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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#219)。

 私は10月16日午後7時頃と午後9時頃、自宅付近で2度にわたって襲撃を受け、一切の取材活動ができなくなってしまった。自宅付近で私を待ち伏せし、「取材」と称して無許可でカメラを回してきたのは、まったく面識のない、顔も名前も知らない一般人である。彼らは取材のノウハウを持つわけでもなければ、メディアと正式な契約書を結んでいるわけでもない。国政政党「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志が発信した「詐欺罪」「犯罪者」「逃亡を企てている」といった情報を信じ、最大50万円の懸賞金を目当てにカメラを向けてきたのである。
 驚いたことに、2度目に私を襲撃したのは柏市議である大橋昌信だった。彼は「NHKから国民を守る党」の副党首で、2018年の松戸市長選では記者を暴行して書類送検されたほか、2019年の海老名市長選でもコンビニの前で男性にケガを負わせて書類送致されている。
 市民の安心・安全を守る立場にある市議会議員が、ご丁寧に「国民を守る党」などと名前をつけながら、市民を危険に晒す行為を繰り返しているのである。
 大橋昌信は私にカメラを向け、「なぜ裁判を欠席したのか」「パンフレットは本当に存在するのか」などと質問をしてきた。しかし、本当にパンフレットが存在するかどうかについては、これまでに私が書いてきたレポートを読めば一目瞭然である。そして、私が裁判を欠席した理由をいちいち答える義務はない。(先日のレポートに書いているが。)

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 大橋昌信は、これを「取材」だと主張している。しかし、私が大橋昌信に襲撃されて警察に110番通報したのは、午後9時ちょうど。こんな時間に小型カメラを忍ばせ、閑静な住宅街を徘徊している人間の「取材」とは、いかなるものだろうか。
 私を見つけた大橋昌信は、私を挑発しながら証拠の存在を聞き出そうとしていた。立花孝志いわく、加陽麻里布は私に対して麹町警察署に刑事告訴をしているというが、刑事告訴状が受理されているのに、動画を撮影して被疑者となっている私を問い詰め、脅して黙らせようという行為は、刑法105条の2の「証人等脅迫罪」に抵触する可能性がある。もっと言えば、党首である立花孝志が一般人に呼びかけ、副党首である大橋昌信がわざわざカメラを持参しているわけだから、組織犯罪対策法7条3項もある。

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 ここ最近、NHKから国民を守る党は、ネット上の誹謗中傷対策に乗り出すと言いながら、自分たちに浴びせられた批判に対し、少しでも口汚いものがあれば片っ端から開示請求をして、裁判を起こすことを宣言している。しかし、民主主義国家の日本では、国政政党を批判をする権利が当然に与えられている。国民が政治に口を挟めなくなってしまったら、それこそ中国共産党や朝鮮労働党のような政治になってしまう。
 こうしたNHKから国民を守る党の動きに、多くの市民は顔をしかめている。しかし、副党首・大橋昌信は、「脅しですかね」とツイートした市民に対し、「脅してるんだよ。合法的にな。」と引用リツイートしている。大橋昌信の中で、これは「脅し」であると明言しているのである。大橋昌信は曲がりなりにも市議会議員である。「合法的な脅し」というものが成り立つのかどうかは不明だが、ともかく市議会議員である大橋昌信が「脅し」をしていることには変わりはない。少なくとも本人はそのつもりなのだ。

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 大橋昌信は、右手にスマートフォン、左手に小型カメラを持ち、両手で撮影をしている。スマートフォンは電話としての機能もあることから、多くの人が日頃から携帯しているものであり、持ち歩いていたとしても不思議ではない。しかし、左手に持っている小型カメラは撮影する意思を証明するアイテムである。実際、大橋昌信は私と話しながら小型カメラを構えている。
 夜遅くに小型カメラを忍ばせて自宅にやってきて、煽るように質問をするのは、明らかに私にとって不利な証言を引き出すことが狙いだろう。頭に血がのぼり、挑発に乗せられるがまま、怒りに任せて事実と異なる発言をしてしまうかもしれない。そんなことでもあれば、大橋昌信にとっては一丁上がりである。この襲撃にはそのような意図が感じられる。
 これだけ挑発を繰り返していた大橋昌信だが、警察が臨場すると、急に大人しくなった。駆け付けた警察官らに「柏市議会議員」の名刺を渡し、まるで「議員の身分にありながら迷惑なことをするはずないじゃないですか」と言わんばかりだった。しかし、夜遅くに小型カメラを片手に閑静な住宅街を徘徊している男は、どんな身分だろうと怪しい。

