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Haseve Kikaku
2022年5月12日 09:18
―――あれから一度も夢を見ることはなかった―――――陽が落ちるとまだ風が効いてくる、そんな黄昏時。長谷部は、故郷・・と呼べるほど遠くに住んでいるわけではないが、慣れ親しんだ街角に降り立った。小走りで駅前ロータリーから南へ突き進むと、目的地が見える頃には身体が温まっていた。馴染みのない黄色い看板が、小さいながらも、新しい事もあってか堂々と掲げられているように見える。そんな居酒屋の入り口の前に立っ