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ハロウィンの熱も10年ほど


2022年末のあなたへ、日記兼ブログ的な備忘録兼お手紙41通目。

10月もあと一週間で最終日。
そして、10月最後の日と言えばハロウィン。

もとは北欧、欧米から入ってきたお祭りが、この10年余りですっかり日本の年間イベントになじんでいる。
今回はそんなハロウィンの話を一席。

私がハロウィンに初めて触れたのは、まだ我が子が小さかった時。
秋に訪れたテーマパークがハロウィンをテーマにイベントをしていた。
とは言え、スタッフがハロウィンカボチャを胸に着けたりとか、パークのところどころにハロウィン飾りがされていたりとか、気をつけずに通っていたら見落としそうな、そのくらいのさりげなさ。

なんとなくこんなのありますけど、どうですか?という控えめなトーン。
私も性格的に無頓着なもので、あら、そんなお祭りがあるのね、というほどの感覚だった。

ただ、イベントの一環として、スタッフに「トリック・オア・トリート」という例の言葉を唱えればお菓子がもらえるというシステムが親子ともどもに魅力的で、子どもがスタッフに近寄り、おずおずとはにかみながらその呪文を唱える姿、飴玉をもらい戻ってくる時の安堵と意気揚々の混じった表情を今でも覚えている。
可愛かったなぁ…。

今やすっかりなじんで、昔ながらのお祝いごとのように、毎年売り場の一角をにぎやかすハロウィンコーナーを見るたびにそんなことを思い出す。

子育てとイベント熱

わりと無宗教で、特にイベントごとに興味のない私でも日々過ごしていると年中行事が耳目に入ってくる。
子供が小さいうちは特にそれが目白押しになる。

お正月から始まり、桃の節句、子どもの日、七夕、お月見、運動会、クリスマス。
それにプラスで誕生日は必須だし、家庭によってはバレンタイン、ホワイトデイ。
毎月何かしらイベントごとをやってるような気がするのに、そこに加えてハロウィン。

人によってはそういう行事を必ず祝いたいという人もいるけれど、私は自分の誕生日も別に忙しければまぁいいやで通り過ぎて平気な方。

そんな私が、いきなり子どもができたからって楽しくイベントで盛り上がるぞ!なんて変わるわけではないんである。
せいぜい玄関先にそれっぽい飾りつけをするくらい…。

だが、子どもはそうはいかない。

ショーウインドウに並ぶハロウィングッズを見れば私でさえなんとなく心躍るのだから、子どもにとってなんてもう、ワックワックのドッキドキなお祭り騒ぎ。
 
黒猫の置物だって可愛いし、魔法使いの帽子とか魔法のステッキとかほしくなるでしょうよ、そりゃ。クモだのオバケのオブジェも、怖いもの見たさで手に取るし、自分で仮装もしたくなる。ハロウィンバージョンでいつもと違うパッケージのお菓子にだって惹きつけられるに決まってる。



お店のハロウィンコーナーを見つけては足止めを食うのがこの時期の通過儀礼だった。

幼稚園なんかでお友達同士で盛り上がるようになると、さらに過熱する。

一緒に仮装したいとか、みんなで集まってパーティーしたいとか。
まじか。

友達が集まるなら、我が子にも仮装らしきことはさせてやりたいし、それらしいお渡し用のお菓子を用意してあげないといけない。
部屋の中だって、雰囲気出るように飾りつけないとなんて、準備することが盛りだくさんなのだ。
私の人生にそんなパリピな経験なかったのに。

ハロウィンの仮装でウェイウェイするのは何も都内某所の交差点だけではないんだ…。
と人生初のパリピ体験を子どもとしながら思った。
これが毎年続くのか…。
なんてブルーにすらなるほどだった。

徐々に鎮火したパリピ熱

だが、子どもの持つそんなイベントウェイウェイ熱も、いつの間にか、徐々に、ゆるゆると鎮火する。
徐々にというか、子どもが10歳に入るあたりを境にだろうか。

ある日ふと、スンッ…としぼむのだ。

玄関先に小さなひな飾りやこいのぼりを置いただけでキャッキャしたり、クリスマスのツリーを早く飾れとごねたり、プレゼントは何がいいと思いを巡らせていた子どもが、いつの間にかいなくなる。

そこには、今年のハロウィンどうしようか?なんて聞いても「別に~」と返ってくるティーネイジャーがいるんである。



押し入れの奥で出番のなくなったハロウィングッズを目にするたび、
あんなに毎年大騒ぎだったのは何だったんだよ。
と狐につままれたような、それでいて
これも成長なんだなぁ。
となんとなく胸の奥がキュッとなる。

イベントの強火期間は意外に短い

子どもがイベントごとにはしゃぐのって何年くらいだろう。

物心つく3歳くらいからだとして10歳、長く見積もっても12歳頃にはだいぶ弱火になっていた。
今ともなれば、「イベントは楽しみますけど、たしなむ程度でいいですよ?」
という感じである。個人差はあるだろうが、我が家はそれだ。

とすると、強火期間は短く見積もって7年、長くて9年。

イベント自体は年イチだから、7回、9回といったところである(これが通年でいろんな行事が次々続くから大変なんだけど)。
長いような、でもあっという間のような。

だとしたら、グッズもケチらず、もっと買ってあげてもよかったのかなぁ。
もっと一緒になってワイワイ楽しめばよかったのかなぁ。
と思ったりする。

でもまぁ、過ぎてしまったから早いなぁなんて思えるわけで、今我が子が強火期間真っただ中の親御さんはやっぱり、
「これがいつまで続くんだ…」

と戦々恐々かもしれない。
大丈夫。あと数回で終わる。多分。

うちの子もすっかり熱は冷めたけど、いつ再燃するかは分からない。
都内某所にガチガチのコスチュームで乗り込む日だって来るかもしれない。

どんな仮装するのか分からないけれど、安全に、自分も周りもケガしない範囲で楽しんでくれたらまぁよしと思う。

その時は、周りのゾンビやカボチャなんかを見ながら、昔、若干渋々な私といっしょにハロウィンごっこしたなぁなんて思い出すのかもしれない。



そんなことを思うと、また鼻の奥がツンとなる、そんな晩秋の呟きでした。
ではまた次回。
読んでくれてありがとう。


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