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 大橋昌信は10月17日に「石渡とも君のリア凸取材のその後の報告&感想」という動画をアップしている。なかなか一方的な主張ではあるが、ポイントは抑えておきたい。

(03:58~)
「だって、皆さん、不思議に思うでしょう。なんで裁判所に出廷しないの。自分の正当性を主張しないのって思うじゃないですか。本当に1300通ね、えー、あ、ごめんなさい。その前に、あ、1300通か、まあ、そっちか。1300通、本当にね、1300通送られてきているのか、だったりとか、あとは本当に加陽麻里布さんが関与している確固たる証拠というのを掴んでいるのか。この証拠というものをなぜ提出しないのか。ね、NHKから国民を守る党が党ぐるみで、ね、イシワタリトモユキ君に対する嫌がらせ行為をしたと言うんであれば、そのね、確固たる証拠、根拠というものを提示してくれればいいと思うんですよ」

 出廷しなかった理由、1300通のパンフレットについては、これまでのレポートに書いた通り。そして、係争中にもかかわらず、事前に証拠の有無を言うマヌケな人間はいない。もし私が証拠を持っていないのなら、その時は証拠が出ないまま結審するだけのことである。しかし、立花孝志や大橋昌信は、なぜそんなに証拠にこだわるのか。私は、証拠を持っていないように見えることが嬉しくてしょうがないのだと思っている。「ほーら、オマエは悪者だ!」とマウンティングを取れることが嬉しくて嬉しくてたまらないのだ。だから、何度も何度も山に登っては大きな声で「証拠!」と叫んでいるのである。

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(05:55~)
「何度も繰り返しても、彼のね、ああいった言動というものは変わらないでしょうから、あまりね、あの、実りある取材、取材をね、申し込んだところであまり実りあるものではないでしょうから、まあね、あの、1回限りというつもりではいたんですよ。僕の中では。ただ、トモヒロ君は一つね、約束したことを忘れてしまったのか、破ったのか、彼は僕の目の前で約束したことが一つあるんですよ。皆さんね、これ、お気づきになってますかね。ちょっとこの動画をご覧ください。彼はこのように言っています。

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 そう言って大橋昌信は、私の顔を無許可でネット上に晒し、そのやり取りを公開している。だが、この動画では執拗に「パンフレットの証拠はどこにあるんだ」と質問をする大橋昌信に対し、私は「それを聞きに来たのか」と何度も質問した上で、このようなやり取りをしている。

ちだい「裁判じゃなくて、ここに来たんだね?」
大橋「はい」

 大橋昌信は、裁判で明らかにするべき話を、被疑者および被告となっている私に直接聞きに来た。しかも、非常識な時間帯に、閑静な住宅街の一角にある私の自宅に、小型カメラを片手に、ましてや不審な二人組に襲撃された後にである。
 これまでにも大橋昌信は、数々の個人情報をネット上に晒している。今回だって私の許可や同意を得ることなく、このようにやり取りをネット上に晒しているのだから、まだ提出していない係争中の裁判の証拠などという非常にデリケートな情報も、大橋昌信はネット上に晒すことだろう。
 これは襲撃されたのが私だったから逃れられたのかもしれない。もし気の弱い人だったらパニックになって、脅されるがままに話してしまい、それをネット上で公開されてしまったかもしれない。一般的に、裁判にも戦術があるが、こうした戦術を狂わされてしまい、こうした脅しによって裁判が不利になってしまうリスクもある。
 ところが、大橋昌信が指摘している個所は、ここではない。

