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【選挙ウォッチャー】 多摩市議補選2018・分析レポート。

いよいよ「AI市長」が誕生するかもしれない多摩市長選と同時に開催されているのが、多摩市議補選です。何と言っても注目は、自民党、立憲民主党、共産党による三つ巴の戦いを誰が制するのか。安定した組織票を誇る自民党なのか、それとも勢いに乗っている立憲民主党なのか。「共産党が強い街」と言われる多摩市にあって、共産党がどれだけ票を伸ばすのか。こちらはこちらで無視できない戦いになりました。

桐木 優   40 元 自民党
春日亀 小判 25 新 立憲民主党
菅原 重美  69 元 共産党 

連日、モリカケスキャンダルが報じられていることもあり、世論調査では見えてこない「風」が吹く可能性は否定できません。順当に行けば自民・公明の組織票によって桐木優さんが勝つということになりそうですが、「立憲民主党×平成世代」のコラボによって打ち破ることはできるのでしょうか。実は、この選挙こそ自民党が固唾を飲んで見守っていると思いますので、追いかけずにはいられません。


■ 国政を語る共産党の戦略なき選挙

ネトウヨ化する自民党と対局にあるのは、「右や左ではなく、下から上へ」と言っている立憲民主党ではなく、共産党だと考えています。そして、ものすごいスピードで右側に傾いている日本を止めるためには、左側のバランスがとても重要なので、もう少し共産党が力を持った方が右傾化にブレーキをかけられるのではないかと思うのですが、いまや共産党は「戦略なき選挙」を続けているため、まったく脅威ではありません。今回もすぐにボードや幟を掲げるオジサンとオバサンが集まり、「公文書の改竄は許せない!」と言っていたのですが、これは多摩市の話ではありません。街頭演説で語られるのは国政の話ばかりで、ちっとも市政をどうしたいのかを語ってくれないので、最初から共産党を支持している人以外、共産党に投票したいという気持ちにさせてもらえません。

いつもは「憲法9条改憲反対」を掲げている共産党ですが、今回はタイムリーなネタを採用し、「公文書改竄を許さない」を打ち出しています。僕も森友学園問題は追いかけており、公文書の改竄は許せませんが、本当は「多摩市をどうするのか」を語ってほしいのです。街頭演説をチェックしましたが、時間のほとんどを国政批判に費やしており、多摩市の市政をどうするのかをほとんど語ってくれませんでした。今回、市長選に79歳の高橋俊彦さんが立候補したのも「共産党が不甲斐ないから」ということも話していて、共産党が共産党らしい仕事をしてくれていないことに批判的な人もいました。「共産党の言っていることには一部同意するけれど、こうなってしまうと投票したくはない」という人は、なんとなくの肌感覚ですが、着実に増えているかもしれません。


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