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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#222)。

 立花孝志という男は、他人に批判されたらツイート1つで裁判を仕掛けるくせに、自分がやっている名誉毀損には無神経だ。10月19日に「【ちだい裁判解説】この裁判にこだわる「理由」も解説しました」という動画をアップしているが、千葉地裁の前で雄弁に語る内容は、名誉毀損の塊だと言っても過言ではない。
 わざわざ裁判所の前で語るのは「画づくり」のため。ギャラリーにN国信者(NHKから国民を守る党の熱烈な支持者)を置き、自分の正当性を主張するためなら、話をどんどん膨らませてしまうのである。

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(14:23~)
「もう一点が、あの、ちだい君が依頼している馬奈木弁護士と山崎弁護士というのは、いわゆる『極左』の人たちを応援している弁護士さんで、じゃあその根拠は何ですかと言われると、10月7日に僕、被告とされている裁判の判決があります。原告は、あの著述家の菅野完さんです。で、菅野完さんの代理人が今日の馬奈木弁護士と山崎弁護士。同じ弁護士さんなんですね。で、この菅野完さんというのは、最近、話題になりましたが、立憲民主党の石垣のりこさんという参議院議員の私設秘書をされてるんですね。だから、この相手方の弁護士であったり、ちだい君であったりっていうのは、このあいだ、ちだい君、大橋君がちだい君の生放送やってる時に、そこに書き込んでたのが、これまた横川圭希さんっていう人です。横川圭希さんが公人が私人を撮影するのは一線を越えてると。法律違反してると言ってないですよ、一線を越えてるって言うんですよ。なんかちょっとわからん。すぐに僕、横川さんと仲が良いんで、すぐ電話したんですよ、横川さんに。いや、さすがに公人が撮影するのって、べつに何も問題ないでしょう。取材行為なんだからと」

 立花孝志は、弁護士を名指しして「極左を応援している」と言い出した。しかも、その根拠は著述家の菅野完氏を弁護しているからだという。ということは、立花孝志は著述家の菅野完氏のことを「極左」と表現していることになる。
 そして、毎度のことであるが、立花孝志はあまり情報が正確ではない。まず、山崎弁護士は菅野完氏の弁護はしていない。また、菅野完氏は既に秘書を辞職している。そして、立花孝志が横川圭希氏と「仲良し」という表現は不適切である。会話をすれば全員「仲良し」なのだろうか。

(15:51~)
「ちだい君が聞きたいって、俺の公職選挙法違反を聞きたいって言ってるんだから。いや、違うんだ、それは一線越えてるんだと。法的手続きを取るとまで言ってます。もう絶対取ってくださいねって言っときましたけども。この横川圭希さんっていうのが、菅野完さんの兄貴分なんですね。で、横川圭希さんと石垣のりこ参議院議員っていうのが、いつも二人で国会内を歩いています。で、森友事件の時も、籠池さんの自宅内にずっといて、検察が来た時に撮影してたのも横川圭希さんだったり、ちだい君の一派なんですよ

 立花孝志は人物相関図を勝手に作り上げているが、横川圭希氏が菅野完氏の「兄貴分」という表現は、微妙に当てはまらない。年齢的なことだけを言えばそうかもしれないが、もっとフェアで対等な関係だと認識している。
 また、私は横川圭希氏と定期的にイベントをしているが、グループのようなものに所属しているわけではない。ただ仲が良いだけで「一派」になってしまうのであれば、私は某有名芸能人の一派や某有名社長の一派になってしまう。

(16:26~)
「だから、ちだい君っていうのは、ちょっとね、普通のジャーナリストじゃなくて、その森友事件を混乱させた一派の下っ端になるんですね。で、今の参議院議員と、立憲民主党の石垣のりこさんと密接につながっているジャーナリストということで、もちろん、その同じ弁護士を使っていること」

 私が石垣のりこ議員と密接につながっているかと言えば、そんなことはない。もちろん、普段は「選挙ウォッチャーちだい」として活動しており、昨年の参院選で宮城県選挙区を取材した際、事務所を取材したことはある。しかし、会ったのは全部で5回ほど。横川圭希氏や菅野完氏と連絡を取るのも1ヶ月に1回あるかないかである。たいして事情を知りもしないくせに、勝手なことを言ってイメージを作り上げる。これが立花孝志の手法だ。

