイルになりました。


勉強する時間が増えた

長野にいる時間は、仕事もほとんどオンラインなので、かなり労働時間が減り、そのおかげで毎日自由に使える時間が何倍にもなりました。時間に余裕ができると、今まで考えなかったようなことも考えるようになって、疑問がぽんぽんと出てくるように。疑問を追及する時間もたっぷりあるので、毎日ひたすらその疑問を追求していたら、学びの時間が格段に増えました。興味がわく分野もどんどん広がっています。
加えて、毎日読書の時間も確保するようになりました。実のところ、今まで読書が苦手で、活字を見ていると読み終わる前に飽きてしまっていましたが・・・頭と心に余裕ができたからでしょうか。飽きることなく最後まで読めるようになり、今では毎日本を読む時間が一番楽しいのです。
これまで疑問を抱く時間も作れないくらい詰め込んでたんだなぁ。読書に集中できないくらい頭の中いっぱいいっぱいだったんだなぁ。三日坊主だった私がこうして毎日noteが書けるようになったのも、時間と心身に余裕ができたからだと思います。


予定を詰め込まなくなった

毎日を丁寧に感じることの楽しさ、学ぶ楽しさ、本を読む楽しさを知ったことで、「予定を詰め込むスタイルは私に向いていなかったんだ!」と気付きました。今までは「あれもこれも!全部やりたい!」と思ってしまっていたことも、予定と予定の隙間に大きな時間をちゃんと確保して、「これは今すぐじゃなくても大丈夫」とか、しっかり取捨選択しながら、自分がゆっくりひとつひとつの物事にちゃんと向き合えるようなスケジュールの組み方をするようになりました。
そうしていると、だんだん休むことや何もしないことへの罪悪感がなくなっていきました。その時向き合う余裕が持てないことを、無理にそのタイミングでやらなくて良いのです。


日常の景色を楽しめるようになった

ひとつの拠点だけで暮らしていた時は、外の景色を見て心動かされることってほぼなかったと思います。それが拠点が増えると、何気ない日常の景色に飽きることなく、むしろ心動かされる瞬間が増えました。
大自然に囲まれた長野では、浅間山の見え方が毎日全然違ったり、植物たちを見て季節の移り変わりを感じたり、まるでプラネタリウムにいるような満天の星空も毎日少しずつ位置が変わっていたり・・・
東京では、見慣れた景色だったはずなのに、二拠点生活を始めてから「あれ?こんなところにこんなものあったっけ?」と、これまで目につかなかったようなものが目に止まるようになりました。
お店のショーウィンドウや街中を歩く人たちの服装を見て季節の変化を今までよりも細かく感じるようになったり、車移動が増えたからか、今までは退屈だった電車も、なぜか旅行気分で楽しい気持ちになります。
東京にあって長野にない景色、長野にあって東京にない景色、一ヶ所ではなく複数の景色が日常になったことで、それぞれにしかないものを見逃さず、しっかりと感じることができるようになりました。


自分の中での変化をざっくり書き出してみましたが、生活リズムや考え方、価値観、なにからなにまで大きく変わったなぁと思います。もちろん良い方向に。

「とりあえず拠点増やしてみよう!」と勢いで長野に住み始めましたが、完全なる移住ではなく、この二拠点スタイルが今の私にはとても丁度良くフィットしていて、私をより心地良いほうへと導いてくれています。生活リズムが変わったことで時間と心に余裕ができたのはかなり私にとって良い変化でした。

以前の私と今の私、比べてみると、今までは「働き方」ばかりにフォーカスして、仕事を軸に「どう生きるのか」「どう暮らすのか」と考えていたような気がします。

こうして思い切って、「生き方」や「暮らし方」に集中し、環境を変えて、そこに合わせて「働き方」を考えてみる。そうすると、取りこぼしてしまっていた日常や疎かにしていた部分に気付けるようになったのです。目を向ける方向を少し変えてみるだけで、物事の感じ方や捉え方ってこんなにも変わるのか!と日々実感しています。

働くために生きる、というのは本望じゃないよなぁ。暮らしや仕事はあくまでも人生を楽しむ手段として捉えていきたいし、生きることを楽しむために、その時の自分に合う暮らし方や働き方を考えてみるというスタンスはこれからもキープしていきたい。

今は二拠点生活がしっくりきているけど、きっとこれから年齢ややりたいことによってフィットするものも変わってくると思うので、自分の生き方に合った心地良い「暮らし方」「働き方」「遊び方」を楽しく模索し続けていこうと思います。


武藤千春

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