人は迷信を信じてしまうもの

 私はよく、「連鎖」について話をすることがあります。

 この「連鎖」には、根拠のない「迷信」を信じてしまい、家族の中で後世にまで引き継いでしまっている時代錯誤なものもあります。
 
 その代表的なもののひとつが、何でもかんでも霊障や先祖のせいにする考え方です。
 
 家族や親族に何か問題が起きると、「先祖の障り」「先祖の因縁」だから「お祓いをしないといけない」という思い込み……。
 
 以前に比べて近頃はそのような相談はかなり減ってきましたが、中にはいまだにそのような迷信にとらわれている人も相談にやってきます。
 
 県外から来られた60歳くらいの女性、Kさんの例をご紹介します。彼女の相談内容は次のようなものでした。
 
 「主人が肺がんの手術を予定しています。他のところで肺がんの原因は先祖の障りだと言われたのですが、無事快復できるのでしょうか? お祓いもしてほしいです」
 
 その時は彼女一人で相談に来ていたのですが、私は、「お祓いも……」というKさんの言葉が気になったものの、まずはご主人の肺の状態を透視しながらこう言いました。
 
 「病院で確認済と思いますが、左肺の心臓から少し離れた左下側にある小さながんのことですね?」
 
 「はい、そうです」
 
 「奥さん、よかったですね!」
 
 「えっ、何がですか?」
 
 「あっ、ごめんなさい。それ(肺の状態)を見ながら話していたものですから……今から説明しますね。
 
 左肺のがん細胞は心臓から少し離れた左下にあって、その部分を手術で全摘すると思います。

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