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 この後、著述家の菅野完氏はレイプ犯だとする名誉毀損を繰り返し、国政政党の代表のくせに、一国民を貶める発言に明け暮れ、私を攻撃する理由が立憲民主党という巨大勢力と戦うためだという演出を始めている。
 そもそもNHKから国民を守る党が勢力を拡大してきたのは、NHKという巨大組織に弱小政党の立花孝志が立ち向かう姿を見せてきたからだ。実際は、委託された外部の訪問スタッフを勝手に撮影し、時にはヘッドロックまでかまし、強い者に立ち向かうどころか、丸腰の一般市民に襲い掛かっていただけであるが、それでも強い者に立ち向かっている感じは演出できた。
 今回も、まるで私が立憲民主党とつながりのある人間で、衆参2議席しか持たない小さな国政政党が、立憲民主党という巨大な野党第一党に立ち向かっているかのような演出をしているに過ぎない。しかし、実際のところ、私は立憲民主党とは何のつながりもないし、私をやっつけたところで立憲民主党の何が変わるというのだろう。そういう基本的なことに気づかない人たちが立花孝志のテンションだけで、N国信者になっているのである。

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(23:48~)
「だから、こういうね、ちだい君という、まあ、底辺のジャーナリストを攻めているんではなく、この国の国会議員と国政政党と、すごくつながりのあるちだい君の発信に対して、明確にね、『攻撃』をしている。反論をしている、『攻撃』をしている。で、僕の言っている『攻撃』っていうのは、あくまでも裁判上の『攻撃』と、言論空間での『攻撃』であって、あと、そういえば『ハタシアイ』にしようぜって言ってるんです。合法的に殴り合い。だって、大橋君に対して『殴ってやりたい』って言ってたよな。ちだい君、なぜ『ハタシアイ』の事務局からの依頼を断ってるのよ。立花のことは、あれが嫌いだから右腕をグルングルン回して待ってますって伝えといてくれって俺聞いてるで。なんで君、逃げてるの? ハタシアイ事務局からもう連絡取れなくなったって言ってるよ。大橋君、殴りたいんやろ? 大橋君と『ハタシアイ』のリングでやったら? 頭も弱いし、体も弱いんでしょう、結局は」

 実際、私は底辺ジャーナリストである。今のところ、実績と言えば、ハーバービジネスオンラインに記事を1本書いただけ。その記事によって多くの弁護士が動き出すムーブメントは生まれたが、私に立花孝志の言うような国会議員や国政政党とのつながりはない。
 それどころか、立花孝志は『ハタシアイ』というC級格闘イベントで戦うことを求めている。『ハタシアイ』の詳細は後日の記事でお届けすることにするが、私にリングの上で殴り合う「興行に参加しろ」と言っているのである。イチャモンをつけてリングに上がらせ、それをお金に変える。日本第一党の事務所前で桜井誠氏に「果たし状」なるものを読み上げたのも『ハタシアイ』を宣伝するためだ。立花孝志にとっては、とにかく決着がついて立花孝志が勝ったことになるのなら、裁判でなくてもいいし、どうにか『ハタシアイ』というC級格闘イベントをメジャーにしてあげたいのだ。

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(24:50~)
「で、そういう人が、まあ、そういう人を信用してて、今回、1320円払った人もいるわけですよ。だから、ここはね、あの、僕はこれがね、正義だと思いますし、NHK問題をやっていく時に我々がおかしな組織だと、危険な組織だとかいうことを、あの、あまりあちこちで吹聴されて黙ってると、それは認めたことになるから、僕は週刊文春に対しても、ちだい君に対しても訴えています。で、それ以外の人は基本的にはザコだと思ってるので、それは言ったらいいですけども、ただ、今、Twitterでね、今日も2回目の仮処分申立てをしてきました。これはあの僕の政治的なことじゃなくて、誹謗中傷をできるだけ減らしたいという思いでやってるので。ちょっとそこのザコを相手にしているのはね。いわゆる一般の人を相手にしてるのは、ちょっと違う意味がありますから」

