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【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#82)。

 全国でどれだけの医療崩壊が起こっているのか。
 消防庁は、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、毎週取りまとめて報告していますが、8月15日までの1週間で「3361件」となりました。このうち、東京消防庁管内が1837件で前週比305件プラス。横浜市消防局が354件で前週比87件プラス。千葉市消防局で157件で前週比42件プラスなどとなっています。
 つまり、あまりに死にそうで救急車を呼ばないとどうにもならないという時に救急車を呼んだものの、うまいこと病院に搬送してもらえなかったのが全国で3361件も発生していて、そのうちの半数以上は東京都内だということです。この人たちは全員生きているのでしょうか。
 これだけの人が死にかけているのに、明日には夏フェスを開催し、さらに1週間後にはパラリンピックを始めようとしている棄民国家は、世界でも日本ぐらいだと思います。アフガニスタンの心配をしている場合ではないぐらいに、日本の状況というのは非常に危機的です。


■ 俳優の志尊淳さんが新型コロナ感染

 かなり人気の高い俳優の志尊淳さんが新型コロナウイルスに感染したと所属ノワタナベエンターテインメントが発表しました。発表によると、8月15日に発熱症状が見られ、16日にPCR検査を実施したところ、すぐに陽性と確認されたといいます。今後は保健所や担当医の指示に従って療養するといいます。[ENCOUNT


■ 「フジロック」の甘すぎる感染症対策について

 いよいよ明日から夏の風物詩「フジロックフェスティバル」が開催されます。音楽好きにはたまらない超豪華なアーティストたちが見せてくれる年に一度の夏の祭典。
 しかし、これだけデルタ株が蔓延している中で行われるのですから、このイベントは中止しなければなりません。もしくは、やむを得ず行われるものだとしても、せめて観客全員にPCR検査が求められます。いくら屋外で行われ、みんながマスクをするとしても、感染のリスクが非常に高いイベントであるということは、アーティストも参加者も全員が心得ておく必要があります。こうしたイベントが中止されずに強行開催されるのも、東京五輪が強行開催される中にあっては、音楽イベントだけ中止されるというのは「筋が通らない」ので、政府が対応しなかったがために行われるものだと言っても過言ではありません。
 さて、今回の「フジロックフェスティバル」は、感染対策が極めてザルであるという点は指摘しておかなければなりません。ちゃんと感染症対策しようと思ったら、どれだけPCR検査をしなければならないのかがわかりませんので、イベントをやるにはバカなフリをしなければならないという事情もあるのかもしれません。しかし、だったら中止にするしかないのです。
 現在、「フジロックフェスティバル」の主催者たちが、専門家のアドバイスを聞いて実行するという感染症対策が、コチラになります。

① イベント前後の行動管理、感染防止の注意喚起を行う。

 要するに、楽しみな「フジロック」のため、新型コロナウイルスに感染しないように、ちゃんと行動してくださいとお願いをする。精神論です。

② 参加者の制限:あらかじめ発熱等の症状がある者の参加を控えるように促す。

 これも精神論です。大好きなアーティストが来年も出演するとは限らないわけですから、このチャンスを逃したら、一生後悔するかもしれません。そんな状況で、それこそ40度ぐらいの高熱が出れば話は別ですが、ちょっとした微熱ぐらいなら「コロナではなさそうだ」ということで、参加するに決まっているでしょうが! というか、新型コロナウイルスに感染しても、必ず発熱するとは限りませんし、無症状の患者はたくさんいるので、熱を測れば大丈夫だと思っている時点で、考えが甘すぎるのです。

③ 参加者全員の検温情報・問診情報・個人情報の把握

 大好きなアーティストが目前に控えているのに、「体調の方は、いかがですか?」と聞かれて、「ちょっとしんどいっすね」と正直に答える人がどれだけいるでしょうか。そこは精神論で乗り切り、「全然元気っす!」になるに決まっています。だいたい検温さえクリアすれば、問診票なんて、ほとんど意味がありません。
 僕でさえ、600km以上運転してホテルに宿泊する際に、体力的にはめちゃくちゃしんどいですが、べつに風邪をひいたり、コロナを疑うような体調不良ではないので、ホテルのフロントで「体調は問題ありませんか?」と質問されても、うっかり「めちゃくちゃしんどいので、早く寝たいです」と正直答えて、変に心配されても困るので、「全然問題ないっす!」と答えています。医者に聞かれているわけじゃあるまいし、問診票なんて、その程度のものです。
 あと、「COCOA」に登録を促すと言っていますが、まだ動いているのでしょうか。ちなみに、「COCOA」がちゃんと機能していれば、登録することは大事なんですが、それでもこの「COCOA」は事後の話なので、事前の感染対策の中に数えることはできません。

④ 検温の徹底

 結局、PCR検査じゃないと感染者を見つけられないので、高熱を出している「感染のド真ん中」にいる人は見つけられるかもしれませんが、非常に多くの感染者を見逃す「ザル方法」だということは知っておいていただきたいです。検温をしていれば大丈夫なんていうことはありません。感染者を1割でも見つけられれば御の字でしょう。