大橋「ぜひお聞かせください」
ちだい「はーい、警察来たら話しましょうね
大橋「ぜひお聞かせ、えっ、警察来たらお答えいただけるんですか?」
ちだい「警察来たら話しましょうか?
大橋「お答えいただけるんですか?」
ちだい「お答えしましょうか?
大橋「直接お答えいただいていいですか?」

 大橋昌信は、これをもって「話をすると約束をした」と主張しているが、約束などしていない。最初から私は大橋昌信と会話をするつもりがない。会話をするのは最低でも警察が来てからである。そういうことで、私は「警察来たら話しましょうね」と話しているが、大橋昌信が「警察来たらお答えいただけるんですか?」と、質問に答えるか答えないかの話を切り出してきたので、私は「話しましょうか?」「お答えしましょうか?」と質問を投げ返している。それに対して、大橋昌信は「ぜひお願いします」と答えるでもなく、ひたすら質問を連呼している。つまり、会話が成立していない。
 一見、バカ同士のやり取りに見えてしまうかもしれないが、明言をせずに会話を成り立たせないのは、テクニックである。
 それでも大橋昌信は、この動画を根拠に「約束した」と解釈し、大変悪質なことに、今後も襲撃することを予告しているのである。

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(07:18~)
というね、ことを言っているんです。大橋昌信が石渡智大君に対して、パンフレット、を送ったというような根拠、証拠というものがあるんですかということに関して、智大君の答えが「警察が来たらお答えしましょうか」って言ってるんですね。警察が来たら。言いましたよね、皆さん。今、はっきり言ってましたよね。じゃあ警察が実際に現場に来ました、臨場しました。石渡君は言ったと思いますか、皆さん。ちゃんと堂々とね。警察を介して、パンフレットの件、大橋昌信が関与していると言ったようなことに関するね、お話をしてくれたかどうか。皆さん、これ、どう思いますか。はい、皆さんのご想像の通り、もちろん、答えてくれておりません。はい。警察が臨場して、分かれてね、実際ね、警察が臨場してもう、あの、こういう言い方をしたらアレですけど、僕がその場を仕切りました。あの、分かれた方がいいですよねって、彼と分かれて距離を取って、あの、警察の方の対応をした方がいいですよねと。あ、そうですねみたいな、警察の方もね、そういう話をされてましたけど。まあそれはいいとして、えー、お互いのね、警察の方が10人ぐらいかな。現場臨場されて、僕の言い分、トモ君の言い分をお互い聞いて、じゃあ、ここはもう、もうもうもう、あの、お互いもう帰りましょうという話になった時に、石渡智大君はもう本当にね、みすぼらしい後ろ姿でトボトボと家に帰っていきました。説明することなく。おいおい、さっきの威勢はどうしたんだ、ということをね、投げかけてあげたかったんですけども、まあ、あれだけみすぼらしい姿を見せられてしまうと、もう同情してしまうなというふうに思う一方で、男ならちゃんとヤクソフ、約束をね、果たしなさいよと。言ったのは君だよと。警察が来たらお話するよと。言ったにもかかわらず、その説明を反故したということですので、また取材に行こうと思います

 大橋昌信は、「裁判に提出する証拠」を裁判外で聞くために再び私を襲撃することを予告している。これでは家族の安全が守られないため、ますます取材に行けなくなってしまった。岡山県知事選、富山県知事選、何より大阪都構想がある時に足止めを喰らうことがどれだけの損失か。
 この被害の責任は、必ず取ってもらう。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 立花孝志は、私を「詐欺師」に仕立て上げるために刑事告発をするとしているが、果たして、本当に受理してもらうことができるのだろうか。
 書き方についての賛否はあるだろう。しかし、私は読者を騙すつもりは毛頭ないし、そもそも読者の信頼を失えば収入を失う。10月18日からジャーナリストに転身したため、書き方すら見直すことになったが、彼らが騒げば騒ぐほど、煽れば煽るほど、最後のどんでん返しは大きなものになるかもしれない。

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