 立花孝志は、誹謗中傷をしたとして訴えている一般人を「ザコ」と表現している。「ザコ」というのは、地位の低い者、取るに足りない者を例えた言葉である。
 受忍限度を超えた名誉感情の侵害だとして訴えているはずなのに、誹謗中傷してきた人を「ザコ」と呼んでいるのだから、本当はまったく名誉感情の侵害などというものは起こっていないのではないだろうか。それはこの動画を見ても明らかである。
 もう一つ、皆さんによく覚えておいていただきたいのは、2回目の仮処分を行った日付である。立花孝志はこの動画の中で「今日」と表現しているため、2回目の仮処分を行ったのは、この動画が撮影された日、つまり、10月19日だということになる
 2回目の仮処分が10月19日に行われたということは、この後、非常に重大な事件のカギとなる。近日、Yahoo!ニュースにも掲載される告発記事の第2弾をお届けすることになりそうだが、「10月19日」は大きなポイントとなるため、ぜひ覚えておいていただきたい。

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(26:39~)
「要は、ちだい君の記事っていうのは、確かに裁判を勝ってるので、私との裁判勝ってるから、信用する人が大勢いて、それによって二次被害が広がってると。だから、あの、まさにね、司法書士の加陽麻里布さんがそれを言ってるのも、まさに二次被害なんですよ。まさにセカンドレイプというか。セカンド名誉毀損になるんでね。セカンド誹謗中傷になってるので。まあ、その責任はね、しっかりと」

 ここまで来ると、完全にイチャモンの域である。
 そもそも裁判は私から仕掛けたものではなく、立花孝志から仕掛けたものが敗訴しているに過ぎない。自分で裁判を仕掛けて、自分で裁判に負け、それで「セカンドレイプ」だの「セカンド名誉毀損」だの言われても、最初から裁判を仕掛けてこなければ、何も起こらずに平和だったのではないかと思う。それをよく懲りずに再び自分から仕掛けた裁判の、それも裁判所前で語ったものである。
 NHKから国民を守る党の支持率は低迷し、「ネット上の誹謗中傷対策に乗り出す」と宣言したことは、同党の支持率を回復させるための新たな戦略だった。
 ところが、私の記事を信用する人があまりに多いため、立花孝志が何を言っても信用してもらえなくなっていると思っているようだ。
 私の記事にそれだけの影響力があれば誇らしいことだが、実際は違う。立花孝志やNHKから国民を守る党の日頃の活動を見て、少しずつ支持者が離れているだけである。今でもNHKから国民を守る党を熱烈に支持しているのは、何も疑問に思わないレベルで洗脳された人か、周回遅れの情弱だ。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

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 立花孝志は、NHK時代に「記者」だったこと、海老沢会長の秘書だったこと、冬のソナタの買い付けに関わっていたことを、すべて「本当だ」と断言した。その根拠は「嘘を言っているならNHKから訴えられるはずだ」というものであるが、立花孝志がオフィシャルに公表しているNHK時代の経歴を確認しても、およそ「冬のソナタ」の買い付けに関わっているとは思えない。
 立花孝志の自伝ムック本「立花孝志かく闘えり」によれば、立花孝志は1998年7月にスポーツ報道センターに異動となり、2004年7月に編成局(経理)に異動になったとされている。
 一方、「冬のソナタ」が韓国で初めて放送されたのは2002年。日本のNHK-BSで放送されたのが2003年。あまりに反響が大きいため、地上波で放送されたのが2004年4月からである。
 この頃、スポーツ報道センターにいた「夏異動組」の立花孝志が、どうして「冬のソナタ」の買い付けを担当したのか。流暢に韓国語が話せるわけでもないのに、どうやって「冬のソナタ」のヒットを見極めたのか。
 立花孝志の熱狂的な支持者たちは、「立花孝志の経歴に興味がない」と言うが、そう言いながら、立花孝志のスーパーサラリーマン伝説は信じているのである。
 今後も立花孝志の経歴詐称疑惑については追及していく。

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