⑤ 入場拒否・乗車拒否、退場していただくための基準

 37.5度以上の発熱があった場合は、医者の問診で判断するそうです。現地まで来ているのですから、医者の問診に正直に答えてくれるかどうかはわかりません。マスクを着用していない人はバスなどに乗れないそうですけど、こんなユルユルのイベントに来ている人の多くはウレタンマスクであることが予想されるため、やっぱり意味がありません。

⑥ 直行・直帰を呼び掛ける

 完全な精神論です。他に目的があるわけではないでしょうから、基本的には直行・直帰になる人は多いでしょうけど、それでもサービスエリアでメシを食わないわけではありません。完全なる直行・直帰なんて、よほど近所でもない限り、ほとんど非現実的なのです。

⑦ 禁酒:場内での飲酒は禁止

 会場や苗場プリンスホテル、ならびに周辺でもアルコールの販売をしないそうですが、会場には酒を持ち込まなくても、ホテルに酒を持ち込むことまでは制限できません。最高だったアーティストとの思い出を、仲間と一緒にお部屋で振り返りながら語ることはあるでしょう。それをやった瞬間に酒を持ち込まなくても同じことですが、多くの人がファン同士でつながっているでしょうから、クラスター発生のリスクは高いです。

⑧ 禁煙:喫煙所以外での喫煙禁止、喫煙所での会話も禁止

 みんなで喫煙所に集まり、マスクを外してタバコを吸うわけですから、こんなもの、まだ立ちションのごとく、イベントの端っこでタバコを吸っている方が安全ではないかと思うほどです。会場全体を禁煙にするべきで、喫煙するならホテルの部屋に帰ってからにするべきです。喫煙所での会話はもちろんリスクですが、そうでなくてもリスクだということを知っていただきたいものです。

⑨ 三密の回避

 ステージの真下に人がいないことを想像できないのですが、本当に密を回避することはできるのでしょうか。人が歩いているわけではないので、おそらく長時間にわたって、隣の人の息を浴び続けることになると思われ、あまり安全を期待することはできなそうです。

⑩ マスク着用・マスク飲食・手洗い・手指消毒の行動を促す

 おそらく、会場でゴハンを食べるところはあると思いますので、マスク会食ということになるのかもしれませんが、物理的にはほぼ不可能です。そして、手洗いや手指の消毒はもちろん必要ですが、新型コロナウイルスの最大の問題が「空気感染」であるということを、もっと多くの人が知っておくべきです。

⑪ 禁止事項と該当者への個別注意・強制退場

 ルールを守れない人がいたら、個別に注意をして、それでも従ってもらえないようだったら、強制退場させるので大丈夫ですって、そんなもの、全然大丈夫だと思えません。

⑫ 事前周知の徹底

 こうしたルールがあることを、参加者にしっかり伝えていけるように努力をすると言っているのですが、そもそもそのルールが信じられないくらいに甘いので、いくら周知しても感染を止めることはできないことでしょう。だいたい、デルタ株の第5波エピデミックが落ち着いている時だったらいいかもしれませんが、東京などで医療崩壊を起こしているタイミングで、このイベントをやろうと言っているのですから、基本的には気が狂っているとしか言いようがありません。
 アーティストの生活がかかっているし、既にたくさんの人がイベントを開催するために動いているし、お客さんも期待しているしで、なかなか中止にできない事情というのはたくさんあるのでしょうけど、本来は税金で全部を負担してでも止めなければなりません。国で買い上げて、YouTubeで全員に無料配信するぐらいのことをして、国民全員にステイホームをしてもらえるように頑張るべきでしょう。


■ デパ地下に入場制限をするという微妙な政策

 政府は、百貨店でクラスターが発生しまくっていることを受け、新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更し、デパ地下に入場制限をかけるという、微妙な政策をかましてきました。やろうとしていることは理解できるけれど、毎回、微妙にズレているのが政府です。ブラで言ったら、完全に乳首が出ているぐらいにはズレています。
 日本政府は頑なに認めようとしませんが、新型コロナウイルスは「空気感染」です。「息をしているだけでウイルスが出ていて、そのウイルスが空気中を漂っていれば感染のリスクがある」という特徴があります。だから、何より重要視するべきは「換気」なのです。そもそも入場する人が少なくなれば、感染リスクのある人を減らすことができるので、「人を減らす」ことが間違いだとは言いませんし、当然、減らした方がいいのですが、もし科学的に対処するなら「換気」ができているかどうかで営業を決めるぐらいのことをしなければなりません。もし地下の換気ができないのであれば、入場できる人数を減らしても、根本的なリスクはそのままになります。空気の流れを調査し、もし改善できない場合には「地下を使わない」ということが必要になります。
 いかにも街を歩いている人の多くが、今もウレタンマスクを着けている日本らしい話ですが、まずは新型コロナウイルスの特性をしっかり見極めるという初歩の初歩から始めなければならないと思います。[NHK


