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【選挙ウォッチャー】 奥州市長選2022・分析レポート。

 2月27日告示、3月6日投票で、岩手県の奥州市長選が行われました。
 奥州市は、2006年に水沢市、江刺市、前沢町、胆沢町が合併して誕生しました。東京都の半分ほどの面積を誇り、人口は盛岡市に次いで多い11万人です。
 衆院選では「旧岩手4区(現・岩手3区)」にあたり、長らく小沢一郎さんが地盤としてきたエリアです。2021年の衆院選では、あれだけ選挙に強かったはずの小沢一郎さんが初めて小選挙区で敗れる波乱があり、「小沢帝国」は着実に崩壊しています。
 さて、肝心の奥州市長選ですが、今年は4期目を目指す現職と、カルピスの関連会社の取締役だった政治経験のない新人との一騎打ちです。ガッツリと組織的に戦っているオジサンと、あまり組織的ではないオジサンとの一騎打ちなので、本来、勝負は決まっているような選挙です。

奥州市長選の選挙ボード。倉成淳さんと小沢昌記さんのポスターが貼られている。

小沢 昌記 63 現 4選目を目指す
倉成 淳  65 新 カルピス関連会社役員

 奥州市は、あの世界的なスーパースター・大谷翔平選手の故郷です。
 旅行などで訪れる機会は少ないかもしれませんが、水沢駅前には素敵な飲み屋街が広がっており、もしコロナがなければ、スナックなどをハシゴする旅をするのは楽しそうです。

水沢駅前に広がる歓楽街の写真。たくさんのスナックが軒を連ねる。
水沢駅前に広がる歓楽街

 最高にエモいです。
 こういうお店に活気が戻ると良いのですが、岩手県はこれまで感染者数が少ないことを理由に「ノーマンボウ」を貫いてきましたので、歓楽街には補償がなく、苦しい経営を迫られています。


■ 奥州市議選は史上初の無投票当選

奥州市議選の選挙ボードの写真。28人のポスターが並んでいる。

 当初は、奥州市長選と合わせて奥州市議選が行われる予定でしたが、こちらは定数28に対し、28人しか立候補の届け出がなく、史上初の無投票当選が決まりました。
 共産党が現有5議席をキープできるのか。若者党から推薦をもらっていた44歳の小野優さんが再選なるか。それなりに見どころはありましたが、残念ながら「無投票当選」となりましたので、仮にポンコツが混ざっていても全員が当選です。
 共産党は、市議選の1ヶ月ほど前に穀田恵二さんが駆け付けての街頭演説などもやっていたので、かなり力が入っていました。病院の存続の問題などがあって、絶対に負けられない戦いになっていたことも大きいと思います。


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