■ 全国の新規感染者数(8月18日版)

 全国47都道府県の新規感染者数と主なトピックスを1行で紹介します。スマホでご覧いただいている方は2行以上になっているかもしれませんが、なるべく短い文章で完結に状況をまとめております。

北海道:595人。自宅療養者が1000人超え。
青森県:58人。青森市、八戸市、弘前市で感染の8割を占める。
岩手県:47人。現時点で月別で過去最多の感染者数になる。
宮城県:4人感染判明の東北学院高が甲子園の出場辞退。
秋田県:29人。過去最多タイ。秋田厚生医療センターで集団感染。
山形県:51人。過去最多。警察学校で計11人のクラスター発生。
福島県:117人。過去最多。自宅療養者400人超え。
茨城県:325人。つくば市の障碍児入所施設でクラスター計6人感染。
栃木県:200人。過去最多。宇都宮70人。1人死亡。
群馬県:314人。過去最多。酒やカラオケ提供店に休業要請。
埼玉県:1451人。約9割がデルタ株を含む変異株であると判明。
千葉県:1692人感染。過去最多。40代など3人死亡。
東京都:5386人。過去2番目の多さ。家族感染で40代母死亡。
神奈川:2021人。商業施設に5割の入場制限。県立学校は短縮授業。
新潟県:116人。新潟市内で48人、新潟市外で68人。
富山県:121人。過去最多。マンボウ適用で体育館などの使用禁止に。
石川県:90人。集団感染で運転士不足の七尾線は減便を決定。
福井県:29人。東京・神奈川・京都から来た人や園児も感染。
山梨県:93人。過去最多。県全域で酒類の提供禁止に。
長野県:152人。過去最多。このままだと通常医療に制限と訴え。
岐阜県:338人。過去最多。このままでは自宅療養ゼロは困難。
静岡県:590人。過去最多。過去最多を2日連続で更新。
愛知県:1227人。過去最多。新規感染者が4ケタになるのは初。
三重県:276人。療術施設で利用客ら16人のクラスター発生。
滋賀県:207人。過去最多。これまでの最多179人を大幅に更新。
京都府:421人。過去2番目の多さ。うち京都市内は230人。
大阪府:2296人。2日連続で過去最多を更新。2000人超えは初。
兵庫県:1088人。過去最多。新規感染者が4ケタになるのは初。
奈良県:162人。過去最多。これまでの最多138人を大幅に更新。
和歌山:64人。過去2番目の多さ。会計事務所が宴会をして集団感染。
鳥取県:22人。鳥取市の認可保育施設の園児の感染を確認。
島根県:31人。これまでの累計感染者数が999人になる。
岡山県:307人。過去最多。岡山市140人、倉敷市117人。
広島県:301人。過去最多。とうとう300人を超える。
山口県:105人。過去最高。新規感染者が3ケタになるのは初。
徳島県:37人。県民の宿泊料や日帰り旅行代金助成の新規予約停止。
香川県:65人。このうち、ワクチン2回接種で感染した人は4人。
愛媛県:91人。過去最多タイ。とべ動物園など県の管理施設は閉館。
高知県:64人。過去最多。お盆明けに急拡大している。
福岡県:1253人。過去最多。これまでの最多1038人を大幅に更新。
佐賀県:182人。過去最多。3日連続で3ケタに達している。
長崎県:89人。長崎市20人、諫早市18人、五島市16人など。
熊本県:271人。熊本市東区の放課後児童クラブで12人の集団感染。
大分県:一部の県立高校では今日から2学期が始まる。
宮崎県:125人。過去最多。宮崎市上下水道局と友人でクラスター発生。
鹿児島:202人。お盆の帰省によって感染が拡大しているとの見方。
沖縄県:761人。過去最多。本島南部の火葬が5ヶ月で前年を上回る。

 今回の第5波は、明らかに政府が怠惰で無能だったことによる「人災」です。私権を制限しなくても、しっかり補償をすれば、できることはたくさんあるにもかかわらず、一切の対策を打ってこなかったことが原因です。
 既に茨城県では部活を中止していますし、福岡県ではオンライン授業を進めようとしています。群馬県はカラオケ店にも休業要請を出しました。やろうと思えば、まだまだたくさんできることがある。早急に対策を打ち、まずは感染を抑えることが大切です。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 日本の歴史が変わると言っても過言ではない横浜市長選の取材は、どうしてもやっておかなければならないとの判断で、明日と明後日は横浜市長選の取材に行くことになりましたので、新型コロナウイルスの最新情報をまとめることができません。
 よって、明日は東京都議選の北区選挙区、明後日は東京都議選の荒川区選挙区のレポートをお届けいたします。2日も休めば、お伝えするべき話はたくさん出てくると思いますので、その後は再び新型コロナウイルスの最新情報をお届けいたします。

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